Tetsuhiro Horie

スペインのバルセロナでサッカー監督やってます。

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最近の記事

スペインの監督学校では技術をどう説明するか ② - 運ぶドリブルと抜くドリブル -

■ 今回の内容について 前回はスペインの監督学校で一般的に説明されている技術の概要を紹介いたしました。↓ スペインの監督学校では技術をどう説明するか ① 次に各技術を個別に説明するつもりでしたが、それよりもその特徴や考え方を説明した方が良いかなと思いましたのでそちらに変更します。 ■ 運ぶドリブルと抜くドリブル  よくいわれることですがスペインでは運ぶドリブル(Conducción)と抜くドリブル(Regate)は別な言葉で表現されます。例えばCBがゾーン1(ピッチ

    • スペインの監督学校では技術をどう説明するか ① - 技術の定義と概要について -

      ■ はじめに 「スペインの監督学校では技術をどのようにとらえているのですか?」 サッカー関係者の方々から以上の質問をいただく機会があったものの、きちんと体系だてて説明させていただくことができていませんでした。今回はそれらの質問に答えさせていただこうと思います。 ■ 技術の定義について まずはスペインの監督学校で一般的に説明される技術自体の定義についてご紹介します。 La técnica es el conjunto de acciones que puede des

      • 日本対コロンビア 番狂わせはいかに起きたか?

        目次 ・はじめに ・駆け引きの弱さ ・原口の守備 ・乾の守備 ・本田の評価について ・パラグアイ戦からの昌子の改善点 ・試合の総評として ※この分析の中でGIF動画(一つあたり5メガ未満)を複数使用しています。携帯通信の方は負荷がかかる可能性がありますのでご注意ください。 ■はじめに 試合開始早々、先制点に至る起点となったのは大迫勇也の裏取りと香川真司の意表を衝いたダイレクトパスでした。香川真司がボールを受ける前に大迫とアイコンタクトすることで連携がとれました。相手の両C

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        • 日本対パラグアイの分析

          スイス戦における課題として「プレスの強度」「攻守の連携不足」をあげましたが、パラグアイ戦では多くの改善がみられました。(※参照動画が複数あるのでスマートフォンで閲覧する方はご注意ください。) ■目次 ・改善されたプレス ・柴崎は優秀な「念使い」? ・日本の1失点目は相手のゴラッソだけど… ・昌子は両刃の剣である ・日本の2失点目を考える ・最後のキーマン ・総評、そして自分が考える初戦のスタメン ・【採点と寸評】

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        スペインの監督学校では技術をどう説明するか ② - 運ぶドリブルと抜くドリブル -

          スイス対日本 (後半)の分析 自分が気になった部分を中心に

          後半開始に選手交替はありませんでしたが、選手のプレスの強度が向上しました。前半と後半の原口のプレスの違いをみていただければ、明らかです。 前半9:56での原口のプレス↓

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          スイス対日本 (後半)の分析 自分が気になった部分を中心…

          スイス対日本(前半)の分析 日本代表の課題について。

          試合の話をする前にハンターハンターの「オーラの攻防」の話をします(いきなり脱線すいません)。自分を守り、相手を攻撃するためにオーラの配分で駆け引きをするという話です。例えば相手が50の右手の拳で殴ってきたら、左手の防御に60使って、40の右手の拳で相手の守備が薄いと思われる腹を殴る、みたいな駆け引きですね。 私はこの駆け引きの話が大好きで、これはそのままサッカーにおけるスペースと人をめぐる攻防に似ていると感じています。ハンターハンターの世界では「念」に目覚め、その「念」をもっ

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          スイス対日本(前半)の分析 日本代表の課題について。

          シャビからイニエスタへの公開書簡(後編)

          以下の文章はFCバルセロナを去るアンドレス・イニエスタに対して元同僚のシャビ・エルナンデスが送り、スペイン紙マルカで公開された書簡(http://www.marca.com/futbol/barcelona/2018/05/20/5b019a35268e3e9e118b4594.html)を私が日本語訳したものです。 一時期、僕らは共存できないなんていわれたことがあったのだけれど、彼は今も憶えてるかな、きっと憶えてるよな。これがバルサ、論争にあふれるクラブならではのことなん

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          シャビからイニエスタへの公開書簡(後編)

          シャビからイニエスタへの公開書簡(前編)

          以下の文章はFCバルセロナを去るアンドレス・イニエスタに対して元同僚のシャビ・エルナンデスが送り、スペイン紙マルカで公開された書簡(http://www.marca.com/futbol/barcelona/2018/05/20/5b019a35268e3e9e118b4594.html)を私が日本語訳したものです。 アンドレスがプレーしているのを初めてみたときのことをいまでも憶えてるよ。自分がJuvenil(U18)で、彼はInfantil(U14)にいたときのことだった

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          シャビからイニエスタへの公開書簡(前編)

          日本対ガーナについて

          まずは日本とガーナの戦い方について。前半は日本が3-4-3と5-4-1の可変システムを、ガーナは4-2-3-1、場合によっては守備時に4-4-2となるシステムを採用していました。 日本とガーナのシステムの相性を整理します。 日本が3-4-3で攻撃するときにはガーナは4-4-2で、日本の3バックに対してはFWとトップ下の2名がプレスをかけ、MFラインはマンツーマンで、DFラインでは数的優位をつくることで対応していました。(下記図の青は日本で白はガーナ)

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          日本対ガーナについて