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有名SaaS企業60社は、トップページのファーストビューで何を訴求しているか

こんにちは。浅木レイです。

今回はサービスサイトトップのファーストビューについて書こうと思う。

もともとこの記事を書こうと思ったきっかけは、セールスリクエスト原さんのnoteだ。

有名SaaSのファーストビュー施策まとめ

タイトルほぼ一緒じゃん!という声が聞こえてきそうだ。しかしパクリではない。

原さんのnoteは、ファーストビューがどんな構成をしているか、どんな共通性があるか、などファーストビューの機能的側面をまとめられている。とても勉強になるnoteだ。

一方僕は、ファーストビューで1番目立つメインの訴求となるテキストをどう設計するかに重きを置きつつ、SaaSトップのファーストビューについて語っていきたい。

ぜひ原さんのnoteも合わせてご覧いただきたい。(原さん、はじめまして、勝手に絡んで恐縮です)

トップページのファーストビューの重要性に気付いているだろうか

そもそも皆さんはこの「トップページのファーストビュー」の重要性をどれくらい理解しているだろうか。

別にこのエリアを無下にしている人はいないだろうが、どれくらい重要と思っているかを改めて問いたい。

僕がどのくらいトップページのファーストビューを大事にするかというと、「トップページのファーストビュー」と「それ以下と、機能やサポートなどその他数ページ」に同じくらいの時間をかけてテキストや構成を考える。

たかが1ページの1番上のエリアと、その他の数ページすべてに同じ時間をかけるのだ。それくらいこのトップページのファーストビューは重要だと思っている。(以下ファーストビューのことをFVと呼ぶ)

なぜそんなにも時間をかけるのか。

それは、最も頻繁にお客様にあなたのサービスを説明するのがトップのFVだからだ。

最も頻繁にサービスを伝えるのは、営業ではない

社長でもなければ営業でも広報でもマーケターでもない。お客様の最前線に立ち、最も頻度高くコミュニケーションを取るのがWebサイト、さらにはトップのFVなのだ。

SaaS製品のサイトであれば、おそらく(事例記事やイベントページ、SEOコンテンツなどを除き)機能やサポート、価格などトップの他に約2~10ページくらいを持っているようなサイト構成になっているだろう。

その中で、大抵のサイトで8~9割のユーザーはトップから流入してくるような状況になっているのではないだろうか。他の配下ページとトップページとでは、閲覧量にかなり差があると思う。

そしてヒートマップをもし入れているのであれば離脱箇所なども見えるとお思うが、トップの最上段からすでに離脱は始まっている。1番下まで半分も行けばバンザイだ。

つまり、トップのFVはあなたのサイトの中で圧倒的にユーザーの目に触れる場所なのである。

あなたのサイトのCVRはどのくらいだろうか。もちろん市場環境や競合の状況、ユーザーの属性や業界によって様々だと思うが、まあ1%前後くらいだろう。CVする方は100人に1人だ。

そこから商談化する割合は?30%だと結構高いだろう。300人に1人程度だ。

営業が直接話せるお客様は、サイトを訪れた人の300人1人の割合なのである。

つまりWebサイトは営業の300倍お客様に触れている。さらにその中でも大半のお客様に触れているのが、トップのFVなのだ。

トップのFVに対して、全身全霊を持って磨きこむことがいかに重要かわかっていただけただろうか。

ここで何を訴求するのか。それはあなたのサービスがどう認知され、どの程度興味を持ってもらえるかを大きく左右する。そしてそれはあなたの事業の成長に大きく関わることだ。

僕はこのFVの洗練度は、その企業のマーケターの実力を示す指標の1つだとさえ考えている

マーケターはトップのFVを大事にしてほしい

(後半では60社見た中ですごいと思ったFVも紹介しようと思う)

ユーザーのペインに対して誠実に向き合い、検索時のニーズを正確に把握し、それに対してユーザーのインサイトを突くような訴求を磨きこむ。

そのために様々なユーザーの声を聞き、何を訴求すべきかの仮説を立て、実際にユーザーに当てて反応を見てみる。そうやってトップのFVには徹底的に時間を使ってこだわるのだ。

