2-11 4年生からでは遅い「特定人物固有信用」

特定人物固有信用とは、心理学者のエドウィン・ホランダーが提唱した考え方で、グループのメンバーに積み立てられる、相手に対する信用のことである。筆者は

“ギバーとして信用を得ると、ちょっと大胆で挑戦的なアイデアを出しても、まわりに特別に認められてしまう。”p.135 

と述べている。これは当然といえば当然である。リーダーの言葉はそれまでの行動が付加価値となって伝わる。つまり、リーダーになったから信頼されようと思っていてもそれまでの行動が信頼させるようなものでなければ話を聞いてもらえない。従って、少しでも自分がリーダーになる可能性があると感じ、そうしたいと思うのであれば、できるだけ早く「特定人物固有信用」を貯める必要がある。リーダーになってからでは遅いのだ。
例えば自分が所属していないカテゴリーの練習を見に行ってアドバイスをしたり、困っている後輩がいたら親身になって相談に乗ったり、自分の時間をメンバーにgiveする積み重ねをやり続けられるかどうかでリーダーとしての求心力が決まると私は考える。チームとして決断しなければならないことはたとえ1年間だとしても非常に多く存在する。そしてどこまでいっても組織にいるのは「心のある」人間なのだ。どれだけ筋の通る話をしたとしても心の底から一緒に頑張ろうと思うかは別である。周りがついていきたいと思うかどうかはそのリーダーのことを信頼できるかどうかにかかっている。

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