ビジネスで英語よりも大切なのは?

英語でビジネス
国際化ということばが使われ始めたのは、

今から十数年以上も前のことです。


当時は、人類が初めて月に着陸した

アポロ11号をきっかけにした

「英会話ブーム」が落ち着いて、

日本が経済の高度成長期から派生した

バブル経済全盛で、猫も杓子も

海外、海外、というふうに

それまでの日本国内の価値観が

どんどん変わっていく過渡期だったような気がします。


ちょうど第一次日米自動車摩擦により

日本の自動車メーカーはどんどん海外へ

進出し、アメリカを中心とした現地生産化に

取り組んでいました。


規制緩和ということばが使われ始めたのも

ちょうどこの頃です。

日本はなんでも規制、規制で、

海外からの輸入品に税金やその他の諸費用が

かかりすぎるので、日本では市場を

拡大できない、と訴えたのですが、

その代表選手が自動車だったわけです。


確かに、規制が多すぎて、自動車を輸入するにも

これでもかこれでもかと手間がかかりすぎるのは

認めますが、日本での自社の自動車販売が伸びないのは

それだけではないような気がします。

いわゆる営業努力が足りない、というひとことに

なるのですが、同じ営業努力でも

日本人とアメリカ人では営業努力に対する認識が

違うようですね。

公平さとは

アメリカ人(だけではありませんが)は、

unfair アンフェア(テレビドラマではありません)を

嫌います。

つまり、fair フェア、平等である、または

平等に取り扱われるべきである、ということが

非常に大きな価値観のようです。


アンフェア、言い換えれば、差別、ですね。

もともとアメリカは、差別の国ですから、

差別のないという状態を常に維持できるよう、

また、差別のないということを決して忘れないように

差別しません、とか

平等です、あるいはフェアです、

というふうな自問自答をしているのでは

ないでしょうか。

人種差別、性差別は論外ですが、

ビジネスでの差別というのは、

ある程度避けられない場合もあります。

ビジネスでの差別、というのは

少し大げさな表現ですが、

要するにビジネスでの先行者利益、とでも

いえばいいのでしょうね。

先の日米自動車摩擦に関して言えば、

規制緩和の一貫として、米国からの輸入車に対する

関税を緩和するなど、販売価格に反映される税金などを

日本車と同じにする、ということで、

競争の公平性が保たれる、という認識だったんでしょうね。

また、日本から米国へ輸出されている日本車の台数よりも

米国から日本へ輸入されているアメリカ車の台数が

極端に少ないので、これを引き上げるべく、

日本の自動車メーカの米国での現地生産が解決策として

提示されたのではないでしょうか。

今日まで紆余屈折はあったにせよ、自動車製造は
日本が世界に誇る代表的な産業になりました。

でもそれは単純にアメリカでの現地生産のためとは
言えません。

現地生産はあくまでも、アメリカの自動車産業界と

公平に競争を行う上での手段にすぎません。

なぜ日本車がアメリカ人に好まれるのか、といった

分析をして、その結果を踏まえて、

絶え間ない経営努力を続けていった結果として、

世界に誇れる日本の自動車となっているのです。



絶え間ない努力を忘れずに!

日米自動車貿易摩擦をきっかけとして、

日本は、いわゆる国際化へと進み始めました。

国際化で最初にイメージするのは、やはり

英語ですね。

コミュニケーションの手段としての英語が

いつの間にか目的になってしまう場合も

あるのですが、安易に英語ができる、というような

特別意識は持つべきではないと思います。


英語ができるとは、

例えば日本語での情報を英語を理解する客先に

正しく英語で伝えることができる、ということです。

正しく英語で伝えるとは、正しい英語で伝える、

ということだけではありません。

例えば、「レバーを右に回す。」という表現を

英語で伝え用とする場合、

正しい英語で伝えようとすると、

Turn the lever to the right.

となるでしょう。

正しい英語、つまり、文法的にも

単語も正しい英語です。


もちろん、これで相手も理解できますが、

Turn the lever clockwise.

とすれば、正しく英語で、となります。

つまり、「レバーを右に回す。」の

「右に」とは

「時計方向に」ということですから、

clockwise という(文法的には)副詞を

使えば、もっと正しく英語で表現ができます。


このように、正しく英語で表現ができるように

するには、絶え間ない努力が必要ですよね。

決して、聞き流したり、読むだけではない、

英語でどの情報をどのように伝えるかが、

ビジネスの最前線では求められています。


それではまた、次回!


See you next time!


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