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SDGsと平和について考えるー「満州事変」勃発記念日にちなんで

こんばんは。テツジンです。
前回の続きで、今回の記事でSDGsと平和について考えてみたいと思います。SDGs目標16が「平和」と関連しています。

目標16.平和と公正をすべての人に ( Peace, Justice and Strong Institutions)
「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」

以前、一度平和学の父であるヨハン・ガルトゥングの議論を引きながら、「平和」について説明してきました。
復習を兼ねてもう一回紹介します。

本  平和論  约翰·加尔通


ヨハン・ガルトゥングが、既存の肉体的暴力、精神的暴力、性的暴力などといった「直接的暴力」(direct violence)と、暴力が貧困や差別、格差など社会的構造に根ざしている場合の「構造的暴力」(structural violence)を提起したことにより、従来の平和学における「平和=単に戦争のない状態」と捉える「消極的平和」(negative peace)に加え、戦争の原因となる「構造的暴力」がない状態、および協力や平等、対話や平和の文化がある状態であるとする「積極的平和」(positive peace)という概念が確立し、平和学の理解に取り込まれ、一般的な解釈となりました。


ヨハン・ガルトゥングが強調したいのは、平和は単に戦争の状況を指すことではありません。そのことをしっかり、踏まえたうえ、SDGsと平和の関係性とも参照して、本日は、「戦争」について考えます。本日は、2021年9月18日です。
90年前に、奉天(現在の瀋陽)の郊外の柳条湖で、「満州事変」が勃発しました。勃発した日にちなんで、中国では「九・一八事変」とも呼びます。
「満州事変」を機に日中の全面戦争まで進んでしまいました。このことついては、学校の教育では学んだと思います。               

さらに詳しく知りたい方は、元国際協力機構(JICA)の理事長を務めたこともある緒方貞子さんの『満州事変』を参照願います。該博の知識とバランス取れています。

本 緒方貞子『満州事変』


「その場所で語られるべき戦争の記憶がある」と言われるように、できるだけ現場を訪ねるようにしています。平和を探求するためには、戦争の事実も知る必要があると思います。

本 戦争の世紀を超えて

図1

「満州事変」勃発跡地

特に教育に携わるようになってから、SDGsについて勉強しはじめてから、一層その意識が強くなってきました。

参考文献
・ガルトゥング、ヨハン・藤田明史編著『ガルトゥング平和学入門』法律文化社、2003年。
・ガルトゥング、ヨハン著,御立英史訳『日本人のための平和論』ダイヤモンド社、2017年。
・姜尚中・森達也『戦争の世紀を超えてーーその場所で語られるべき戦争の記憶がある』集英社文庫、2010年 

・緒方貞子『満州事変ーー政策の形成過程』岩波現代文庫、2011年                       


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