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2-10 頼ることがもたらすメリット

筆者は、「頼る」ことについて、以下のように述べている。

“テイカーは、自分がほかの人より優れていて、別格の存在だと考える傾向がある。だから他人に頼りすぎると、守りが甘くなってライバルに潰されてしまうと思っているのだ。”p.130
ギバーは、頼り合うことが弱さだとは考えない。それよりも、頼り合うことは強さの源であり、多くの人びとのスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考えている。”p.130
“これこそ、ギバーの協力の仕方の典型だろう。自分個人の利益よりも、グループにとって最善の利益になる仕事を引き受けるのだ。こうすることで、グループ全体が恩恵を受ける。”p.132

giverとtakerにこのような違いが生まれるのは好む価値の違いによると考えられる。takerは権力や勝利といった自分本位のものを大切にするため、弱みを見せることで評価が下がり、ほかのライバルに抜かれてしまうと考える。逆にgiverは援助や同情などを好むため、頼り合うことでチームに利益をもたらせると考えている。

スポーツには必ず競争が存在するため、勝利に価値を感じるのは当然だ。しかし、チームとして何かを成し遂げたいと考えた場合、多くの知識や異なる観点からのアイデアがあった方がチームにとって大きな利益になるのは間違いない。

リーダーはチームに成果をもたらすために多くの情報を部員から引き出していく力が必要になる。そのためにもまずはリーダーがgiverとなって、「みんなの力が必要だ」ということを本気で信じて「手伝ってくれ」と伝えられるかが重要だと考える。ひとりでできることなんて本当に限られていると感じた1年間だった。主将就任当初は「自分でやった方が早い」と考え、独りよがりになってしまっていたと反省している。自分のおかげで解決したことなんて、自分の見える範囲のせいぜい1%程度だったなと振り返って思う。

もし部のメンバーに頼ることをためらっているリーダーがいるならば、急に皆に頼ることは難しいだろうから、まずは是非信頼できるメンバーに打ち明けてみてほしいと思う。ひとりでは解決できないことでも二人だったらかなり増える。ひとり、二人、三人と少しづつ自分の思いやビジョンを理解してくれる頼れるメンバーが増えていくことでチームが徐々に変わっていったと個人的に感じた。

最後までありがとうございました!