この記事では、そんな超重要なトップFVで、どのような訴求をすべきかの基本的な考え方を説明しよう。

FV訴求を決める上での基本思想

そもそもFVを設計する上で必ずおさえておかないといけない基本思想が3つある。この3つを抑えられていないFVは、どういう訴求をすべきかという話の前に大前提から不合格だ。

FV3つの基本思想

1. ユーザーが求めている情報に対してシャープに答える

1つ目がユーザーが求めている情報にシャープに答えるということ。

字面だけ見ると当たり前に感じるかもしれないが、意外とこれができていないLPは多い。

何が起きているかというと、流入前FVの情報が一致していないパターンが多い。

例えば検索結果の画面にページタイトルが「広告成果が2倍になる広告効果測定ツール○○○○」と書かれていたとしよう。
※どこかをモデルにしているわけでは全くない。今適当に広告効果測定ツールにした

「え、2倍?すごっ」「2倍はすごいな、なんで2倍になるんだろう」「本当に2倍になるの?」あたりがこのタイトルをクリックするユーザーの心理としてよくあるものだ。

しかしFVに「導入社数No.1の広告効果測定ツール ○○○○」と書かれていたとする。

その瞬間に、「え、2倍は?」とユーザーは間違いなく思うだろう。ユーザーが求めている情報にシャープにFVで答えられていないのだ。

この時ユーザーが取る行動は大きく2つ。

1つは離脱。ちょっとくらいスクロールしてくれるかもしれないが、2倍はどこいった!わからん!と離脱してしまう。直帰率が高い時はまずここから見直してみるべきだ。

2つ目は「2倍」の文字を見つけるまでサイトをさまよう。えーっと2倍、2倍、、、「なぜ2倍になるのか」「本当に2倍になるのか」を知りたいのだから、それ以外の情報はその疑問が解決するまで頭に入ってこないのだ。

そうやってサイトを縦横無尽に探し回られると、製作者の意図したコンテンツの流れが意味をなさないわけだし、そもそもユーザー体験として良いわけがない。見つからなかったら結局離脱するわけだし。

ゆえにFVではユーザーが求めている情報にシャープに答えることが必須となる。これができていないと、ユーザーはちゃんとサイトを見てくれないのだ。

あなたのサイトに入ってくるユーザーの流入経路を見直してほしい。どこから1番入ってきてるか。その流入経路で、流入前とFVで言ってることがずれてないか、流入前の期待にちゃんと応えられているか、は必須チェック項目だ。

2. 徹底的に極限までわかりやすく

よし、2倍に触れればいいんだな!と理解したところで、次にこういうケースがある。

「導入実績No.1!AIによる分析とコンサルサポートで成果を2倍にする広告効果測定ツール ○○○○」

・・・

・・・

長い。

長いんだ。

ファーストインプレッションで話が長い人はうんざりするだろう。

それをサイトトップでやっているんだ。注意しよう。

そもそも、最近はマウスをくるくると回してスクロールする人よりも、トラックパッドで2本指をサーっとやってスクロールしたり、スマホをサーっとやってスクロールする人の方も多い。

現代人のスクロールの速さは異常だ。ページが読み込まれるのが多少遅くなろうもんならFVの最上部は表示される前にスクロールされていたりするw

そんなスピード感の中で、じっくり20文字30文字のFVなんか読んでくれるはずがない。読んでくれたとして理解してくれないのだ。

このFVは、誰もが一瞬で理解できるくらい徹底的に簡潔にする。

ちょっとでも文字は削れないか、ちょっとでも理解に苦しむところはないか、何度も推敲してほしい。

3. ゴールに直結させる

AIアナリストを提供していらっしゃるWACULさんのレポートを見たことがあるだろうか。

WACULさんは数万サイトのGAデータを保有されており、そこからさまざまなタイプのサイトの勝ちパターンを研究しているのだが、

縦長LPはコンバージョンに寄与するのか?BtoBにおけるランディングページ(LP)のベストプラクティスに関する調査

にSaaSマーケターとしては見過ごせない調査結果が出ている。

最もCVRが高いのはファーストビュー完結型のLP。さらにファーストビュー内にコンバージョン(CV)ボタンを配置したサイトはCVRが高い。CVテキストの工夫も効果あり。

