いま再びのコールドリーディング入門

以前、金融日記メルマガ第298号に投稿した文章です。

お世話になっております。
アラフォープレイヤーのテツです。
本メルマガでも初期のころ(第89号など)から紹介されてきた基礎的なテクノロジーであるコールドリーディングについて、関連書籍を読んでみました。
これらを知ると、応用範囲が広がりますので、ちょっと詳しく紹介します。

まず、原理的なことを言うと、コールドリーディングの肝は、次のような脳の機能を利用することです。

・曖昧な情報を具体化しようとする(具体化の原理)
・中途半端な情報を補完しようとする(補完の原理)
・他人の話を自分に当てはめて考える(主観の原理)

脳は、曖昧さや中途半端さが不快なので、こちらから指示しなくても、勝手に具体化や情報補完を始めます。
この原理を使って、話し相手が自ら情報を出し、こちらの話を受け入れるように誘導することができます。

以下、コールドリーディングの典型的な文例です。
○○ルーズ(ruse:策略)という分類がされています。

(1) あいまいルーズ
「ある程度は自由にさせてほしいよね、縛られたり制限されるのはストレスでしょ?」
”ある程度”、”ときには”、”こともある”といったあいまい表現を使って誰にでも当てはまるようなことを指摘する。相手はあいまいさを勝手に解釈し始めて、ああそういうこともあると結論付ける傾向にあります。

(2) 二重人格ルーズ
「人といるときは外交的で愛想がいい感じだけど、一人でいる時は内向的なところもあるでしょ?」
性格の対立する二面を言ってあげる。大抵の人に当てはまる。
「ところもある」の部分はあいまいルーズでもある。
その人がいつも言われているだろうことと違うことを言ってあげると尚良い。
常々、明るい人は明るいですねと言われるし、おしゃれな人はおしゃれですねと言われ慣れていてウンザリしています。
「その反面○○な所もあるのでは?」と言ってあげることで、この人は私のことをよく見抜いていると印象付けることができます。

(3) おだてルーズ / (4) ダブルバインドルーズ
「○○ちゃん、自分に厳しすぎるところがあるでしょ?」
「○○ちゃんは努力家なんだね」
これはおだてです。霊能者があなたは霊感が強いねと言って対象者を引き込むのも、おだてルーズです。
それに留まらず、これがダブルバインドになっているところがトリックです。
「いや、私は自分に甘いです」「そんな、まだまだ努力が足りないです」といった否定の答えをすること自体が、自分に厳しい、努力家であることを証明します。
おだてを否定されてもおだてが成立するのです。しかも上からの褒め方なので、恋愛工学的にハマります(第96号 女を褒める技術)。

次に応用編です。

(5) ペットルーズ
「あの、突然変なこと聞くかも知れないけど、(相手を霊視するような雰囲気)・・・犬を飼ってたりしない?」
当たれば当たったでいいですが、外れた場合は、
「そうだよね・・・不思議なんだけど、君の横に犬が居るイメージがするんだ、どうしてだろ・・・」
ここで相手は自ら情報を補完しようとし始めます。
昔飼ってた、友達が飼ってる、犬が怖い、さっき犬を見た、今読んでる小説に犬が出てくる、etc.
こういう情報が出てくれば、「なるほど、そうだったんだね」とコールドリーディング仕上がりです。
「犬飼ってたりする?」「飼ってないよ」「あ、そう」ではラポールは築けません。ひと捻りでこれだけ変わります。ペットに限らず、汎用性の高いキーワードで使うことができます。

(6) ドッペルリーディング(Doppel(独)英語のdouble、二重、生き写し)
恋愛工学では、相手をストレートに褒めるのは下策ですが、それをうまくやる方法です。
「○○さんは、英語が堪能だったりしませんか?なんとなく思ったんですけど」
「いや、ぜんぜん苦手ですよ」
「そうですか、失礼しました。実は私の英語堪能な友人にすごく雰囲気が似ていらして、彼は商社マンで世界中飛び回って・・・」
これも、当たれば当たったで会話のきっかけになるし、外れてもなんとなく褒めている感じになります。
相手は間接的に褒められているようで悪い気がしないし、あからさまな下からの褒め方じゃないので、これも女を褒める技術になります。
パーティーのオープナーなんかにも使えるルーティンですね。
初対面の人と話すのが苦手という人は、初対面の相手を、似ている知人とか芸能人に見立てて会話を仕掛けるとスムーズに会話がオープンするでしょう。

【まとめ】
コールドリーディングをする目的は、
・相手にこの人は私をよく分かってくれると思わせること
・相手が自ら情報を出すように仕向けること
です。
つまりラポール形成ですね。
間違っても、当てものにしないでください。相手の情報を当てに行くという姿勢は、相手との対立構造を生じてしまいます。
聡明な金融日記読者には自明なことかもしれませんが、当たるかどうかはどうでもいいことなんです。

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