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家さがしノート#4(全13回)坂の街へ行ってみよう

長年続けた賃貸暮らしから、中古の分譲マンションを購入するまでの記録
(個人特定を避けるため若干の嘘や誇張を含みます)
前回はこちら

主な登場人物

俺:都内在住だった40手前の男性。会社員
妻:年齢不詳の謎の女。自由人
仲介Z:大手仲介業者BのW支店のひと。20代後半くらい

2018年12月のできごと(中編)

仲介Mに案内してもらった物件は悪くないものの悪くないどまり。壁紙やフローリングの張替えその他の小さなリフォームは必須だから、総合すると価格的にも厳しいという判断で見送ることになった。

違う沿線でも探してみようと、暮らしやすいと評判の良いW駅の周辺で再検索して3件をピックアップ。一番良さそうな物件の業者に連絡して、3件まとめて案内できないか依頼してみたらOKの返信。
中古マンションの仲介は売主から依頼を受けた業者(元付)でなくとも可能とのこと。

どの業者でも不公平は起きないようになってる、と仲介は言うが…

街それぞれに個性ってあるよね

今回は駅から少し距離のある物件を回るので、まず業者の店舗を訪問。
W駅は前回の場所と違って複数路線が乗り入れてるだけあって巨大。駅前も商店街がしっかり形成されて賑やかな印象。スーパーもコンビニもあるので、買い物については駅前で済ませられそう。
前回は街もギリギリ暮らせるかなって感じで便利ではなかったよなぁ…

商店街を5分ほど歩いたところに仲介業者Bの店舗があった。受付のひとに個室に案内され、アンケート用紙に個人情報と希望条件を記入して待つこと数分。

??「お待たせしました!仲介Zです!早速行きましょう!」

今回は体育会系な感じのひとがきたよ。

街の個性に合わせて物件も個性ある

最初に向かうのは駅から徒歩13分ほどの中層マンションN階の物件。築浅だし写真で見た感じは室内も綺麗っぽい。そして、居住中の部屋を内覧するのは初。緊張する。
高級感のあるエントランスを抜けてエレベーターへ。道中、仲介Zが「お部屋はこのエントランスと同じ階になります」と説明。どういうこと?

仲介Z「この街の地形は起伏が激しくて、崖に沿った形で建設された物件が多いんです。なので、1階が崖下にあって、今日見るお部屋はエントランスと同じN階なんです」
なにそれ…そんなシステム知らんかったよ。

確かにエントランスに入る前に違和感はあった。N+4階建てのはずなのに、5階建てにしか見えなかった。そういうことか…。
さらに、エントランスから一番近いエレベーターでまず1階に降りて、目的の部屋がある棟のエレベーターに乗り継いでN階に昇るというシステムも独特だった。これは面倒だぞ…平地って最高だったんだな…

室内は画像通りの綺麗さで壁紙やフローリングの痛みもほぼなし。設備も新しいのでリフォームなしで済みそう。前回の物件より若干高いくらいだから、リフォームあったら無理だし。

しかし!実はこの物件は線路沿い。5分おきに電車がすぐそばを通過していくのであった。
とは言えですよ。実際に住んでる人もたくさんいるんだし、防音しっかりされてんじゃない?と内覧してはみたものの、考えが甘かった。
5分おきに部屋が揺れ、轟音が鳴り響く。後付された二重窓とかお構いなしに耳を劈いてくる。

俺は静かに暮らしたい…

ホントに売る気あるのか…?て物件もある

2件めの物件は轟音部屋から徒歩3分ほどの距離にあった。ここも写真は良くて、築10年超だけど70平米もある。空室で、密かに期待していた物件。

仲介Z「こちらもエントランスと同じ階ですね。エレベーターの乗り継ぎはないんです…が…」

何その感じ?なんなの?

仲介Z「寝室が廊下に面してるのでカーテン開けられないんです」

それだけ?それくらいなら大丈夫でしょ。

いざ部屋に入ると、くさっ!何この臭い…居酒屋のトイレみたいな臭いが室内全体に漂ってるッ…
写真もだいぶ工夫して撮影したらしく、まあひどかった。フローリングも壁紙も傷んでるし至るところに残置物。キッチン収納開けたらペットボトルが入ってた。洗面台下の収納には使いかけの洗剤と未開封のスポンジ。バルコニーには朽ちたウッドチェア。怖い。
ドアも軋んで開け閉め大変だし、これフルリノベしないと住めないやつ。
ほぼ新築時の値段で売っといてこれって。買うやついねえだろ…的な感想を素直にぶつけてみたら「私もそう思ってます。売主でリノベするか、500万円以上下げないと売れませんね…」と苦笑いの仲介Z。

そしてここまで響いてくる轟音。揺れるまではないけどめっちゃ響いてる。
はい次!

不要なレベルで広い。そして綺麗。しかし…

最後は駅徒歩20分ほどで、丘の上の物件。ここは階数表記どおりらしい。
フルリノベ済みで築15年の85平米。ひっろ!LD+続きの洋室合計20畳はさすがのボリューム。ちょっと走れる広さでテンション上がる。

ただし!窓を開けたら前方に小さな公園。公園?そんなのあった?

仲介Z「ここは物件の敷地内に公園があるんですよー。開放されてるので、近所の子供さんも来るでしょうねー」

おおぅ…めっちゃ騒いどるやないか。叫んでる叫んでる。

でも公園以外はまあ良かったので、実際の駅徒歩を見たいと現地解散。スマホの地図アプリをたよりに曲がりくねった坂を下って20分。ぜんぜん駅に近づいた感じない。建物が多くて駅が見えてないだけ?

さらに5分ほど歩いたところでやっと駅発見。さらに5分歩いてやっと駅。平面上の距離だと確かに20分だけど、坂道だとアレだね…しかも駅からの帰りだと上り坂…死ぬる…

という事で、坂だらけの街からは退散(続く)

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