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【小説備忘録】AIに作ってもらったコンセプトアートをざっと並べてみた

 この記事は、私がAI(特にMidjourney/Nijijourney)に作ってもらったコンセプトアートを、自分の考えたアイデアや雑記と一緒にまとめたものです。

 結局小説本編の執筆は進まず公開には至りませんでしたが、この記事を見てくださっている方々に少しでも刺激を与えられたらいいな、という思いのもと公開します。

 また、この記事は個人のアーカイブとしての役割も兼ねています。

🍣 あなたは常識的な範囲で、これらのアイデアを用いた二次創作などを作っても構いません。

🦈 これらのアイデアやAIアートをそのまま再配布・販売・再販売することはできません(著作権フリーではありません)。


■ スカムノベルズ

 私はAIアートを使った小説作品群を【スカムノベルズ】という架空のレーベルの作品として公開しようとしました。その頃は【Hotline miami】であったり、TRPG仲間の作ったサイケデリックなAIアートに感化されていたため、そうしたものに似せたものが多いです。

 この頃はまだ(というよりは全体を通して)「一つの作品を作る」という意識がなかったため、そのコンセプトアートだけで完結しているようなものや、「雰囲気は良いけどこれは何?」というものがたくさんあります。私自身も、これを通して作品を作るぞ! というよりは「AIアート生成楽しい~」となっていました。

 ここではいくつかのセクションに分けて、AIに作ってもらったコンセプトアートを掲載していきます。

□ アイコンの作成

とあるTRPG仲間のセッションに参加した際、ショッキングピンクを主体としたサイケデリック?なAIアートに感化され、こうしたイラストを生成し始める。
女性バージョン。左側の背景がかっこいい。
【スカムノベルズ】のアイコンとして正式採用されたもの。


□ 方向性や雰囲気が分かるものの作成

ヘッダーなどとして利用しようとしたもの。
やはり雑居ビルにキャラの背中は映える。
ヘッダーとして利用しようとしたものVer.2
【スカムノベルズ】のケオス感を出そうとしたもの。
完全にピンクになってしまったが、これはこれで良いなとなったもの。
燃やせ!


□ 実際の作品用のヘッダー

 このセクションでは、Midjurney v4(この時はV4がMidjourneyの最先端だった)に生成してもらったものを使って、実際に作品のヘッダーを作ったものを掲載します。

【サイバーゾンビ】

前の美女と後ろの骸骨サイボーグがカッコイイ! となって作ったもの。
こうしたヘッダーのサイズはnoteのヘッダーのサイズに合わせており、トリミングしている。

メモからの抜粋

「死なないヤツらを殺しにいく」
死という概念が曖昧になった電脳犯罪都市、リビングシティ。
最新技術や悪魔との契約で半永久的な死を手に入れた重犯罪者を狩るため、
一人の男が地獄から帰還する。
男の名は「カロン」。
地獄より悪魔と契約を交わした死刑囚である。

エピソード【ナイト・コンバット・スキャット】
「手前に美女がいるの良いな」「ここはクラブかな?」となり、作成したヘッダー。
とにかく韻を踏みたがってるタイトル。

メモからの抜粋

暗黒電脳犯罪都市「リビングシティ」のクラブ「ピンクヘヴン」にて。
乱痴気騒ぎを繰り広げる若い男女達の中に、悪魔と契約を交わした者が紛れ込んだ。

 思い返せばヘッダーを作ること自体を楽しんでいたため、設定などをあまり作りこんでいません。当時は「なんでこんな良いヘッダーがあるのに、自分は何も作れないんだ」となっていましたが、そもそも別の楽しいことを考えていたのだから当然の結果です。


【コズミックアウトロー】

【サイバーゾンビ】の使い回し。
元のAIアートをよほど気に入っていたことが伺える。
エピソード【ウェアーズ・ザ・プリンセス】
宇宙のプリンセスを助けるというお色気アリエピソードだった気がするが、実際にメモしていないので分からない。
エピソード【スペース・デスメタル・ストラグル】
本編の設定は一切存在しないのに、このエピソードのあらすじだけ残されていた。
やはり韻を踏みたがっている。

