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親切心の逆効果 - Opposite Effect

親切心の逆効果 - Opposite Effect of Kindness

Opposite Effect of Kindness / Meddling

「親切心の逆効果」という意味深な言葉がありまして....まあ、これがことわざとかにもあるのかどうかわかりませんが、私自身は、Manga(笑)の「ハイスクール奇面組」(High School Kimen-GUMI)が大好きだったためこの漫画に登場する一フレーズとして覚えているんですが...

「奇面組」自体、結構自分の生き方を反映しているような気もしているので、結構好きだったりするわけですが・・・。特に、エンディングで使われていた「ちょっと辛いあいつ」(息っ子クラブ:おニャン子クラブの男性版^^;)という歌の内容が密かに好きだったりします ^^;。

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「親切心の逆効果」を端的に表現しようとすると、「お互いに避けようとして正面衝突してしまう」自動車や自転車の例を挙げると非常にわかりやすいでしょう。どちらかだけが「親切心」を持っていてどちらかが「Wicked」(笑)であれば、お互いに<同じ方向>に避けることも無いので正面衝突は避けられますが....相手を思う気持ちがある故に起こる出来事。そして、相手の「親切」がわかるが故にまた辛くなる。・・・何度死んでも死に切れ無いほどの辛さ。:-)

夏目漱石の「草枕」に、こういう言葉があります(冒頭です)。「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい。」・・・理屈を通そうとすると(智に働けば)、人との間がぎくしゃくして角がたち、人に情けをかけると(情に棹させば)引きずられて自分までも危うくなる。自分の意地を貫こうとすれば、人間関係を損なうこととなってしまう。とにもかくにもこの世の中は住みにくいのである・・といった事を言っています。

「親切心の逆効果」は、「情に棹させば」に若干通じるものがあるかもしれません。確かに、「自分がいないと....」と人間考えがちでついついお節介をしてしまう事がありますが(meddling)、自分がいなくても世の中は流れて行くもの .... と考えると、気持ちが若干楽になるのではないでしょうか。

この「お節介」という言葉自体は極めて「日本的」なもので、海外には全く「理解されない」ものに近いものが有ろうかと存じます。まず「お節介する前に」「自分を磨け」が基本でしょう。「親切」は「親を切る」と書きます。親子関係でも「理解」が大変である事は周知の通りですが、まして他人となると「相手の身」になる事はなかなかむずかしいもの。(尚、「切」という言葉自体は、刃物をぴったりとくっつけて切ることを表したもので、基本の意味は<切る>ことですが、そこから派生した意味も沢山ありまして、その一つが「程度の深刻さを示す」意味 -非常に- です。親切は「相手に<親しみ>を感じ、心配りを<非常に>手厚くすること」の事)・・・まして、気をゆるめればすなわち「時代」や「世間」という波に足をすくわれてしまいます。

鴨長明の言葉に、このような一文があります。

「鳥は林を願ふ。鳥にあらざれば、その心をしらず」

鳥を飼う人がいる...しかし、鳥は林に帰りたいと思う...鳥では無い人間は鳥の考えや思いはなかなかわからない、という意味になるでしょうか。物凄い葛藤だってことは本当によくわかる....けど、いわゆる「お節介」も程程に、という自戒の言葉にはなるような気がしますが、如何でしょうか。

(初稿: 2004年03月26日)

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(追稿)

発展途上国・中進国等への「援助」「教育」も、結局<親切心>から行ったところで逆効果にしかなっていない事は多いのではないでしょうか。無慈悲な施しは、逆に、依存心を生み出しますし、施して尚恨まれる原因にもなりかねません。

弱者支援・援助・教育の観点で最も大事なのは、「施しを与える事」ではなく、寧ろ、「(過度にならない程度に当人に相応しい)自信や尊厳を植え付ける事」等ではないかと思うのですが、如何でしょうか。そして、尊厳と言うアイデンティティの無いグローバルな人材は、ハッキリ言えば、みっともないでしょう。私自身は、日本語教育もアイデンティティも<全く>興味ないので、日本人の子供として別の国で英語で子供を教育するだろうと思います。日本の教育に道徳を、と昨今言われていますが、それは違うと思います。大事なのは、大人の教育の方でしょう。「子供をどう教育すべきか」と言うのも、社会でシェアすべき立派な教育です。「まがいもの」を見たらどう対処すべきか、であるとか、大人が学んでいないけれども人生で大事な事が、学びきれていない人は多いのだろうと感じます。そもそも、「子供には道徳を!」「誤った歴史の認識を是正しよう!」と言う貧弱な発想にしかならない、その「発想の貧弱さ」を克服する為の、矢張り大人教育は必要だと思うのだけどな!!(笑) 教育や援助の前に、先ず自分の事を考える事、それが、親切心の逆効果を防ぐ重要なポイントですヨ??!!(笑)

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