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【読書所感】『港の日本史』(吉田秀樹+歴史とみなと研究会祥伝社新書)

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本日、吉田秀樹+歴史とみなと研究会『港の日本史』(祥伝社新書、2018年)について紹介します。

<目次>
はじめに
第1章 「港」でわかる日本の7000年史
第2章  政治権力とともに栄えた港
第3章  世界史に名を残す日本の港はどこか
第4章  江戸の物流ネットワーク
第5章  明治150年と近代の港湾
第6章  激動の時代を生きる港

本書を読んで驚いたのは、日本には計933港が存在することです。著者の吉田秀樹氏は運輸省(現・国土交通省)で港湾関係の業務に長年従事したプロフェショナルです。本書はプロフェショナルの視点で日本各地の港をまとめ、今日に連なる日本各地の主な港が網羅されています。

「みなと」の「み」は「水」、「な」は「~の」、「と」は「門」の意味です。

吉田秀樹氏の説明に従えば、「港」「水門」「湊」など多種多様な「みなと」の呼称と種類がありました。

海洋立国の日本にとって「港」は、人々の生活に欠かせないインフラとして交通・物流の拠点であると同時に、都市開発や権力闘争の舞台でもありました。

本書は、港によって形成された日本の文化の要素を視野に入れて、古代からの日本の海外文化の関係、港を中心に発達した諸都市と経済・商業など、「みなと」を媒介に「港」の専門家が「港」日本史を複眼で読む斬新な試みです。


港は人とともに歴史を歩んできた。そしてこれからも、港は人とともに未来をつくってゆく。244頁


下記の「著者・吉田秀樹さんに聞くという」記事も見つかったので、ご関心のある方はご参考ください。


933の港は、わずか数箇所しか回っていません。本書を片手に取りながら、港を訪ねる度も継続していきたいと思います。

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