2021.05.21 九州完全制覇(第三夜)JR九州 筑豊本線(若松線)BEC819系 前面展望 直方→若松

筑豊本線や篠栗線に路線愛称が付いて久しいですが、「若松線」といえば折尾ー若松間のこと。直方からの直通便が主体ですが、ここもやはり31年前に乗りつぶし済み。ならばなぜ乗りに来たのかというと、蓄電池電車「DENCHA」ことBEC819系に乗ってみたかったからです。

初めて「DENCHA」のことを知ったとき、非電化ローカル区間にどうしてそこまでおカネをかけて........と、正直疑問でした。また、ここ若松線だけでなく、電化区間に乗り入れるわけでもない香椎線の全線にも導入したのか(BEC819系のあとに出た、ディーゼル・蓄電池ハイブリッド車のYC1形でもよかったのでは)も。

考えられる理由は、西鉄(鉄道+バス)や自家用車への逸走を止めるには、国鉄時代からキャリーオーバーした古株(キハ40系やキハ66系)からの「クォンタムリープ(量子的飛躍)」が必要だったからということ。都市圏輸送でディーゼルエンジンの排気をまき散らすことは現代的ではないし、燃料費もバカにならないとなると、「1両あたり約2億3千万円(通常の電車より約1億円割高)」というコストをかける甲斐もあると、JR九州はソロバンをはじいたのでしょう。

ただまあ、外見も内装もお馴染みの「水戸岡イズム」通勤電車ですし、乗ってみれば普通の電車。直方から折尾までは、パンタグラフから直接給電されますので、当たり前といえば当たり前ですが........見せ場は折尾駅から先。運転士の操作でパンタグラフを下ろし(離線時の「ジジッ!」音が車内からも聞こえました)、終点の若松まではバッテリー(蓄電池)を電源に走ります。「架線のない線路をモーター他電車の機器音を響かせながら走る」シュールというか未来的な体験は、どうぞ本作の折尾以降でご体験ください。

非電化区間走行後の充電は、Wikipediaには「折尾駅停車後にパンタグラフを上げ、折尾駅停車中に行う」旨書かれていましたが、それだけでなく、電化区間での惰行・停車時にも行われているようです(「日立評論」2016年10・11月合併号:蓄電池駆動システムにおける最新技術と展望 https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2016/10-11/pdf/2016_10_11_02.pdf より)。ただし、香椎線の場合は(鹿児島本線に直通しない限り)全線非電化区間を走行することになるので、急速充電のため香椎駅で10分前後の停車が必須になります。同じ理屈だと、EV-E801系(BEC819系の交流50Hzバージョン)も秋田ー追分間は電化区間を走るので、男鹿での充電用架線は必要ないと思うのですが........。

余談ですが、今回若松線に乗車した理由はあとふたつありまして、

★折尾駅とその前後の連続立体化工事の進捗を確認したかった
★筑豊本線の線路の「栄枯盛衰」を確認したかった

これらは、本作中のテロップにて解説を入れています。間違いがありましたら、コメントにてやさしくお知らせくださいませ。よろしくお願いいたします🙇

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