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家さがしノート#7(全13回)暴走していた感覚を見直す

長年続けた賃貸暮らしから、中古の分譲マンションを購入するまでの記録
(個人特定を避けるため若干の嘘や誇張を含みます)
前回はこちら

主な登場人物

俺:都内在住だった40手前の男性。会社員
妻:年齢不詳の謎の女。自由人
同僚O:俺と同じ会社の別部署の人でFP資格もってる人。40代男性

2019年2月のできごと

申し込み2回めも失敗に終わり失意のドン底に落ちるも、家さがしは続ける我が家。
前回の物件がだいぶ良かっただけに、同じ価格帯の物件でも劣るポイントが多いと検討テーブルから落としてしまう。適当な物件が見つからないまま半月が経過。

目的の最寄り駅だと徒歩25分ながら、別路線の駅なら徒歩10分程度。築10年だけど前回の物件より更に100万円高い物件を妻が見つけてきた。
フルリノベーション済みで、内装の色合いが良いとのこと。

立ち止まることの重要さよ

ここで少し「おや?」と思い始めた。家さがしを始めた当初の予算から比べると1千万円以上高いじゃないか。
住宅ローンの事前審査では、各都市銀行でOKをもらえている。あと300万円くらい上までOKと言われているので、今検討している物件でも購入自体は問題なさそうである。

俺『購入できたとして、返済できるのか…?』

不安が脳裏をよぎる。仮に購入できたとして、当面の変動金利だと月々の返済はギリギリいけたとして、じゃあ完済できるのか?仲介業者の言うことを鵜呑みにして自分で考えてないんじゃないか?

とりあえずPCを起動して、表計算ソフトを開く。何気に金利計算用の関数があったりするので、それで仲介業者が立ててくれた返済計画に沿った毎月の返済金額を全期間分シミュレーションしてみた。

ローンのご利用は計画的に。マジで。

すぐおかしい。まずおかしい。何がって返済期間35年がおかしい。40代で35年ローン組んだら、完済は75歳から80歳になる。70代に入ってもローンの返済があるとか無理でしょ。
その場では「退職金なり、親御さんからの相続なりでもっと前に完済してますよ」とか言われて何となく納得しちゃってたけど、そんな不確実な返済計画あるかよ。

その収入が見込みよりずっと少なくなったり、なくなったりしたらどうするの?何なら老後に賃貸だと無理があるから購入っていう側面があるのに、その老後にローン払えなくて二束三文でマンション手放して、やっすい賃貸アパートで朽ちるとか妻に申し訳無さすぎるでしょ。

妻「何とかなんじゃね?」

自由人かよ。

そもそも60代にしてこれくらいの返済額って現実的じゃないよね?収入がこれくらいになってる想定として、何割が返済に回るよ?現実見ようぜ。

もちろん、住替え族がやってるように「そもそも完済の必要がない。住宅ローンで最初の住宅を購入できたら5年から10年おきに売って、売却した金でローン完済してまたローン組んで新築か築浅の物件に住み替えを繰り返せば死んだ時に団信で残債チャラにできる」ていう主張も理解できるけど、60代以上で築浅物件を買えるだけのローン組める?団信通る?うっかり90歳まで生き延びたらどうすんの?

専門家に相談だ

ということで、自分なりに「20~25年くらいの返済期間が上限で、変動金利を使ったとしても毎月これくらいの返済に抑えないと生活できない」というポイントを算出した上で、職場のFP有資格者であるO氏に相談。相談料はランチ一食分。

O氏「今までの物件、申し込みで落ちててラッキーでしたね。契約してたら試算の通りローン地獄でしたよ」

やっぱり。

O氏「借入金がこれくらいで30年以上のローンだと、節約を重ねて50代まで乗り切ったとしても60代以降は貯金の切り崩しが必要。でもローン返済しながら60代以降の返済分まで貯金できる収入があるなら繰り上げ返済できるレベル。そこに到達するには今の倍の年収が必要になります」

その他にもいろいろローンについて話を聴いたところ、ほぼ試算通りの結論だった。ここまで勉強を怠っていたけど、ちょっと検索したらヒットする「借りられる額≠返せる額」である。これに直面したわけだ。

結局、信じられるものは自分だけってこともある

俺の場合は相談した結果と自分なりの知識x試算結果が合致して得心いったわけだけれども、身近にFPさんがいない可能性もある。
大きめの銀行支店だと、店頭に「住宅ローン相談会」とか張り紙してあったりするけど、ああいう企画もFPさんに相談できたりするみたいなので利用するといいのかも知れない。

とは言え、そこでFPさんの言うことを鵜呑みにしちゃったら意味がない。自分に都合の良い意見をそのまま飲み込んで何も考えないと、それで失敗した時には目も当てられない。個人で背負うには大きすぎる金額を借りるわけだから、自分なりに勉強した上で納得して色々と決めないと、何かあっても誰のせいにもできないし、誰かが代わってくれるわけでもない。

という事で、いったん家さがしの条件をリセットして、借りられるお金の範囲で探し直すことに決定。(続く)


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