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コロナ罹患記

私は2/21~3/3の期間でコロナ罹患した。
検査から宿泊療養、その後の対応までを記しておこうと思う。
感染者本人が言うのもなんだが、いろいろとスムーズだった。
少しでも誰かの助けになれば。

まず、現状、症状が風邪と類似していて気づきにくいとされているコロナになぜ気付いたかというと。
・会社(医療器具系)から抗原キットを渡されていた
・アルバイト先(飲食)が体調不良報告フローシステムを確立していた
・基礎体温を毎日測っていた
この3つが大きいように思う。

以下、時系列。

2/21 何かおかしい


寝起きがいつもよりよかった。
熱は微熱程度。37.4℃。
起きがけの喉は、いつもより奥のほうまで乾燥しているような感覚がした。
乾燥しすぎて咳が出る。
就寝前の暖房でやられたのかな、そのぐらいのものだった。
扁桃腺が腫れているときのような違和感を覚え、風邪薬を飲んだ。


謎に元気になる。いつもよりも集中力があり不思議な感覚。
風邪薬でキマってるのかとさえ思った。
しかし以前、微熱のまま。37.4℃。
薬を飲むには早すぎたので、服薬なし。
近々で人が集まる場所に行く予定があり、会社で抗原キット使用することを伝える。
アルバイト先にも報告し、別途、体調不良者用の報告フローに入力。

抗原キットは口に含む式のもので、たっぷりと唾液を含ませてからキットにはめ込んで結果を待つ。
20分後、妊娠検査薬のように浮かび上がった線を確認すると「陰性」だった。
アルバイト先の報告フローを見て、偉い人からメールが入る。
同時に店長からも連絡が入り、どちらも「PCR検査を受けてください。それまで出勤停止で」という内容だった。
会社の上司にも健康状態をきかれたが、至って健康。
翌日休むかも提案されたが、元気が過ぎたので断った。

夕方
やはり、元気。熱は38.5℃。
薬を飲んだら一気に37℃台まで落ち着いた。
私の中では風邪でこんなに元気なの初めてだなぁ…という感じだった。
とりあえずPCR検査を受けなくてはいけない。
アルバイトができないと私のお小遣いが減る。
近所に耳鼻咽喉科があり、発熱時も事前連絡があれば診察してくれる。
すぐに連絡を入れて、翌日診療時間前に検査してくれることになった。


普通に家事をこなし、夕飯を作り、元気に過ごす。
熱は37~38℃台をうろうろ。
就寝時に咳がひどくなる。

2/22 来た

深夜~早朝
就寝中に高熱が出る時の悪寒がした。
同様に発熱の前触れ、関節痛もあちこちで感じる。
一瞬寝落ちると、熱は40℃にもなっていた。
何度寝付いても咳で苦しくて起きる。
ここから夫を隔離。※自宅隔離対策はこちら


喉は前日よりもひどく乾燥し、ひきつっていた。
水さえ受け付けないほどの乾燥で、のど飴を舐めてから水を飲んだ。
声は掠れて、ほとんど出なかった。咳が少し。
関節痛や悪寒はすっかり消えていた。
呼吸がしにくい感じがした。

39℃台までにしか落ち着かない身体をひきずって徒歩2分の耳鼻咽喉科へ。
喉の状態を見て「この状態はほぼ陽性だね」と言われる。
すぐ隔離室(というより用具置き場への階段にある踊り場にパーテンションを置いただけ)で検査。
まずは薄手のゴム手袋をつけてパルスオキシメーターで血中酸素飽和濃度を測られる。
その後に巨大な綿棒で鼻奥をグリッとされた。
痛みはワサビのツーンと突っ込まれる衝撃を足して、喉の奥直接掻いたみたいだった。
自分の使ったものは捨て方を指示され、お会計では1750円ほどを払った。
おそらく病院での滞在時間は15分程度だった。
2時間で結果が出るとの事だった。

2時間と少し、そのぐらいで電話がかかってきた。
「陽性です」
最近の行動、濃厚接触者の確認、同居人の状態を確認された。
夫は肺がんステージ4という完全なハイリスク同居人だったので、宿泊療養について指示を仰ぐと相談センターに電話するよう言われた。
薬は薬局と連携しており、玄関まで届けてくれるという。
このタイミングで会社・アルバイト先に報告。


電話パラダイス。
下手に薬は飲めないので薬が到着するまで熱があがりがち。39℃台。
咳以外は変わらず元気なので普通に仕事していた。
夫には早退してもらい、PCRを受けに行ってもらった。
ここで架電・受電のまとめると。※連絡先一覧はこちら

架電
陽性者相談センター ハイリスク同居人・今後の相談
東京都宿泊療養センター 申し込み
夫 濃厚接触者としてPCR検査のお願い
保険屋 保険適用か何か必要かの確認
受電
病院 病状・新薬投薬の確認
薬局 新薬同意書・薬の受け渡し
受電に関しては一度で終わらず数度に渡って…声が限界。
多分ここで喉を潰したと言っても過言ではない。

