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罪も憎まず人も憎まず〜都構想に散る橋下氏評価論

(初掲 2015年5月23日)東南アジアを色々と旅行して、漸く落ち着いて記事を再び書ける環境に戻ってきました。シンガポールの格安ドミトリにステイしていた折に、維新の会の橋下徹氏が中心となった大阪都構想の「敗北」のニュースをリアルタイムで観ておりました。本当に、残念な結果です。「シルバー民主主義(デモクラシー)」と言う造語も顕れているようですが、今回の場合は、若年層の投票率の悪さも結果として反映されているのですから、単に、<選挙のIT化>を促進する様な動きに発展すれば良いだけではないかと個人的には考えます。

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さて、

橋下徹氏の個人的なパフォーマンスに対する反発、と言う側面での論調も増えていると思いますので、個人的な見解を述べたいと存じます。あくまで一つの観方、です。 〜〜 「解説しよう!」 (CV: 富山敬)

橋下徹氏とは、1997年8月にお会いしております。場所は、代々木オリンピックセンターで、20代サミットと言う、今はやりの言葉を使うのであれば、「意識高い系」の若手イベントの席上での事です。当時、ワタシは学生でして、橋下徹氏は、弁護士になりたて。元堺市市議会議員の紹介で、お話させて頂きました。多分、200人以上参加者が居ましたが、彼の存在を覚えている人間は私以外ほぼいなかっただろうと思います(尤も、本人自身もそのイベント自体を覚えているかと言うと多分覚えていないのでは)。本当に影が薄かったのと、偶然私が名簿の管理をしていて、弁護士の参加者の存在を知っていた事があったので覚えていたという程度です。

堺市と彼との接点は、一番最初はこういう処だったのです。知らない方の方が圧倒的だと思いますけどね。

そんな程度の覚え方なのですが、私が学生であったにも拘わらず、紹介を受けた時に、「ペイペイの弁護士です」と言う自己紹介をされたのですよね。7歳以上離れている学生に、遜(へりくだ)る意味も無いよなあ、と、吃驚してしまったほどです。貴方が弁護士になったとして、眼前に学生がいて遜ったりしますか?(寧ろ、逆じゃないのかしら)

色々な、人物像が出てくるのではないかとも考えるのですが、ワタシは、公私がハッキリしているタイプのビジネスマンでは無かったのかなと思います。あれだけ、嫌われるような口調で色々と言えるのも、嫌われる事よりも政策自体を兎も角観てほしい、そう言う形で民主主義を形成していかなければ、日本に未来はないですよ、と言う、彼なりのメッセージだったのではないでしょうか。あれほどのパフォーマンスが出来る方ですので、どういう口調を使えば嫌われるか、人が靡いて(なびいて)くるのか、位は解ってらっしゃる事でしょう。それでもあえて嫌われ役を演じるところに「意味がある」と思ったからこそ、のパフォーマンスと考えるのが、妥当と言えると考えるのですが、如何でしょうか。

「罪を憎んで人を憎まず」と言う言葉があります。ワタシは、兎も角テレビっ子ですからね、ヤットデタマン(1981年2月7日〜1982年2月6日)と言うタイムボカンシリーズ(ヤッターマン、など)アニメで良く聞いたフレーズでもありました。この言葉をもじるならば、

「政策を憎んで人を憎まず」

が、本来の「民主主義」の在り方ではないのでしょうか。ヒトラーは、真逆の手法であったこと、それにもかかわらず、ヒトラーの再来と称して頓珍漢な批判を繰り返してしまっていた事に、何故気づかないのでしょうか、民衆は。

あれだけ嫌われ役を演じ切れたからこそ、都構想という政策が浸透した事は事実でしょう。世を憂う稀代の天才であれば、政策の浸透こそが自分の評価(単なる好き嫌い)より大事、と考える事もあるでしょう。

「シルバーデモクラシーの敗北」ではなく、日本に根付かなかった真のデモクラシーの敗北、と言うのが、本来の評価であるべきではないでしょうか。

個人的には、大阪は潔く離れて、しばらくはメディアに出ながら教育に従事して、東京都知事選にでも出馬すれば良いのではと思いますが・・・2020年の東京オリンピックを盛り上げその後の社会をリードできるのは、あのくらいの政治家しかいないのではないですか?

・・・橋下さん、お疲れ様でした。m(__)m 。。。おなじ「徹ちゃん」として。

著者:

北畠徹也(英語:Tetsuya Kitahata 露語:Тэцуя Китахата)は、1974年生まれ。1993年東京大学教養学部理科2類入学、1999年同大学法学部私法コース卒業。北海道生まれのアントレプレナー。現在:株式会社テラ・インターナショナル代表取締役。ICIT(Information, Communication and Integration Technology)コンサルタント。コラムニスト。タイ王国バンコク都在住。

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