たっちー(Finance&Design)

美術大学出身の1級FP。 デザイン事務所経営の傍ら、経済のことを分かりやすく図解・デザ…

たっちー(Finance&Design)

美術大学出身の1級FP。 デザイン事務所経営の傍ら、経済のことを分かりやすく図解・デザインで表現する活動をやったりやらなかったり。

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為替介入2022:基本&今回の展望

急速な円安が進行し、ドル円はいよいよ1998年に付けた147円66銭が視野に入ってきました。 日本銀行と財務省が円安に歯止めをかけるため、為替介入に踏み切るのではないかとの観測が市場関係者の間で再燃しています。 実際に為替介入は行われるのか、為替介入をして円安は止められるのかが注目ですが、今回は「為替介入の基本と、現在の状況でのポイント」を噛み砕いて説明します。 ■為替介入の意味と目的為替介入とは、通貨価値(為替相場)の急激な変動を抑え、安定化を図る目的で、通貨当局が通

    • 資産運用としての金 vol.2)金の価格変動要因

      実物資産の代表格である「金」 【資産運用としての金】というテーマで、前回から2回に分けて金の魅力について解説しております。 今回は以下のテーマでお伝えしていきます。 金価格が変動する要因 2020年の金相場で起きたこと 金価格の将来 前回の記事はコチラ「資産運用としての金 vol.1)特徴と有効性」 ■金の価格変動要因 まず、金価格に影響を与える代表的な要因を並べていきます。  ■米ドルの実質金利  ■米ドル供給量  ■短期的需要による売買 米ドルは通貨の中

      • 資産運用としての金 vol.1)特徴と有効性

        古来より、その希少性と美しさから世界共通の資産として扱われてきた「金」 2020年に金の価格は過去最高値を更新し、金融資産としてあらためて注目を集めています。 【資産運用としての金】というテーマで、2回に分けて金の魅力について解説していきたいと思います。 ■金自体の特徴 まずは金そのものの特徴から、代表的なものを並べていきます。 ●無国籍資産 通貨だけでなく株式や債券など、金融資産の殆どには発行体が存在します。 発行体である国や企業が価値を保証することで、資産とし

        • 【住宅ローン】固定金利と国債利回りの関係

          住宅ローン選びで最も重要な「金利」 以前の記事で『変動金利』の仕組みを解説させていただきましたが、今回は『固定金利』についてお伝えさせていただきます。 周知の通り、現在の金利水準は歴史的にみても超低金利なので、不動産購入において住宅ローンを活用しやすい環境下にあると言えます。 一方でコロナ渦における経済危機の中で、『さらに金利が下がるのではないか?』と考え、金利の低下を待っている方もいるかもしれません。 本日は住宅ローンにおける固定金利が 『どのように決まるのか?』

        為替介入2022:基本&今回の展望

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        • 参考記事
          3本

        記事

          【債券】金利と利回り、債券価格の関係

          『金利が上がったら、通常、債券価格はどうなるでしょうか?』 こちらは日本銀行(金融広報中央委員会)が2019年に行なった金融リテラシーに関する調査の中の質問の一つです。 債券に関するこの質問の正解率はなんと24%。株式や他の金融知識に関する質問よりも債券に関する質問は正解率が非常に低い結果が出ています。 預金や株式などと比べても、債券の金利や価格というのはニュースでも大きく報じられませんし、意識することは少ないかもしれません。 しかし、私たちの生活と債券(特に国債)は

          【債券】金利と利回り、債券価格の関係

          住宅ローンが変わる理由 : 変動金利と政策金利の関係

          住宅ローンを検討する時にまず考えるのは『変動金利』や『固定金利』などの金利タイプをどのタイプにするか?というところから始まると思います。 しかし、これら住宅ローンの金利がどのように変化して、決定される仕組みなのかをご存知でしょうか? 本日は住宅ローン金利のひとつ、変動金利が 『どのように決まるのか?』 『金利が変わるとしたら、どんな理由で変わるのか?』 など、変動金利が決定されていく仕組みについて解説します。 また、変動金利と大きく関係する政策金利についても解説し

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          「有事の円高」なぜ起こる?

          「有事の円高」という言葉は聞いたことはないでしょうか。 円という通貨は、世界各地で金融危機や災害、紛争のリスクが高まったときなど、世界の情勢が不安定になった局面で、円が他の通貨に対して価値が高くなる、『円高になる』という特徴があります。 この特徴をうけて、『有事の円』『円は安全資産として評価されている』というように表現されることがあります。 ではなぜ、世界が不安定な状況で円高になるのか? 有事の円高はどのようにして起きるのか、今回はその理由の解説を、円安/円高など為替

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          色々な金融商品の、単利と複利

          資産運用を考えるにあたり「単利」「複利」という言葉を目にしたことはないでしょうか? この言葉は金融商品における「利息」の計算方法の違いであり、また資産運用における利益の活用方法の違いとも言えます。 例えば預金商品、投資信託、債券など、、それぞれの商品に「単利型・複利型」があります。 今回は「単利と複利の仕組みの違い」「複利になる条件」「商品ごとの単利商品と複利商品の違い」をお伝えしていきます。 ◆単利とは?複利とは?銀行などにお金を預けると「利息」が付いてきますが、利

