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オオモンハタの捕食

トビヌメリを頭から捕食したようでした。
よくあるケースとしては、追いかけて行って、尾鰭側からのアタックになるのですが、この時は運良く(オオモンハタ)、あるいは運悪く(トビヌメリ側)このような状態でキャッチに至ったようでした。
その瞬間を見てはいませんが、トビヌメリが砂に潜り込んだタイミングで大口を開けて、その辺の砂地に飛び込んだのでしょう。

 さて、冒頭で申したように、なぜ?この状況が捕食者にとって運が良く、犠牲者にとって運が悪かったのでしょうか。

 それは、一般的に捕食対象を追いかけてゆけば、尾鰭側から食べられるのが定石となるのですが、その場合は逃げることのできる可能性が残ります。特に、トビヌメリのように尾から鰓までの距離が長い魚ほど、そのチャンス(猶予)は広がります。ジワジワと飲み込まれていって、鰓に捕食者の口が到達すると1分程度で窒息します。
つまり、鰓に到達するまでは、逃げ出すチャンスはあるのです。体を捻ったり暴れたりすることで、逃げ出した魚を何度も見ています。もちろん、体の半分以上が飲み込まれてしまうと、動きが制限されてしまうので、確率は極端に低下してしまいます。
なので、このように頭から食べられることは非常に稀で、不運な状況と述べました。

捕食したトビヌメリを狙う

 ところが、この捕食者にとってラッキーだったはずの状況に暗雲が立ち込めます。
「漁夫の利」を得ようと近づく第三魚です。
尾鰭から飲み込むのと違って、頭からの場合は時間がかかります。そのもたつきを狙われてしまいました。

トビヌメリを奪い取ろうとしています

 みるみる間に接近して、食らいつきました!
ただし勢い良く行ったので、相手の口にまで達してしまい、この状況ではトビヌメリを引っこ抜くことができません(笑)。
これでは端から見れば、カサゴの大口選手権にしか見えません。
ちなみに、このトビヌメリの大きさは捕食者と10cmほど小さい程度です。
結局は、主導権のある右側のオオモンハタが勝ち取りましたが、このような餌の奪い合いを見たことがなかったので、かなりの時間をこの場所で過ごすことになりました。
通りすがりのダイバーは、私が何の観察をしていたか理解できなかったと思いますが、こんな事があるので水中通いは、いつまで経っても止められませんね。

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