メモからの抜粋

これまでのあらすじ:「四つ眼のアラクノー、地獄より帰還!」 宇宙地獄歴0666、銀河大衆雑誌の一面を飾ったアラクノーの帰還は銀河中を騒がせ、スペースデスメタルの始祖復活を祝う儀式が至るところで開かれていた。

 とにかくハチャメチャなものを作りたかった。振り返ると、その意思だけは感じるものでした。


【テクノハザード】

次に出来たヘッダーはいまいちだった。
だが設定だけはそれなりにあったように思える。

メモからの抜粋

「テックが全てを呑み込んだ世界を、一人の騎士が往く。」

・一度文明は崩壊している
・宇宙開拓は進んだが、軌道エレベーターはほぼ停止状態
・文明崩壊が進み過ぎて赤の時代とエルデンリングとKenshiが合体したような状態になっている
・AIがひっそりと文明を築き暮らしている(彼らはスケルトンなどと呼ばれている)
・グリーンスキンと呼ばれる変異した人々がいる。より強く放射能汚染を受けた人々の末裔であり、よりひどいものはゴブリンのようなモンスターに成り果てている。
・ヒューマンはそのままコロニーで暮らし、グリーンスキンやスケルトンを撃退しながら暮らしている
・サイバーゾンビとは、ナノマシンで死体でありながらも駆動し続ける者達の総称。モンスターが多く、エルデンリングのようになってしまったテックの怪物が数多く存在する。

 どうしてここでもサイバーゾンビという単語が出てくるのでしょうか。私はこの単語に拘り過ぎていたようです。


【キラ・キラ・キラ】

これまた【サイバーゾンビ】のヘッダーと似たような構成。
おそらく元の画像を三度使い回すのは拘り過ぎと思い、別の候補を使ったのだと思われる。
だがそのままだと味気ないので、ペイントソフトでグラデーションマップを使用して味付けを行った。

メモからの抜粋

「殺し屋を殺す。殺し屋殺しを殺す」

・ジョン・ウィック的世界観+サイバーパンク
・殺し屋のルール「獣の掟」
・通常の殺し屋は「K(ケー)」または「1K(ワンケー)」、殺し屋殺しは「2K(ツーケー)」、殺し屋殺し専門の殺し屋は「3K(スリーケー)」と呼ばれる。
・裏社会の掟を守ることを絶対とする「K‘s」は殺し屋のランクを「一流」「二流」「三流」で分類している。「超一流」もいる。
・「K‘s」のトップ陣は「王たち/ども」(Kings)と呼ばれる。
・増えすぎた人口により国家は全てを制御できなくなり、法の庇護下から外れた者達を無法者達が助け、対価を要求した。その末に無法者達の間にもルールができ、やがて第二の法治世界が誕生した。
・宇宙植民が始まり、月への移住や第一宇宙アーコロジーなどが存在
・治安が悪すぎる世界で「殺し屋」にルールがあるのはなんかおかしくならないか?
>「殺し」を稼業にすると、ルールが伴う。それに組織が強固ならディストピア的サイバーパンクとして成立しうる。抜け道として「強盗殺人のプロ」として活動しているヤツが出てきたりする。

・主要舞台:ブラッドレッドシティ 血のように赤いネオンが煌めく暗黒電脳犯罪都市

雑記の一部

・殺し屋の家でしか強盗殺人をしないヤツの話:「俺は殺し屋殺ししか殺さん」「いいかよく聞け。コイツは強盗殺人のプロと名乗ってるが、実際は違う。殺し屋の家に強盗に入り、殺し屋を殺してのけるプロだ。ルールの穴を突いてる立派な殺し屋殺しなんだよ」「なら殺す」「早い」

・窃盗のプロ。命を盗む。

・殺人医師。強制臓器提供執行により殺す。

・殺人警察。先制正当防衛により合法的に殺す。

・趣味は轢殺のタクシードライバー。飲酒運転常習者。カーフー(Car-Fu)の使い手。

・殺人大衆メディア。番組の投票で毎日殺す人を決める。

・殺し屋殺しを殺しに行くいつもの日常。

どこかのエピソードの1場面

レキサ:「趣味は轢殺のタクシードライバー。飲酒運転常習者。カーフー(Car-Fu)の使い手。」のアイデアを採用した女性ドライバー。
レキサと喋っている人物:おそらく主人公。

