育児と仕事を両立している女性社員と一緒に仕事をしてきたこと
約2年半、双子のお子さんを育てる女性社員(Sさん)と一緒に人事の仕事をしていました。Sさんは育児休業後に復職し、当時私一人で行っていた人事の仕事を二人で一緒に行うことになりました。Sさんは時短勤務です。そして私にとって部下という立場なのもSさんが初めてでした
ちなみに育休前はSさんは違う職種の仕事をしていたので、人事業務は未経験。そして、私と一緒に仕事をするのも初めてです。
やってくる前に考えたこと
Sさんがやってくると決まった段階で、私が考えていたことです。
決して私のアシスタントではない。仕事を正しく理解し、独立して考え、判断できるように教え込まなければならない。人事関連の仕事をスキルとして身につけさせなければならない。→もしかしたら数年後、子育てに専念するために職を離れることがあるかもしれません。しかし、お子さんが大きくなった後で復職する際に、「人事の仕事ができます」と自信を持って言えれば就職にも有利です。
とにかく私の考えを話す。綺麗ごとばかりでないということ、理想と現実は違うことなど、私が考えていることを伝える。→決められたことをやる、言われたことをやる、だけでは仕事としては初歩レベル。私の考えを話しながら、もう一段階上のレベルを一緒に目指したい、と思いました。もちろん私の考えが何でも正しいというわけではないので、Sさんの考えも引き出してゆこう、仕事の本質は何か、何を目指すべきなのか一緒に考え、創造的に仕事をしてゆこうと思いました。
仕事の進捗状況はすべて共有する。→二人しかいないので仕事の進捗状況は完全に共有する。急な事情でSさんが休みになっても私が100%対応する。完全に共有できているので私にとって何ら負担ではありません。
「Sさんの”お子さん”」とは言わない。必ず名前で言う。→「子どもは社会全体で育てるものだ」みたいな考え方ってあるじゃないですか。私は家族でも親戚でもないのですが、私がSさんの生活の一部であることは間違いなく、当事者意識をもつために敢えて名前で呼ぶようにしました。時短勤務なので、少し早い終業時刻を私も毎日気にするようにしていて、時短勤務の終業時間には(双子なので)「○○くんと〇〇くんを迎えに行く時間だ」とか言ってました。とは言え、子育てはあくまでSさんの家庭のプライベートなことなので、名前を呼ぶ以外に私からお子さんの話はしないようにしていました。
一緒に働いてどうだったか
一緒に働く人の価値観や仕事に対するモチベーション、能力はそれぞれ違いますので、私のやり方、考え方が良かったかどうかはわかりません。
Sさんはとても人当たりが良く、理解力も非常に高いです。仕事をどんどん覚えてゆき、これまでにないことを提案してくれたりもしました。
決して嫌な顔もせずどんな人にも丁寧に接しながら仕事をしてゆくので私はSさんをとても尊敬してますし、信頼できます。
(私なんかはすぐ嫌な顔をし、人の悪口はとまらず、印象は悪いです)
仕事をどんどん覚えてゆくので私もやり甲斐を感じていました。
2年半くらい一緒に仕事をしてSさんは2回目の産休・育休を取ることになり、私から離れてゆきました。
あとで聞いた話
その後、Sさんに連絡を取る機会があり、一緒に仕事を始めたときのことを話してくれました。
(詳細は書きませんが)最初の頃は、Sさんも仕事を覚えてゆくことについて、うまくいかず悩んだりもしていたそうです。
そんな時、私がSさんにとある漫画の第1巻を貸してあげたことが大きかったとのこと。その漫画はSさんの故郷を舞台にした作品だったので、Sさんに「読む?」みたいな軽い感じで貸してあげたのですが、その出来事が
私に心を開き、私と「一緒に仕事をしてゆく」覚悟を決めるきっかけになったとのこと。
涙が流れました。
それ以降、その漫画の新刊が出るたびに貸してあげています。
上司と部下の関係性
年下の女性で、幼いお子さんがいらっしゃって時短勤務の社員とどういう関係性を保っていくべきなのか?色々考えさせられます。
決して友達ではないし、変にプライベートに立ち入るべきでもありません。
ただ、長時間一緒に仕事をする関係なので、何か仕事以外の共通の事柄があるのは、日常のコミュニケーションを取る上でいいと思いました。ただの雑談ではなく、同じ漫画を読んでいるというのが楽しいです。
時短勤務のSさんは、時間に制限があります。仕事以外の共通の話題が漫画であれば、時間に縛られないのでまさにちょうどよかったですね。
私は元々あらゆる場面で人付き合いとか苦手なんです。
Sさんと一緒に仕事をしたことは私にとって大きいことでしたので、書いてみました。
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