とのことだ。ファーストビュー完結型というのは、ファーストビューだけでLPを終れ、というわけではさすがにないのだが、ファーストビューだけで1つの訴求が完了しており、1画面で資料DL等へのCTAに誘導できているような形式のようだ。

ファーストビュー完結をしているサイトとしていないサイトでのCVRは約1.64倍異なると言う。

また、ファーストビューにはCTAボタンが必須で、それがあるかないかでCVRは約1.32倍異なるのだとか。

先ほどの例を続けるなら、

「AI分析で成果2倍に!広告効果測定ツール○○○○」とFVで訴求したとしよう。

そこから、「まずは無料分析」とCTAに誘導し、ファーストビューで完結させる。

そのあとに、このCTAに流れなかった人に対してもちろん色々LPを続けていくわけだが、一旦FV時点で訴求+CTAを完結させるのだ。

こんな感じで一旦完結させる

これをやらない理由があるだろうか。これでCVRが上がるというのだから。やらない理由があったらむしろ勉強させてほしい。

やってない企業は、明日からやろう。

以上3つがFV訴求を決める上での基本思想だ。この基本思想に反しているFVは、今すぐに改善の手を打ちたい。

FVで何を訴求するべきか

今の基本思想をおさえた上で、改めてFVで何を訴求すべきなのかを考えていこう。

そもそも、このFVの目的は何なのだろうか。

SaaSにおいて、大抵ゴールは資料DLか無料登録

資料ダウンロード

SaaS製品のLPなのであれば、大抵CVポイントは資料DLや無料登録だろう。

Sales-Led Growthと呼ばれるような営業にパスするタイプのいわゆるThe Model的ビジネス組織を設けている企業においては、大抵資料DL、お問い合わせ、デモ依頼などがCVポイントになっているはずだ。

一方Product-Led Growthと呼ばれるようなプロダクト主導で価値を理解してもらい契約につなげる戦略の企業においては、まずはフリートライアル・無料登録などがCVポイントとなる。

重要な点は、いずれにせよSaaSの場合初っ端のLPで何かを契約・購入してもらうことはほぼないわけだ。

必要なのは「選ばれる」ことではなく「選択肢に入る」こと

購入してもらう必要があるわけではない。

そうなった時にWebサイトで必要となる役割は「選ばれる」ことではなく「選択肢」に入ることだ。

最初から決め打ちで特定のサービスに惹かれ、比較検討することなく契約に至る方ももちろんいるわけだが、大抵の人は(それもさらにtoBにおいては)比較検討というフェーズが入る。

Webで契約・購入まで至る構造ではない以上、比較検討はWebでの情報収集時ではなく、その情報収集を終え、必要に応じて営業担当から直接話を聞いたり、実際にサービスを体感してみたりした後に社内での比較検討が始まる。

ゆえにWebサイトの役割は「営業に話を聞いてみよう」「実際に体験してみよう」となる選択肢に入ることなのだ。

じっくり時間をかけて検討する方は10くらい検討することもあるだろうが、一般的には比較検討に上がるのは2~5つの選択肢だ。

つまり、Webの段階においては、この2~5つの選択肢に入ることが必要になる。広告効果測定ツールだとしたら、その中の5つの選択肢に入るのが重要なわけだ。

では、選択肢に入るためには何を訴求すればよいのだろうか。

どういうものを選択肢に入れるか

toBにおいては、自ら必要に応じてサービス検討をしているパターンと、上司に依頼されサービス検討を始めるパターンがある。

その中で検索だったり知人からの紹介などで選択肢を探していくわけだが、どういうものを選択肢に入れるだろうか。

わかりやすい例を挙げよう。

あなたが今週末の飲み会のお店選びをすることになったとしよう。無限にあるお店の中であなたはどうやってお店選びをするだろうか(時間がなくて適当に選ぶパターンや、おすすめのお店に最初から決めるパターンを除く)。

