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”メディア”を”料理”で例えてみた

メディアを把握するヒントに

私が記事を書いているEC業界向けの専門紙「日本ネット経済新聞」は、週刊で購読者のみに送付している紙の新聞です。新聞だけれど、日刊紙ではなく、週刊だけど雑誌ではないという立ち位置にあります。この立ち位置をきちんと理解して、記事を書かないと読者にとって有益なメディアになりません。

新人記者にもわれわれの立ち位置を理解してもらうために、同行取材の際に、料理に例えて、メディアの特質を説明していました。その例えがいいかどうかの判断は、読者にお任せするとして、メディアが乱立する時代にメディアを理解する一つのヒントにはなると思うので、紹介します。

新聞は寿司、雑誌はフレンチ?

もったいぶってもしょうがないので、私が思う「メディアを料理に例えるとどうなるか」を紹介します。

新聞=寿司
雑誌=フレンチ
専門紙(週刊紙)=焼肉

ポイントは”ネタの鮮度”。よく記事の材料のことを”ネタ”と言いますが、寿司でも素材のことも”ネタ”と言います。ネタの鮮度へのスタンスでメディアを料理に当てはめています。

新聞はネタの鮮度、質にこだわっているので、寿司に近いと思います。鮮度が高く、高品質のネタを提供するためには、仕入れが重要です。だからこそ新聞社は、番記者を立てたりして、ネタ元に張り付き、新鮮なネタを仕入れようと躍起になっています。

雑誌はネタを調理する料理人の腕(編集力)にこだわっています。フレンチも素材の原型を留めていないメニューがありますが、雑誌もストレートにニュースを出すのではなく、煮たり焼いたりして、インパクトのある盛り付け(見出し)を施し、お客さんの食欲を刺激しています。

専門紙は素材+αで勝負

われわれ専門紙(主に週刊紙)は、ネタの鮮度も重視していますが、大きなネタは日刊紙がすでに報道していることが多いので、専門紙ならではの切り口や有識者の見解をつけたりして、記事紹介しています。焼肉も素材の鮮度・質を重視していますが、切り方やタレの味付けでも勝負しています。ネタ(素材)+αで勝負している点が、焼肉に近いかなと考えました。

われわれは素材を見極め、どんな切り方がいいのか、どんな味付けが最適か、を鮮度が落ちないうちに見極め、少し調理をして読者(お客さん)に届けなければいけません。そのために引き出しをたくさん持っておかないといけないですし、情報や見解を聞けるネットワークを構築していかないといけないと考えています。

ネットメディアは・・・

ここまで書いてきて、「ネットメディアが抜けている」と思った方も多いと思います。私もネットメディアは何が適当か、うまく例えられる自信がなく、後回しにしてしまいました。

強いて言うなら回転寿司かなと思います。日刊紙よりも速報能力が高いですが、日刊紙ほどネタの仕入れにこだわっていると言えないかなと思います。特筆すべきは提供スピードと敷居の低さ。ネットメディアの記事は手軽に、基本無料で記事を読めます。自分の好きなネタだけ選んでピックアップできる機能性も強みです。回転寿司のように好きなネタを選び、すぐに食べることができる点が似ていると考えました。

外食産業(旧メディア)が軒並み苦戦しているのに、回転寿司(ネットメディア)が比較的成長している点もメディアの構図に似ていると言えます。

多少強引だったかもしれないですが、「メディアを料理に例えてみた」はいかがだったでしょうか?いや、違うというご意見があれば、どしどし言ってください。私自身のメディア理解に役立てさせていただきたいと思います。

EC業界向け専門紙「日本ネット経済新聞」で記者してます。EC、通販、モノづくり、流通、マーケティングなど取材していく中で紙面には書かない自分の考えや疑問について書いていきたいと思います