陽性者相談センターに電話すると。
最近の行動・濃厚接触者の確認・同居人の状態確認、同居人の個人情報
を聞かれた。ちなみに数日後に保健所から電話が入るのだが、その時も同じ事を答えた。
ハイリスク同居人だから宿泊療養したいと伝える。
「9-16時までで専用電話で受け付けています」
朝検査・2時間で判定のありがたさを知った。
すぐに宿泊療養センターにかける。
事情を説明するが
「38℃以下の方でないと入居できません。次電話するまでに熱を下げてください」
とのことで、この日のうちに電話がくることはなかった。

夕方
薬が届き、熱は36~37℃台。
とても元気。咳少し。
ちなみに新薬だったのは私もハイリスクな要因があったからだ。
陽性になった瞬間から医療費は投薬含め無料になる。
病院から
「これから感染者登録します。明日以降保健所から連絡が行くと思います。
まだ宿泊療養決まってないですよね?
自宅療養者は保健所が健康状態を把握するためにHER-SYSというシステムを使います。登録お願いします」
とのことで、しばらく待つと保健所から電話番号宛にメッセージが入った。
・システムへのURL、システムの使い方
・療養患者の関心が高い事柄をまとめたリンク
・COCOAへの登録するための処理番号
がまとめて送られてきた。
主人はPCR陰性。濃厚接触者として待期期間に。


宿泊療養センターから電話が来ないことに絶望して、食料支援うちさぽのWeb申し込みをした。
声は絶望的に出ず、喉のかゆみと乾燥がひどかった。
薬のせいか頭がぼんやりしているのも感じた。
そのまま寝て、夜中は何回も咳で起きた。
1日を通してティッシュが2箱消えた。

2/23 あれ?意外と普通


祝日なのでだらだら。声は出ない。咳も少し。熱は37℃台。
パルスオキシメーターが届き、HER-SYSに入力。
HER-SYSは体温・血中酸素飽和濃度・脈拍・体調への質問を毎朝入力するものだった。


宿泊療養センターから電話。
熱が下がったことを確認され、本日中に手配してまた連絡してくれるということになった。
この時は本日中にと言ってくれたので安心した。

夕方
「ホテルが決まりました。○○ホテルです。
明日の午前、送迎車からお迎えの時間について連絡があります」
それまでネットで調べて10:30には入所できるつもりでいたので、誤算。
急いで仕事を調整した。


荷造りして寝た。やっぱり元気。※ホテルへの荷物についてはこちら
でも咳で起きること数回。苦しい。
痰・鼻水でティッシュの花畑ができる。

2/24 いざ宿泊療養


夜何回も起きたために眠くて体調不良。
喉も声も相変わらず。喘息のような掠れた咳が出る。
お迎えが13:45頃になると連絡が入った。
そこから受付やらなんやらになると。
マジで本当に誤算。終わりが見えないので職場に休むことを伝えた。
昼前ぐらいに保健所からの連絡が初めてきた。


送迎車が来る。
ボックスカーのような最近主流のジャパンタクシー。
普段のれんのようなものがある、後部座席との境目にはプラ板のようなものでがっちりと隙間なくガードされていた。
ホテルに到着すると、送迎の運転手が係に私の名前を告げた。
そのまま降りると係に体温計の有無を聞かれ、持ってきたことを伝える。
ホテルに入って封筒を取ってから部屋に行くよう指示される。
ロビーがあるはずのそこは、パーテンションと養生テープで体育館のようになっていた。
封筒にはカードキーが付いていて、ペットボトルの水も1本添えられている。
エレベーターに乗り込み、そのまま部屋へ行った。
この日罹患してから初めて外を歩いた。心なしか息苦しかった。

部屋に入るとリーフレットとは違うアメニティの数々。
普通に綺麗で、なかなかテンションがあがった。
部屋前には差し入れやアメニティの受け渡しのカゴが置いてあった。
入室後すぐに内線が鳴り、LAVITAという体調管理システムへの登録をお願いされる。
ここに7時半、15時半に体温・脈拍・血中酸素飽和濃度・HER-SYSより細かい質問を入力して、それにより看護師が動くと。
最初だけ血圧が必要だというので、血圧測る部屋に向かった。
看護師はいなくて都度消毒する設備もない。がっつり全員共有の自動測定器だった。
罹患者たちには三密もへったくれもない。

夕方
最初に貰った水だけでは足りず喉がガビガビだったのでお茶2本.水2本を頼む。
夕飯のタイミングになるそうで、持ってきた紅茶で喉を潤した。
ケトルがあってよかった。
そのまま明日の仕事の為にWi-Fiやらを確認。
トラブルが起きていたそうで緊急収集。荷ほどきする間もなく仕事。
16時にスタッフが作業するから部屋から絶対出るなとアナウンスが流れた。
仕事が終わってから気分転換に香水を寝具にかけたら、匂いがわからなかった。


