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PrL ext ⇒ MD/BLA

Pan Q, Guo SS, Chen M, Su XY, Gao ZL, Wang Q, Xu TL, Liu MG, Hu J. Representation and control of pain and itch by distinct prefrontal neural ensembles.
Neuron. 2023 Aug 2;111(15):2414-2431.e7. doi: 10.1016/j.neuron.2023.04.032


Results

1. PrL(前辺縁皮質)では選択的に痛みと痒みが表現される

PrLにAAV9-CaMK2a-GCaMP6fを注入し、in vivo Caイメージングを実施した。Chloroquineまたはcapsaicinを投与すると、それぞれにより活性化するニューロンの集団は選択的であった。

2. PrL(前辺縁皮質)では選択的に痛みと痒みを調節される

FosTRAPラベリングによりchloroquineまたはcapsaicin反応性ニューロンにDREADDを発現させた。
まずchloroquine-TRAP細胞を抑制すると、掻き動作は抑制され、活性化すると自発的掻き動作が誘発された。一方、capsaicin投与による疼痛行動には影響を与えなった。
次にcapsaicin-TRAP細胞を抑制すると、舐め行動は増加し、活性化すると減少した。一方、chloroquine投与による掻き動作には影響を与えなかった。

3. PrLは痛みと痒みによる負の情動を制御する

FosTRAPラベリングによりchloroquineまたはcapsaicin反応性ニューロンにChR2またはhM4Diを発現させた。
chloroquine-TRAP細胞の光活性化はreal-time place avoidanceを誘発した。一方、chloroquine-TRAP細胞の遺伝学的抑制はCPAを消失させた。
また、capsaicin-TRAP細胞の光活性化はreal-time place preferenceを誘発した。一方、capsaicin-TRAP細胞の遺伝学的抑制はCPAをさらに増強させた。

4. PrLは発散的な投射により痛みと痒みを調節する

FosTRAPにより投射先を標識すると、痒み情報は特にBLA(扁桃体基底外側核)に投射されており、痛み情報は特にMD(視床背内側核)に投射されていた。
また、hM4DiによりPrL-BLA経路を抑制すると、chloroquine誘発掻き動作は抑制され、capsaicin誘発舐め行動は変化しなかった。
一方、hM4DiによりPrL-MD経路を抑制すると、capsaicin誘発舐め行動は抑制され、chloroquine誘発掻き動作は変化しなかった。

5. PrL-BLA経路は痒みによる嫌悪感、PrL-MD経路は痛みによる嫌悪感を制御する

hM4DiによるPrL-BLA経路の抑制は、chloroquine誘発CPAを消失させた。
また、PrL-MD経路の抑制は、capsaicin誘発CPAを消失させた。

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