見出し画像

2-4 関学fightersと帝京ラグビー部の事例

また、関西学院大学体育会アメリカンフットボール部fighters帝京大学ラグビー部を事例に挙げる。この2チームの共通点は何度も日本一を獲り続けている点である。年度が変わってメンバーが入れ替わったとしても最終的には日本一になれるチームまで仕上げてくるチームだ。

また両チームは雑用を最上級生が行う。これはスポーツの世界においては珍しい。基本的に上下関係を重んじ、下級生が雑用を行うのか通例であるといえる。しかし両チームは「余裕のある人間が雑務をこなすことで、まだ慣れていない下級生に時間を与えた方がチームのためになる」という考え方を大事にしているのだ。

アダム・グラントの言葉を借りると、上級生が下級生に慣れるための「時間」やチームが勝つために必要な「精神的余裕」をgiveすることでチーム全体の価値を上げているのだ。

この過程によって下級生に当事者意識が生まれたり、より競技に集中することで成長を実感できたりする。この状態での勝利は雑用しかしなかった状態での勝利よりもチーム全体として価値がある。また率先してgiveしようとする上級生のことを信頼し、ついていこうと思うかもしれない。上級生が雑用をするというのは手段にしかすぎないが、give行動によって過程の質を上げ、チーム力を上げるという循環の仕組みをリーダーが創ることができればそれは文化となり再現性が高まると考える。

最後までありがとうございました!