          色々な金融商品の、単利と複利

          投資信託の分配金

          投資信託には分配金という仕組みがあります。これは運用によって得られた収益などを決算ごとに投資家に分配するお金のことです。 分配金の量や頻度は投資信託ごとに様々で、ひと昔前は分配金が毎月もらえるタイプの投資信託が(売り手側の販売戦略により)人気でした。 近年は『分配金が発生する投資信託は選んではいけない!』という意見が主流で、分配金はすっかり悪者のイメージです。 今回は分配金についての基本をおさらいしながら、 『なぜ分配金は発生しない方がいいのか?』 『分配金を目当て

          ドルコスト平均法のメリットとデメリット

          資産運用はお金の出し方で大きく2つに分けられます ・一度または数回に分けてお金を出す"一括投資" ・一定金額を定期的に出していく"積立投資" 『つみたてNISA』,『iDeco』などの普及もあり、積立投資の方が多くの方に馴染みがあると思います。 そして積立投資においては、今回紹介する"ドルコスト平均法"という方法で日々投資信託などを購入していることが殆どです。 今回はドルコスト平均法のメリットとデメリットをお伝えしていきます。 ◆ドルコスト平均方法とは?「同じ商品

          ドルコスト平均法のメリットとデメリット

          利率固定の資産運用 "債券" とは?

          金融商品の一つに債券と呼ばれるものがあります。 日々のニュースで耳にすることも多い債券ですが、個人の資産運用についてどんな活用ができるのかはあまり認知されていません。 "そもそも債券とは何なのか?" "どんな目的に対して活用するものなのか?” 債券の基本について、個人の資産運用でのポイントに絞ってお伝えします。 ◆債券投資の特徴債券そのものの説明より先に、債券投資の基本的な特徴をお伝えします。 債券には仕組債やゼロクーポン債などタイプが様々ありますが、債券の最も代

          利率固定の資産運用 "債券" とは?

          ETF part2 『目的の組み合わせ』

          前回の記事で "ETF" という金融商品の特徴をお伝えしました. 今回はETFが『どんな目的に合うか』というお話をしていきます. ◆ETFが応えられるのはこんな目的他にも細かいニーズに答えられますが、代表的なのはこのあたりです. そして資産運用の目的は一つで収まることはないので『目的の組み合わせ』で考えるのがポイントです。 それでは『目的の組み合わせ』に対して"ETF"がどのように応えられるか確認してみましょう. ◆『まとまった資金の有効活用』✖︎『中長期でふやした

          ETF part2 『目的の組み合わせ』

          ETF part.1 "投資信託との違い"

          ETFという商品をご存知でしょうか? ETFは投資信託と株式、2つの特性を合せ持つ"いいとこ取り"のハイブリッドな金融商品と言われています。 本日はそんなETFについて、投資信託と比較しながら ざっくり丁寧にお伝えしていきます。 ◆まず結論 『極力手間かけたくない人、月々のやりくりからお金を出したい人は、つみたてNISAで投資信託』ETFは後述する特性により定期購入が若干やりづらい金融商品です。 資産運用にかける手間をとにかく少なくしたい方は投資信託の方が適しています

          ETF part.1 "投資信託との違い"

          インデックスファンドと、アクティブファンド

          手軽に始められることで多くの方に馴染みのある投資信託。 投資信託は運用のタイプによって大きく2つのタイプに分けられます。 保守的な『インデックスファンド』 積極的な『アクティブファンド』 2つの特徴と、考えるべきポイントをお伝えしていきます。 ◆運用方針で2つのタイプに分類される。まず投資信託について簡単におさらいすると、『投資信託は資産(株式など)の詰め合わせ』 投資家が少しづつお金を出し合い、集まった資金を元に『運用会社』が資産の選定や売買などを行います。

          インデックスファンドと、アクティブファンド

          資産運用のモノサシ ・ インデックスの基本と活用方法

          少額から投資できることで多くの方に馴染みのある投資信託。 投資信託について調べていくと「インデックス投資」「インデックスファンド」などの単語に出会うと思います。 銀行や証券会社のホームページでは などの説明がされています。 (分かるような分からないような、、) 今回は『インデックス』自体を分かりやすく・噛み砕いてお伝えしていきます。 投資信託については以下の過去記事でも紹介しています。 (投資信託とETFのことを総称してファンドと呼びます) (インデックスを通

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          生涯資産運用の全体像

          『資産運用は生涯を通して準備・継続していくものです』 資産運用の目的の代表格である"老後資金" 『準備は分かるけど継続ってどういうこと?』 そう感じる方もいるかもしれません。 今回は、資産運用の全体像についてお伝えしていきます。 ===================== ◆まず、お金の面で考えると人生は大きく2つの時期に分けられます。ベストセラー著書”LIFE SHIFT"が示した世界の変化の一部として、人間の長寿化に伴いこのような旧来型の3ステージ構成は終わりを

          生涯資産運用の全体像