【読書雑感】『ライフワークの思想』を読む(3)ことばと心

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言語学が好きで、「ことば」と関連するさまざまな現象や記述などに常にアンテナを張るようにしています。

外山滋比古氏の『ライフワークの思想』を再読して、「ことばと心」についての表現が印象に残りました。




外山氏は本書でことばによって、長生きをし、若々しくなる方法を紹介しています。


ことばこそ心をはぐくむ総合栄養である。231頁


年をとるか、とらなうかは、心の緊急があるかないかによる。同じ年齢の人でも、はりのある生活をしている人はいつまでも若々しい。

生活の条件がないときに若さを保つにはどうしたらいいか。いちばん簡単なのは、新しいことばを毎日すこしずつ覚えることだろう。(中略)一生懸命に勉強していると、だんだん「童心」に近くなる。童心がなくてはことばは覚えられないからだ。童心が若さをもたらす。231-232頁


外山氏は2020年96歳で亡くなりました。生前、いつも若々しい印象でした。それは、外山氏が童心を忘れずに日々新しいこと、新しいことばを学び続けたからでしょう。


参考文献

外山滋比古『ライフワークの思想』ちくま文庫、2009年。


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