まず、参加者が集まりやすい街に絞るかもしれない。

もしくは、「焼肉」「バー」「広くゆったり座れるお店」などニーズに合わせて絞り込むかもしれない。

選択肢を探す中で、まず行われるのは絞り込みだ。

最低限満たしておきたい条件を考え、その条件に当てはまる候補に絞り込むのだ。

広告効果測定ツールなのであれば、例えば「Facebook広告と連携が可能である」「予算が○円以下である」「同業界での導入事例がある」などといった条件を必須要件として考えることがあるかもしれない。

まずそういった絞り込み条件を決める。

この絞り込みの段階で5つくらいに絞れるのであれば、その時点で選択肢ピックアップを終えるかもしれない。

しかし、この絞り込みでまだ選択肢が多いようであれば、次にやることは「その中で光るものを見つける」ことだ。

池袋の焼肉屋に絞り込んだとして、それでもまだたくさん数はある。それを一通り眺めてピックアップする際には、

  • 駅から最も近い場所をピックアップする

  • 1番安そうな場所をピックアップする

  • 1番おいしそうな場所をピックアップする

  • 1番広い席がありそうな場所をピックアップする

  • それらバランスよく取り入れられそうな場所をピックアップする

例えばこういうピックアップの仕方がありえる。「選択」なのだから、色んな軸のNo.1を集めたり、その折衷案的なバランスタイプを見つけるのだ。

1番安そうな広告効果測定ツール、1番導入実績の多い広告効果測定ツール、1番多機能な広告効果測定ツールといった具合である。

選択肢に入るためには、

  • お客様の求める最低要件(絞り込み条件)をクリアすること

  • その中で何かしら光るものを持つこと(バランスタイプもそれ自体が光る要素と捉える)

が必要となるわけである。

FVで訴求すべきは、あなたのサービスが光っているポイント

このnoteはFV訴求に関するnoteだから、話をそこに戻そう。

お客様の求める最低要件は色々ある。それ自体をヒアリングして正確につかみに行くことももちろん重要だし、プロダクト・サービスが様々な最低要件を満たせるよう磨きこむこと、サイトにその情報を漏れなく乗せることも当然重要だ。

しかし、圧倒的にシンプルにわかりやすく伝えなければいけないFVにおいては、そのすべてを語ることができるわけではない。

ゆえに、FVが果たすべき役割は、もう片方の「その中で何かしら光るものを持つ」という点を訴求すべき、というものだ。

では光るものとは何だろうか。

光るとは、サンプル数「1」であること

光るためには、結局特定の領域においてサンプル数が1であることが重要だ。

スポットライトが3つのものに当たっていてはダメなのだ。スポットライトは1つのものを照らしていなければならない。

FVで行われる訴求は、たった1つを照らすスポットライトであるべきだ。

サンプル数「1」とは、以下のいずれかを指す。

  • ナンバーワン

  • オンリーワン

サンプル「1」の作り方

あなたのサービスは、どういうサンプル数「1」を作ることができるだろうか。

No.1であることができるかを模索する

まずはナンバーワンと言えるかどうかを考えるのが良いだろう。

1位はわかりやすい

導入社数No.1、シェアNo.1などはめちゃくちゃわかりやすい例だ。これが言えるのであれば、FVでそれを訴求しさえすれば、BtoBにおいて業界1位はまあ検討しておかなきゃね、と基本的には資料請求につながる(最低要件をクリアしていれば)。

他にも満足度No.1、利用率No.1、など色々No.1の謳い方はある。

どういうNo.1を謳うかでもちろん成果は左右されるわけだが、ひとまずこの段階では様々な訴求の候補を出していくことが重要だ。No.1と言えるものをあぶりだしていこう。

