家さがしノート#10(全13回)地獄が見える

長年続けた賃貸暮らしから、中古の分譲マンションを購入するまでの記録
(個人特定を避けるため若干の嘘や誇張を含みます)
前回はこちら

主な登場人物

俺:都内在住だった40手前の男性。会社員
妻:年齢不詳の謎の女。自由人
仲介E:大手仲介業者BのT支店のひと。30代後半のイケメン

2019年4月のできごと(中編)

前回、フロンティアと暗黒都市を見紛った我が家。
その節は本当にネガティブな言葉しか綴れなくて申し訳ない。でも仕方ないんだよ!思い出すだけで気持ちが暗くなる街だったんだもの!
で、どうにか元のT駅周辺に納得できる物件は出てこないかなー、としばらく新着待ちの日々。
この状況にしびれを切らせた妻が、年末の時点で既に売りに出されていた物件をいくつか見繕ってきた。条件的には満たせそうだけど、ずっと売れてないってことは例によってクセのある物件てことよね…。

因縁の仲介業者にアプローチ

これまでは仲介大手CのひとにT駅周辺の物件を案内してもらっていたけど、予算変更を伝えて以来の連絡がパッタリなくなったので、思い切って6回めの申し込みで我が家を蹴り落とした仲介大手Bにお願いすることに。
検索サイト経由で、Bの掲載物件と併せて2件の内覧を依頼。

すると仲介E氏からメールで返信があり、1件は売主の内覧受付日時がこちらの希望と全く合わずに断念。週に1組のみで指定曜日の早朝のみ。これだけ絞られると、そもそも内覧できないんじゃ…物件自体でなく売主のクセだわ。2件めは空室なので希望通りの日時で内覧可能とのこと。現地待ち合わせで約束。

(仲介Eって、たしか前に蹴り落とした物件の担当者だよな…同じフルネームだし)

ともあれ週末。T駅から徒歩25分ほどの場所にある物件に到着。と、遠い…。さすがに徒歩20分超えると遠いね。近くまでバスで移動すれば良かった。

地獄のような物件あらわる

物件は築10年ちょいの低層マンションで、画像で見た印象よりこぢんまりしているけど、見た感じは悪くない。

と、思った途端に状況は一変する。
近所からやってきたと思われる子供が、マンションの前に来るなり叫ぶ。

子供A「○○くーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」

すると最上階の端のドアが開き、子供が飛び出してきた。

子供B「いまいくーーーー!!!」

ものすごい足音を響かせながらフロア逆端のエレベーターに向かって走る子供B。勢いそのままに、迎えに来た子供Aと一緒に隣の公園に向かっていく。
これ毎日こうなのかしら…こうに決まってるよね…でもまあ子供がいるマンションならこれくらいは普通か。

子供B「あーおにいちゃんかえってきたー!あそぼー!あーそーぼー!」

公園から兄の姿が見えたのか、子供二人が戻ってきた。
視線の先には中学生くらいの制服姿の男の子。さすがに年齢的に騒ぎはしない。外に子供ABを待たせて小走りに最上階の例の部屋に帰り、カバンを置いて出てきた。

待ちきれずにウロウロする子供B、鍵を持ってないのでオートロックを通過できない。と、何を思ったのか1階の廊下に面した駐車場にダッシュ。車のボンネットに飛び乗ると、ひょいと廊下の(とても低い)フェンスを越えて着地。エレベーターから出てくる兄を出迎える。セキュリティ…

これで子供が公園に消えて静かになると思いきや、例の部屋のドアが開いて母親らしき女性が出てきた。

「おにいちゃーーーん!スマホー!スマホ忘れてるよーーーー!」

昭和?ここだけ昭和のご家庭なのかな?
対象的に静まり返ってる他の部屋と比べてあまりにも異様な光景。まるでマンション全体が我が家みたいな振る舞い。最上階xいちばん広そうな角部屋。ああこのひとボスだ…この物件、ボス付きだ…
(ここまで、物件到着からわずか10分足らずの出来事)