18時。お弁当を取りに来るようにアナウンスがかかる。
ごはん!自炊しないだけでこんなに嬉しいとは!
匂いが感じられないながらも味はわかるので苦痛はない。
のちに飽きるのだが、1500円な感じはしないながらも普通に食べられた。
※食事写真はこちら
食事はこう取って、翌日分のマスクはここで、電子レンジはこう使って、そんな説明はない。
取りにいってその場の雰囲気でやり過ごす。
ゴミはすぐ食べてゴミ捨て場に捨てに行くか、次の食事のタイミングで捨てる。
アメニティは食事のタイミングでしか貰えないので翌朝分の飲み物を頼んだ。
冷蔵庫がありがたい。

夜はテレビを見たり、お風呂に入ったり。
なんだかんだ疲れていたのに眠れなかった。
ホテルは異常に乾燥していて、咳が辛かった。
このあたりで後鼻漏状態になっていて咳が出ていることに気付いた。

2/25~ 宿泊療養の1日


7時にアナウンスで起床。ラジオ体操があるかと思ったけどそんなものはなかった。
LAVITAを登録。幸いにも療養初日から平熱・健康体だった。
8時に食事アナウンス。お弁当を取りに行くのは1時間以内。
9時までに取りに行かなければ無しになる。
10時半から全室に看護師からの病状確認の内線が来るというので待機していたが、初日は来なかった。翌日から来た。
アメニティで昼分の飲み物などを頼む。
そのまま普通に仕事した。


12時に食事アナウンス。
昼は必ず味噌汁がついていた。紙コップに生みそパウチ入れてあるものがざっくりおいてあったので数日見逃した。
お湯は部屋にあるケトルで。
夜分のアメニティを忘れずに頼む。
15時半にはLAVITAの登録。
保健所からの連絡は宿泊療養に入れたと伝えたら途絶えた。
HER-SYSを入力しろというメッセージはずっとあったので、とりあえず入力していた。


18時に食事アナウンス。
朝分のアメニティを頼む。
毎食1本お茶か水が貰えるが、痰と鼻水MAXでは足りない。
毎食後お茶2本・水2本頼んだ。
ちなみにユニットバスの蛇口は飲める水らしいが、おいしい冷たいのが飲みたかった。

夜な夜な持ち込んだ粉カフェオレを飲み、朝方まで起きていた。
紅茶やコーヒーも助かった。意外とおやつはいらなかった。
やることがないので、洗剤をもらって手洗い洗濯と長時間入浴を欠かさなかった。

宿泊療養が発症日から10日後、かつ症状が軽快後72時間で退所。
3/1から看護師に退所の時間などを聞いた。
退所確定は病状変わらなければ前日。
午前10時から順番に案内。12時に食い込むことはないらしい。

3/2 帰宅は?

明日退所だと言われる。
荷物をまとめておくことを指示され、返却物を確認した。
ここで物をできるだけ捨てた。捨てること前提に持ち込んだのだ。
靴下、部屋で着る上着、余った嗜好品。
陰性の夫が待つ家にできるだけウイルスを持ち込まないように。
家に持ち帰るものはウェットティッシュで拭いた。

3/3 退所

10時少し過ぎに部屋を出てくださいと内線が入る。
この時にゴミ捨て、換気扇はON、窓は開けてはいけないと指示が入る。
部屋を出ると6人ほど退所の人間がいた。
出入口でカードキー、パルスオキシメーター、ボールペンを返却し、療養証明書の申請書を受け取った。シャバの空気が美味しい。
退所時は送迎車がないので自力で帰ることになる。
私は仕事があったのでタクシーで帰った。
1週間のうちに使うお金より少ない金額で帰れた。
家に帰るなりに、荷物の除菌とシャワー。
洗濯機も回した。

ここからはまるっきり普通の生活となる。
ただ、軽度の声枯れと息切れ、後鼻漏での咳は3/17現在も続いている。
後遺症は2~4週間の間に出てくるそうで、いつ急変するかもわからない。
また後遺症もどの程度続くのかもわからない。
自分の体の声に今一度、耳を傾けたいと思った。


かかった費用は?

医療機関  PCR検査の1750円
薬代  無料
宿泊療養  無料
食料支援  無料

療養先からの帰り道(タクシー)  3600円
病院、薬局へのお礼  各2000円

コロナ治療中は陽性判定出る前の検査代のみ。
陽性になった瞬間、必要最低限のものは無料に。
感染能力がなくなった帰り道は実費。

宿泊療養決まる前に申請した食料支援は、濃厚接触者である夫の待機期間と予後の私の食料になりました。
これがかなり助かった……
あとは宿泊療養の為にネットスーパーで必需品を少し買ったぐらい。

病院、薬局については気にしなくてもいい部分だとは思う。
だけれど、コロナ禍の当たり前はイレギュラー対応。
こまめな電話。家までの薬配達。
命を救おうとしてくれた方々にささやかなお礼は、したくなるものだった。

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