自分が欲しい「品質向上サービス」をつくる

いま、自分自身が開発をしているサービスがあります。これを継続的に開発するなかで、データの「確からしさ」や外部システムとの連携で、不安を感じることが増えました。

作ったことがある方に向けた話

twitter 連携やFacebookログインなど、外部サービス連携が増えると、Updateが気になりますよね?API バージョンを固定していても、バージョンをあげた時の影響は気になります。

軽微なものなら良いのですが、「取れなくなった」「追加のオーソリが必要になった」ということもあれば、「必須ではなくなった」「データがこない状態が増えた」ということは起こります。

外部システムやデータ連携を中心にサービス設計していくと、複雑性が高まる一方で品質を確認するコストもあがっていきます。

個人で作る時、このコストは自分の時間を割くことになります。

このマガジンは、そのコストを下げたいと思い、手がけ始めたサービスの話です。まだ70%ほどのプロトタイプができた程度ですが、その過程で考えたことや、どのように便利に・低コストで・確実に・品質向上をはかるか?をツラツラと書き留めていきたいと思います。

事業に関わる人に向けた話

データやシステムの複雑性が増していくなかで、ひとつの小さな不具合が広範囲に影響を及ぼすようになりました。利用者が増え、便利さが増すにつれて、動作・データの整合性が取れていないことに起因した「不具合」が生じやすい状態になっています。

古くから、製造業では部品構成表が在庫データと連動した「製造管理システム」があり、ECでは受注と在庫が連動した「物流システム」があり、会計では営業と事務が連動した「販売管理システム」があります。これらはつながりを深めており、B2B SaaSの波とともに、ますます連携されていくでしょう。

こうしたシステム連携が増えるほどに、利用者は便利になりますが、提供者として事業成長にかかわると、管理不能な領域が増えていくことに直面しはじめます。

連携は、サービスの独立性が失われて進化の速度が止まることにもつながります。対応範囲が広いことによって「見通し」が悪くなり、つまづくことが増えます。サービスを提供する側は、立ち上げ当初のスピード感を維持することが難しくなり、他のサービスによる追随を許すことにもなります。

もしこうしたコストを劇的に下げられたら、、。そう思い、手がけ始めたサービスの話です。まだ70%ほどのプロトタイプができた程度ですが、その過程で考えたことや、どのように便利に・低コストで・確実に・品質を保ちながら改善速度を維持し続けるか?をツラツラと書き留めていきたいと思います。

複雑性とコストと、提供価値

システムは単体で存在している限りは、あまり難しい問題は起こりません。一度動かしたものは、他からの影響を受けない限り、同じように動き続けるためです。

単体では難しくなったとき、そしてコストがあげられないときに、問題が生じます。複雑性を解消することが事業上の提供価値につながらず、むしろ提供した水準を維持するための維持コストとなったとき、とも言い換えられます。

そのとき起こることは単純です。
掛かるコストは複雑性によって高まる一方、提供する価値があがらないためにコスト削減対象となります。

ここで、サービス提供者が複雑性への「組織的な対応能力」(ケイパビリティ)を有していない場合、単純にコストを減らしてしまい、問題を起こしやすい状態を作ってしまいます。(なんとかしてしまう)

これが後々の負債となることもあれば、すぐに問題が生じて、たとえば「リニューアルに伴う不具合で、1ヶ月のECサイト停止」のように表面化してきます。

サービスが連動して提供価値をあげているとき、その連動関係のコスト構造を見誤りがちなのです。単体の組み合わせで計算してしまうのです。

いかにコストを劇的に下げるか

この問題は、複雑性への対応コストを劇的に下げることができたなら、幾分か解消するでしょう。現場の抱えるストレスも減り、新しい取り組みへの意欲も増すかもしれません。

そう思いながら、まずは、自分の限られたリソースを最大化していく視点で、自分が欲しいと思うものを突き詰めて「品質向上サービス」をつくっていきたいと思います。

大きな話はいったん削ぎ落とし、この先は自分が取り組み、動かして、得られたことを書いていきます。

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