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“古い自民党”復活が都市部の若者に嫌われるリスク

昨秋の衆院選当時にも話題だったように、世代別の政党支持率を探った世論調査での10〜30代の自民党支持率の堅調さが指摘されている。今年に入っても、沖縄県名護市長選で、地元テレビ局の出口調査で50代以下が与党推薦の新人候補者支持、60代以上の高齢者は左派勢力側の現職支持とくっきり分かれたことが注目された。

若い世代の自民党支持の傾向は、右肩下がりの時代、雇用の流動化が進むなかにあって、安倍政権の経済政策が一定の成果をおさめているという認識が広がっていること、対する野党が離合集散していたり、現実味のない政策を振りかざしたりして政権担当能力が皆無なことに支えられている。

しかし、野党が弱くなりすぎて自民党内の緊張感が欠け始めると、かつて政権から転落した2009年以前の“古い自民党”の姿が頭をもたげてくる。とくに、昨年の衆院選大勝のあとから、失言レベルにとどまらず、派閥内の勢力争いであるとか、時流に明らかにあらがう政策判断がなされはじめたあたり、危惧せざるを得ない。

それらのリスクの芽をいくつか述べてみたいと思うが、まず典型例に挙げたいのが、地方議員の年金の事実上の復活だ。

かつて存在した議員年金は、年間約78万円の国民年金に加え、国会議員で約412万円、地方議員平均で約96万円を受け取ることができたが、受給資格期間が国会議員で10年以上、地方議員で12年以上と、国民年金の25年よりも短い上に、掛け金に対する受給額も恵まれていた。当然のことながら「特権」への批判が強まって2006年に廃止されたが、ここ数年、各地の地方議会で「議員のなり手がいなくなる」などと意見書が可決され、自民党と公明党が法案をまとめている。

しかし、それらは決して一枚岩ではないのだ。

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