最強の仲介営業あらわる

内覧する前の時点で「ムリだねココ…ムリすぎるよ」と妻と話していると、会釈しながら近づいてくるスーツの男性が。やはりあの物件の担当者と同じひとだった。

仲介E「はじめまして。Eと申します。誠心誠意、お手伝いさせて頂きます」

あの物件の内覧の時に顔は合わせてるんだけど…まあいいか。名刺もらってたわけでもないし。
しかし、きちんとしている。折り目正しい人というか、これまで会ってきた仲介営業の中でも一番しっかりしてる印象。顔もまあまあイケメン。

まずは共用設備の説明から。ふむふむ。あれ、ポストってどこだっけ?
質問したらスッと案内してくれる…が、直後に顔色が少し濁った。ポストを見ると、恐らく空室になっている部屋の受入口がガムテープで乱雑に封印されていた。ポストの向かいには見たこともない安っぽい宅配BOX。後付感すごい。

仲介E「この築年(数)にしては管理が少し雑ですね…設備グレードも高くないですが、恐らく専有部分を重視した設計なんでしょうねー」

顔が引きつってますよ。
ともかく、オートロックを抜けたすぐのフロア端にエレベーター。明るいし広い。エレベーターは良い。
部屋は2階。ドアを開けると、リビングから陽光が差し込んでくる。日当たりはとても良さそう。

室内の良さはともかく

リビングめっちゃ広い。この価格帯としてはかなりゆったりしたLDK。さすが75平米。日当たりも最高。
そしてメチャクチャ不安だった公園からの騒音が意外に少ない。これは一体…とレースカーテンを開けるとそこには二重窓。かつて坂の街で見たあの後付二重窓。つまり線路沿い並の騒音ってことか…

二重窓の内側を開けるとだいぶうるさい。窓を開けると…もうね。しかも2階だけあって目があう。子供はともかく、大人の背丈だとバルコニーの低い壁を越えてバッチリ目が合う。そして公園の奥に誰か住んでるっぽい様子も見える…

全体的に広いし、ほぼ全体をリフォームしただけあって水回りは設備十分。収納力も高いし室内は割と静か。ただし最上階にボス。カーテンは開けられない。窓も開けられない。実は廊下に面した洋室も二重窓。つまりボス一家の騒々しさや振る舞いが容易に想像できる物件。さらに簡単にマンションに侵入できる防犯意識最低の設計。
借金してまでこの物件に移り住みたいとは、お世辞にも言えない。

仲介E「弊社担当物件ではなくご案内歴もないので、これまで『ずっと売りに出てるな』という記憶しかありませんが…お察しですね」

ですね。

ここから急展開まである

仲介E「駅を挟んで逆方面ってご検討範囲ですか?」

むしろその方面が利便性高くて最高なんだけど、価格帯がね…

仲介E「距離的にはここより少し遠くで私が担当している物件があって、駅までバスで10分ほどになりますが、バス停のすぐ近くですから徒歩20分よりずっと楽ですよ」
俺「はぁ…(厄介な物件勧めてくるタイプだったのか…?)」
仲介E「(タブレットでデータを出して)駅から近くはないですが築3年の最上階で眺望ひらけてて日当たり良いですよ。データだとこの(予算より500万円くらい高い)価格ですが、実は週明けに値下げ予定でして。ご予算ちょうどになります。売却理由は実家戻りで、近隣トラブルとかではないです」

築浅最上階で値下げ後は予算内。画像で見る限り室内めっちゃキレイ。

仲介E「距離さえ妥協点になればご検討頂ける物件だと思います。売りに出してまだ2ヶ月なんですが、夏が転居リミットなので思い切った値下げに踏み切るご意向で。私はそこまで下げなくてもと反対したんですが(笑)」

売主居住中なので今日の今日はムリだったものの、明日の午後で内覧予約を取ってくれた。こいつ…やりおる。

という事で、ようやく希望の光が見えてきたかも!(続く)

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

大好きなあなたの今日の運勢は【凶】
2

のにお

ただのおじさん。

家さがしノート

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。