「ハンドル握れば犯罪者! ゴールド免許はちーまみれ!」
「アクセル踏んでぶっ飛ばす! ブレーキ踏んでトドメ刺す!」「アクセル踏んだら人が死ぬ! ブレーキ踏んでも人が死ぬ!」
「もう止まらねえぜえ!」
「止まれ」
「ハイ」

レキサはブレーキを踏み、タクシーをドリフトさせ駐車した。ぴったり駐車スペースに収まっていた。

「料金は10新ドルですね」
「100新ドルやる。これから起こることは誰にも話すな」
「賄賂ですかあ~?」

レキサは満面の笑みを浮かべた。

「喜んで!」

殴り書き

 無造作に死体が転がる血塗れた廊下で、スーツの男がニヤリと口角を上げ、両手で俺にサムズアップを向けた。
 天に突き出された親指はやがて俺に向けられ、男は「バン」と口を動かす。
 「ブギーマン・ザ・サムズアップ」
 俺は男の通り名を噛みしめるように呟いた。
 親指で十人を殺したという伝説を持つ、伝説の殺し屋の一人の名を。

 この【キラキラキラ】はかなり設定を練ったもので、とあるエピソードは4000文字くらい執筆していました。ですが、肝心の物語部分の面白さを信じきれなくなり、END OF MEXICOしたように感じます。

【リターン・オブ・ザ・ブギーマン/ブギーマンの帰還】
4000文字程度執筆したエピソード。

これまでのあらすじ:ブギーマンと呼ばれた殺し屋が裏社会に帰還した。彼は愛する妻を殴り殺し、結婚記念日の妻からのプレゼントの犬を銃殺すると、かつての雇い主だったシンジケートへと殴りこまんとする。裏社会の管理組織「K‘s」は、現役時代は「超一流2K」に該当していたブギーマンによる復讐を危険視し、同じく超一流の殺し屋”血拭き”ダスターを送り込む。彼こそは、殺し屋殺し専門の殺し屋、通称3Kのダスターであった。

明らかにジョン・ウィックのパロディなのである。

 血でべっとりと汚れた親指を舐めとったスーツの男が、リビングの床を見下ろす。
 妻と一緒に掃除したばかりの床には血の池。窓から差し込んだ広告船のネオンの光がぐちゃぐちゃの死体を照らす。

 最愛の妻だった。だから殺した時、凄まじい快感が脳を襲い、満たした。
 男は……ブギーマンの脳は、どうしようもなく殺人を求めていた。

 愛犬が吠える。

 ブギーマンは片手の親指の血を味わうようにしゃぶり、テーブルに置かれたハンドガンを取った。艶消しされた黒いコルトを愛犬に向ける。
 愛犬は鳴いた。銃は吠えた。
 獣の断末魔は耳に響かない。
 薬莢が転がる音がやけに懐かしく、心地よく感じられた。

 「……戻りたい」

 ブギーマンはハンドガンをぐちゃぐちゃの妻の死体に向け、弾が切れるまで撃った。肉が飛び散る度、妻とのセックスを思い出した。

 「組織に戻りたい」

 家のインターフォンが鳴る。

 ブギーマンはリロードし、玄関へ向かう。ハンドガンを持つ手は後ろに回した。
 扉を開けると、警官のジミーがへらへらと笑っていた。

 「騒音の苦情だぜ」
 「今回は派手にやった」
 「また飽きたのかよ。次はもっと違う女にしようか?」

 ジミーが卑猥なサインを向ける。

 「いや、良い」
 「そう言うなって! ラテン系の女を調整する。まだ褐色のおっぱいは味わったことねえだろ?」
 「そうじゃない」

 ブギーマンは唇に残る血を舐めとった。

 「組織に戻りたいんだ」
 「あ?」

 ジミーが素っ頓狂な声を上げた。
 ブギーマンは後ろ手に回していたハンドガンを見せ、舐めた。

 「足を洗ってもう一年経ったが、未だに普通の暮らしに慣れない。俺の脳はやっぱり殺人を求めてる。セックスだとかおっぱいだとかどうでも良い」
 「オイ、マジで言ってんのか? 足を洗いたいって言ったのはアンタなんだぜ?」
 「知るか」

 ブギーマンはジミーを撃った。
 ジミーは声を上げる間もなく額に風穴を開けて倒れる。
 ブギーマンの脳を僅かな殺しの快楽が満たした。だが足りない。
 もっとド派手なことをしなければ、満たされそうになかった。