しかし、トップランナーを追いかける立場であればNo.1を謳うのは難しいケースも多い。

ナンバーワンが難しいなら、特定の条件でのオンリーワンであることを訴求する

その時は、条件を絞り込んでその条件における唯一のプレーヤーであることを示せばよいのだ。

例えば、「BtoB領域に強い広告効果測定ツール」みたいな感じだ(そういうものがあり得るのかはさておきw)。

広告効果測定ツールを検討するすべてのユーザーを獲得することはできなくなるが、こういう囲い込みをして、BtoB領域の広告効果測定ツールならうちがいいよという見せ方ができれば、BtoB企業の選択肢に入りやすくなる。

ZOOMやTeamsなどのWeb会議システムの巨人がいる中で、オンライン診療に特化したサービスがあったり、営業に特化したサービスがあったり、面接に特化したサービスがあるのもこういうポジショニングの取り方だ。

ナンバーワンが難しいなら、どこでオンリーワンになれるかを考える。

そうすれば、すべてのユーザーを獲得することはできなくなっても、特定領域で選択肢に入れる。最初からすべてを取ることは一旦あきらめ、そこで実績を作っていこう。

ナンバーワンかオンリーワンが用意できたら、具体的な訴求を詰めていく

このいずれかが用意できたら、それを軸にFVを作っていくことになる。

ちなみに、「選択肢に入る」ことが重要だ、と言っておきながら、結局サンプル「1」を目指すのかよ、5つに入ればいいわけじゃないじゃん、と思う方がいるかもしれない。

確かに結局「5」ではなく「1」を目指しているわけなんだが、若干そのニュアンスは異なる。

契約・購入される「1」になるべく最初から訴求するのと、「5」に入るために「1」を探して訴求するのでは、多少必要な要件が異なるのだ。

契約・購入される「1」になるためには、ユーザーが最も重視する要素でNo.1(オンリーワン)になっていなければならない。ユーザーが最も重視するのが仮に導入社数なら、サイトで導入社数No.1を謳えないと相当厳しい戦いになるわけだ。

しかし、「5」に入るための「1」を探すのであれば、何で「1」なのかはある程度の幅が許される。要は最終的にどう選ぶかは営業やフリートライアルの結果によるので、その「どう選ぶか」の基準が形成される前の段階では、割と自由に「1」を謳えるのである。

そういう意味で、選択肢に入るための訴求について説明したつもりだ。

訴求するのは、メリットかベネフィットか

良い方向に「1」である必要がある

サンプル「1」を見つければいいとは言っても、わざわざ書く必要もないかもしれないが、ユーザーにとって全く意味をなさないサンプル「1」を書いても意味はない。

「1番目に優しい広告効果測定ツールです」なんて言われたところで「だからなんやねん」でおしまいだ。(逆に面白がって資料請求する人の存在は考えないw)

この「1」は、確かにユーザーにとってプラスになる内容で「1」でなければならない。

そこで考えるのが、ユーザーにとってのメリット・ベネフィットだ。

メリット・ベネフィットとは

混同しがちなメリット・ベネフィットだが、簡単に説明すると、

  • メリットはサービスの特徴・セールスポイント(長所)

  • ベネフィットはユーザーが得られる恩恵(価値)

を指す。

そろそろ別のカテゴリに例えよう。電子契約サービスあたりがいいだろうか。

導入実績No.1!電子署名法準拠!業界No.1のセキュリティ技術!

これらはすべてメリットだ。ユーザーが直接得られる恩恵なのではなく、あくまでそのサービスのメリット(長所)と言える。

紙とハンコが不要に!契約手続きが1日で完結!契約にかかるコストが0に!

