ラシサの刻印

父に抱きつく8歳くらいの自分をみた。

母に抱きつく8歳くらいの自分をみた。

父と母の間で手をつないでもらっていて喜んでいる自分をみた。

なにも言葉はなかったけど、

わたしはとてもとても嬉しかった。

でも、ふたりは、

わたしに手を振っていた。

もう、時間だよ、行くときだと。

最後にこう聞こえた、「行ってらっしゃい。」

私はこう答えていた、

「行ってきます。大好き、大好きだよ!!」

泣いていた。

いつの間にか、8歳の私は、

33歳の私になっていた。


振り返ると、

白いTシャツをきた男性がいた。

私の旦那さん。ようやく出会えた・・・

泣き止まない私をみると、

引き寄せて抱きしめてくれた。

気づくと、

おなかが大きく、

二人のこどもだということがわかった。

その子の名前は「ラシサ」という。

自分ラシサをどうか忘れないように。

あなたラシサをどうか大事にしてください。

あなたのお父さんとお母さんは、

そのラシサがいつまでも大好きです。

この手から巣立つ日がきても、

ラシサが好きです。

大人になっても、

いつまでも、

子供でいてほしいなんて、わがままなお母さんをゆるしてね。

ラシサが大学に行っているときに、

印鑑屋をたたむことになって、

苦労かけた、

何も考えていなかったお父さんを許してくれよな。


そんな、

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