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幼児の運動はお散歩では足りない、を、METsで確認する

子どもの運動量を確保し、有り余った体力を使い果たし、早い時間からよく眠ることができる状態を作るようにすると、次の日は朝からよく食べ、よく遊ぶ、と思う。

よく食べよく遊びよく眠れば、だいたい子育て成功だろうと思っていて、簡単なようでいてそれは結構難しいことにも気づいていて、この三つがすごく深く相互作用を持っていることがだんだんわかってきた。

どれが一番最初に来るかといえば「よく遊ぶ」だろうと思う。

身体をたくさん使うとお腹が空いて疲れて眠る。それだけなのだと思う。

この「身体をたくさん使う」ということを実践するのがなかなか難しい。車社会の都会は交通量が多いし、走れば危ないし、登る場所もない。歩くだけでは絶対に運動量が足らない。

運動の世界にはMETs(メッツ)という運動強度を表す指標があって、それを見てもわかるように(下記画像参照:「METs 運動強度」でググるといっぱい画像が出てくる様子)、歩行の運動強度なんてたかが知れているのだ。ググってみてください。
METsは安静座位での酸素消費量(運動で使う酸素のりょう)を1とした指標なのだけれど、歩行は3。酸素消費量はそのままエネルギーの産生と密接に関わっているので、歩行ではろくにエネルギーを消費していない、ということになる。

幼児の運動、と言われて「お散歩」では意味がない、というのがよくわかる。

走る、登る、飛び降りる、そういった運動はMETsが高い。つまりエネルギーを大量に消費する。このエネルギーがもともと食べることで得ているものなのだから、強度の高い運動をすればお腹が空く。そして疲れる。眠る。そういうことなのだと思う。

走る登る飛び降りる、ができる場所は、都会の人間社会にはあまり存在しなくて、わたしはいつも広い公園に連れて行く。広ければ走るし、坂を上ったり、木を登ったり降りたり、子どもは忙しない。全力で走ることもままならない都会でいかに運動量を確保するか、は、どのくらい「大人が公園を飽きずに楽しめるか」に依存しているような気がする。大人が飽きたら、子どもを連れて帰ってしまう。

公園にあるものといえば、土、水、木、虫、草、花、風、空。どれも子どもが好きなものばかり。飽きずに公園に居られるか、ということは、結局、そこで童心に帰ることができるか、ということなのだろうな、と思う。