これらがベネフィットと言える。ユーザーが得られる恩恵、アウトカムだ。

特にBtoBにおいては、金銭的に測ることのできる価値が重視される。

良い方向にサンプル「1」になるためには、基本的にこのメリット・ベネフィットにおいて「1」である必要がある。

どちらを訴求するかは「1」が謳えるもの優先

では例えば「導入実績No.1」と「紙とハンコが不要に」どちらをFVで謳うべきだろうか。

僕はこのメリット/ベネフィットどちらを訴求すると良いかに関しては、それよりも「1」を優先すべき、と考えている。

つまり、上の例で言うと、「導入実績No.1」はサンプル「1」なのだから、あなたしか言えない。

一方「紙とハンコが不要に」は他の電子契約サービスでも言える。だからこの場合は「導入実績No.1」を優先すべきだと考える。

ゆえにメリットベネフィットの話よりも先にサンプル「1」の話をした。

選択肢に入るためには「1」の方向性は割と融通が利くと書いた通り、それがメリットでもベネフィットでもおそらく選択肢に入れてもらえるだろうからだ。

しかし、両方において「1」が言えるのであれば、ベネフィットを優先したほうが良いと思う。

「A15 Bionic」と「Neural Engine」の演算によって、フレーム内の被写体に瞬間的にフォーカシング

というメリット(機能的特徴)よりも

まるで映画のような動画が撮れる

というベネフィットの方がユーザーにとってわかりやすいからだ。

結局最終的にはどういうベネフィットがあるかがユーザーにとっては最重要なわけで、そういう意味でメリットよりベネフィットの方が刺さりやすいわけだが、とはいえシンプルにわかりやすく選択肢に入るためのFVにおいては、それよりもサンプル「1」が優先すべきなのは、ここまでの説明を読んでいただければ納得いただけるだろう。

※とはいいつつ、どのサンプル「1」を訴求すべきか、メリット・ベネフィットどちらを最初に謳うべきかは、サービスやターゲットによる、というのが結論でもある。最初から1つの訴求に絞るのもよくないので、割とはじめはいくつか訴求できそうなポイントを洗い出しながら、実際にユーザーにあてて決めていくのが良かったりする。あと圧倒的にわかりやすくとはいいつつ、それを維持しながら両方(複数)FVで訴求することも可能だったり。

有名SaaS企業60社は、トップページのファーストビューで何を訴求しているか

さて、ここまでFVの訴求を作る上でおさえるべき考え方を8,500字に渡って紹介してきた。

ようやくタイトルを回収しよう。

ここまで僕の考えを説明してきたが、具体例がないとわかりにくかったかもしれない。

そこで、実際のSaaS企業のサイトを見ていきながら、どういう訴求が良いのかを考えてみよう

僕は冒頭で「FVの洗練度は、その企業のマーケターの実力を示す指標の1つだ」と述べた。そういう意味で、これから上げる代表例はすべて素晴らしいマーケターの方がきっと社内にいらっしゃるんだろうと思っている。

ちなみに、このSaaS企業をリストアップするタスクはさぼらせていただいた。

冒頭で紹介した、セールスリクエスト原さんの「有名SaaSのファーストビュー施策まとめ」という記事に、

調査した有名SaaSを60社ピックアップしてくれているExcelがあるのだ。

今回は、原さんに多大に感謝しながら、これをそのまま調査対象として流用させていただくことにした。原さん、ありがとうございます。

では、ここから先は恐縮ながら有料コンテンツにさせていただいている。

金額は吉野家の牛丼の価格と同じだ。ここから先の情報を聞きたいなら、僕に牛丼をおごってくれ、というわけだ。傲慢な奴だ。

しかし、牛丼1杯おごった分の価値がある情報は得られたかな、ときっと思っていただける内容だろう。(一応返金も可能にしてある)

  • 60社のサイトで訴求されているものは何か(割合)

  • ナンバーワン×メリット訴求の代表例

  • オンリーワン×メリット訴求の代表例

  • ナンバーワン×ベネフィット訴求の代表例

  • オンリーワン×ベネフィット訴求の代表例

  • 僕が選ぶSaaS企業No.1トップFV

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