研修講師が注意しているオープニングトークのデザイン__5_

聞き手を『前のめり』にさせる登壇技術を勉強する会 発表に関するネタバレ

この記事は、イベント 聞き手を『前のめり』にさせる登壇技術を勉強する会 にて私が発表した資料 をどのような意図で作成したのか。そのネタバレとなる内容に関する記事です。


背景

今回の登壇は、私が普段研修などで実施しているワークショップやレクリエーションのコンテンツを行う際の「アイスブレイク」という文脈に注目し、このテーマで話してみませんか?というお誘いをいただきました。

研修でのトークとこのコミュニティにおけるLTなどの登壇ではだいぶ性質が違うと思うので、開き直って自分がいつもやっている方法をとにかく紹介する、という方針としました。

アイスブレイク、ツカミ、登壇、特にLTにおいては笑いを取ったりということに目が行きがちですが、いろいろなLTを見ていく中で自身は2つのポイントに違和感を感じ、ここに一石を投じてみよう、と考えました。

その2点とは
1. 自己紹介スライドの是非
2. ご清聴ありがとうございました問題
です。

TEDと自己紹介スライド

プレゼンテーションといえば良くも悪くもTED。いくつかのTEDスピーチを見ていると、もちろん彼らは超有名人であることが多いから自己紹介なんてする必要はない!という点こそあれ、多くの人はストーリーテリングから入る ということに気づきました。それが今回「NO MORE ご清聴ありがとうございました(のみの)スライド」という謎スライドをオープニングに持ってきた意図です。あえて、タイトルスライドを使わないということで一風変わったオープニングってのもアリだよね、ということをオープニングトークで伝えてみよう、というねらいがありました。

ちなみにオープニングトークの題材として考えていたのはその他には2点ありました。

1. 船から飛び出す日本人のジョーク「他のみんなも飛び込みましたよ」
2. 最近研修で「左手は添えるだけって言っても通じないんですよ」

1. については、アイスブレイクを行う際に「他の人もやることで自分もやりやすくなる状態を作る」というトーク内容を考えていたため、2. については「とりあえずスベった体験を自己開示する」という目的で考えていて、普段もこのテクニックは使うのですが、今回は、研修講師という肩書から少しは威厳のある感じ、つまり、みなさんになるほどそうだね、と思わせる内容を話す というねらいとしました。

オープニングのねらいをさらにその前から設定すること

発表の最後に述べたとおり、良いプレゼンは、相手のところへ降りていき、自分の世界へ連れて帰ることだと思っています。なので、相手のところへどう降りていくか、ということがポイントです。

1. 自虐ネタで笑いを起こして一体感を作る
2. 会場の人たちがうんうんそうだね、って思うような話をする
3. 今からする話をちゃんと聞かないとやばいって思うホラーストーリー

などがあると思います。「つかみ」「さぐり」というところでしょうか。

今回の話の前に自分のプロフィールをどう設定するかについて悩みました。今回対象となる聴衆は基本的にはエンジニアの方々。もちろん自身ももともとエンジニアだったのですが、現在は採用も担当する人事職。この時点で簡単に共感を得ることはちょっと難しくなってしまっています。

そこでそれをある程度中和させるために、研修講師であるという威厳側と、元SESのときに考えた、という共感側の要素を盛り込みました。

その他工夫してみたこと

その他、今回私の発表のポイントは Twitterで拡散させるポイントをつくる ことでした。エンジニアの登壇を応援する会 での登壇は初めてなので、出席者のうち私のことをあまり知らない人は半分以上います。この方々にリーチさせる。それが狙いです。

まず、このスライドを見て誰か投稿してくれることを期待していましたw

そしてこの「出会う絵」です。

この「出会う絵」というフレーズは、今回の発表の原稿作成の段階で初めて考案しました。

そして最後のスライド(=ご清聴ありがとうございましたではなく言いたいことを書いたスライド)にも、この「出会う絵」を登場させ、

良いプレゼンはエスコートであり自己満足のサプライズであってはいけない、という感想?を持ってもらい、クロージング。最後にプレゼンにより 行動につなげる ことができそうか?サムアップで問うことで成功かどうかを判断することにしました。

まとめ

1. はじめての当該コミュニティにおける登壇ではプロフィールで少しでも興味を持ってもらえるような内容にする
2. 冒頭からインパクトのある内容を表示して、Twitterでの拡散を狙う
3. 覚えやすいフレーズを作ることで内容はともかくポイントが4つあったことを覚えてもらう(詳細は興味持った人に後から説明すればいい)
4. オープニングとクロージングの重要性を密かに訴える
5. 最後に行動に関するテストを行う

おまけ:ボツネタなど

「スベる自己紹介」というのをやろうとしていましたが時間の都合等でやめました。ちなみにアイコンにも使っているベイスターズのユニフォームを来て登場する、というのがその例です。これをやると、他球団の人に話を聞いてもらえなくなる(無関心ではなくより悪い否定的な状態になりうる)というリスクがあるのでやめましょう、という話を考えました。(もちろん共通の話を深くできる人を増やしたいならそれでも良いと思います)

もう少し多くのワークを紹介しても良かったのですが、時間に不確実性が高まってしまうので避けました。いつもの研修であれば適当に時間が調整できますが、登壇となると難しいですね...

今回の発表で話すネタについては事前にXmindでこんな感じのマップを作って構成しました。このあたりの話も今後どこかの勉強会で実施できればと思っています。

関連リンク

当日の感想ブログ等を発見し次第拾いますw
クサカンシのブログ: 「聞き手を『前のめり』にさせる登壇技術を勉強する会」に参加してきました!!
Riin's Workspace:「聞き手を『前のめり』にさせる登壇技術を勉強する会」行ってきた #engineers_lt
ごまなつBlog:「聞き手を『前のめり』にさせる登壇技術を勉強する会」の参加レポート
勉強会系のことを書くブログ:聞き手を『前のめり』にさせる登壇技術を勉強する会 開催レポート #engineers_lt

サポートしてくださるような稀有な方にはサポートしてくださった金額分を奢り返したいと思いますw