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D2Cはあたたかい?

都合のいいバズワード

今日、パーソナライズシャンプー「MEDULLA」のリニューアルを記念して開催されたD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)のイベントに参加してきました。元アイドルでモテクリエイターとして活躍するゆうこすさんや、マーケティング会社GOの三浦社長、D2Cコスメの製造を多数手がけるサティス製薬の山崎社長のトークセッションが行われました。

テーマは「D2Cの定義って何」という話。D2Cという言葉をそのまま取ると、消費者に直接届けるというニュアンスてすが、それだと通販はすべてD2Cとなっちゃう。バズワード化しているD2Cは最近、スタートアップがEC やるときに手軽に用いたり、大手がECを強化するときにD2Cを掲げたりして、都合のいい使われ方をしています。

しかし、単純に「D2C=通販」ではないという前提のもと、「そんならD2Cって何?」という話を聞くことができました。

D2Cはやさしく、あたたかい

登壇した3人はD2Cをこう定義しました。

ゆうこす▶▶やさしくあたたかい販売
三浦 ▶▶ 作る側と使う側が一体となって良い商品を作ること
山崎▶▶デジタルで集めたユーザー声を元に改善し続ける

ゆうこすさんの言うあたたかい販売という表現は、自分の経験に基づいているそうです。自らコスメブランドを立ち上げるときに、作る前からツイッターアカウントを立ち上げ、フォロワーを巻き込んで商品を作っていったといいます。フォロワーの思いや優しさを集めてコスメを開発し、販売後もさまざまな意見を寄せてもらい、参考にしているそうです。商品のベースにフォロワーの思いが込められている点があたたかいという表現につながったようでした。

メーカーが欲望を汲み取れる

三浦さんは、生産者と消費者がネットを通して繋がることができるようになったことで、2つの大きな変化があったと言います。1つ目が「世界観を作った人間と消費者が共有できること」、2つ目は「メーカーがデータという名の消費者の欲望や気持ちを汲み取れるようになったこと」だそうです。メーカーと消費者が心を通わすことで良い商品が生まれ、育っていくのがD2Cというわけです。

山崎さんは、ネットを介してユーザーと双方向のコミュニケーションを行うことで、商品へのフィードバックをたくさん集めることができるようになったと言います。これまでは開発者の思いや仮説で商品が市場に放たれ、ユーザーのフィードバックはあまり反映できていなかったそうです。それがデジタルテクノロジーを駆使することで顧客の声を収集・解析でき、そのフィードバックを品質に置き換えることができるようになったと言います。D2Cは顧客の声を吸い上げ、樹木のようにどんどん育っていくことができる手法のようです。

D2Cはしんどい?

これまでの1:Nのますプロダクト開発と比べて、1:1のD2Cはなんだかしんどそうです。でもその課題について、ゆうこすさんは「インフルエンサーはそれをやるのが当たり前」と簡単に答えていました。日頃からSNSでもライブ配信でも多数のフォロワーと対峙し、コミュニケーションを図ることが苦にならないインフルエンサーだからこそ、多数の声を拾い上げることは苦ではないと言うのです。

さらに、ゆうこすさんは「ニッチで作る人の思いが強いものじゃないとコアな人は集まらない」と分析します。自らが掲げる"モテ"も元々は疎ましく思われるキーワードだったと言います。しかしそのワードを「可愛く思われたいと思う気持ちは、相手のことを思いやる気持ちだし、胸を張って言えることだ」と肯定的に打ち出したことで、「そうだそうだ」と思う女性の支持を集めました。

ゆうこすさんがが語るように、ユーザーを巻き込むD2Cブランドは、社会課題に立ち向かっていたり、消費者のコンプレックスに寄り添うプロダクトが多い気がします。今日のイベントに参加したD2Cブランドも、「漢方の文化を広めたい」「家具を所有からサービスに変えて生活を豊かにしたい」「主食を健康的な食品にしたい」など熱い思いを持ったブランドやサービスが多かったです。だからこそ人気のD2Cブランドは、ユーザーが"買う"と言うよりも"参加する"感覚で支持を集めているのでしょう。

一方通行ではなく、メーカーとフラットな関係で双方向に心を通わすD2Cの方向性は、今どきの消費者にウケると思います。今日のイベントに参加し、D2Cが増えていくことが楽しみになりました。

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EC業界向け専門紙「日本ネット経済新聞」で記者してます。EC、通販、モノづくり、流通、マーケティングなど取材していく中で紙面には書かない自分の考えや疑問について書いていきたいと思います

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手塚 康輔/Eコマース記者

EC・デジタルリテールに特化した専門紙「日本ネット経済新聞」で記者をしています。デジタルの台頭で流通を取り巻く環境が大きく変わる中、ショッピングの未来について考える日々を過ごしています

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