 ブギーマンは外へ出て、深呼吸した。
 遠くに赤い摩天楼が見える。ブラッドレッドシティだ。
 クソ田舎での優雅な暮らしでは味わえない殺しと殺しと殺しで満ちている暗黒電脳犯罪都市。犯罪組織が互いのシノギを削り合う犯罪の戦場。
 あそここそが魂の故郷だ。

 ブギーマンはガレージに向かい、壁をハンマーで叩き壊す。
 壊れた壁の向こう側には、軍隊もびっくりな武器庫が広がっていた。
 彼は愛車に銃器をみっちりと詰めると、愛車に乗り、走らせた。
 目的地はブラッドレッドシティ。
 そこにアジトを置く元所属のマフィア”チヴィラーニ・ファミリー”を殲滅し、殺しの快楽を得る。

 きっと心地よいだろう。ブギーマンはアクセルを踏み込み、車を加速させた。

 ◆

 ブラッドレッドシティ。
 犯罪絶えぬこの赤く染まった暗黒電脳犯罪都市では、様々な犯罪組織が互いにシノギを削り合っている。
 ストリートをたむろするヤクの売人から政界の重役までもが犯罪組織の後ろ盾を得られなけば生きられぬこの街では、殺しは日常茶飯事だ。

 だが暗黒社会にもルールが存在した。
 ルールを破る者を裁く「K`s」と呼ばれる組織は、ブラッドレッドシティを常に監視している。
 そして今日も、一人の違反者を捉えた。

 「ブギーマンだ」

 貸し切り状態のダイナーのボックス席で、一人のスーツの男がテーブルにチップを投げた。
 窓から差し込む赤いネオンで照らされたチップに、鋼鉄の手が伸びる。
 チップを取ったのは髑髏面のフルヘルムを被った男であった。
 彼はチップを自身の首筋にあるチップスロットに挿しこむ。彼の視界に情報が広がる。

 「ブギーマンが帰ってきた」
 「これを見れば分かる」

 髑髏面の男は目を指差した。

 「いつも通りゴミを拭き取れば良いんだろ」
 「待て、ダスター。そんなシンプルな話じゃない」

 スーツの男が両手を上げた。
 髑髏面の男……ダスターが肩をすくめ、チップを抜いた。

 「シンプルな話だ。いつもの仕事の敵が、『親指で十人を殺した』っていう伝説を持ってるくらいのヤツなだけだ」
 「簡単だとでも言わんばかりじゃないか」
 「んなワケあるか」

 ダスターは懐から煙草の箱を取り出し、一本抜き取った。
 彼が煙草をスーツの男に差し出すと、スーツの男はその煙草に火を点けた。
 ダスターは髑髏面のスリットに煙草を挿しこむ。

 「シンプルさとハードさは両立する。めちゃくちゃハードな仕事ほど話はシンプルだったりするもんだ」

 スーツの男は溜息を吐く。

 「わかった、わかった。確かにシンプルな話だ。チヴィラーニ・ファミリーがおっ死ぬ前に、ブギーマンを殺す。ヤツの場所は不明。探し出して……」
 「殺す」

 ダスターが立ち上がった。

 「後の手続きはいつも通りにしてくれ」

 そう言うとダスターはボックス席の灰皿に煙草を押し付け、チップをスーツの男に投げ寄越した。
 スーツの男はそれを受け取り、曖昧な表情を浮かべた。
 ダスターは背中を向け、ダイナーの出入口に向かう。

 「やれると思うか?」

 後ろからスーツの男の声が聞こえた。
 ダスターは立ち止まらず、振り返らず、ただ「ああ」と答えた。

 ◆

 雨が降っていた。
 ブラッドレッドシティに降り注ぐ雨は赤いネオンによって照らされ、まるで空から血が降り注ぐような光景が広がっている。
 行き交う車が水溜まりに突入すれば、歩道に血がぶちまけられたように水が飛ぶ。そして、運悪くそれを浴びた虹色レインコートのパンク女がいた。

 「クソ運転手が……」

 女は呟くと、通り過ぎた車に向けて中指を突き立てる。
 その中指は鋼鉄でできていた。手には指抜きグローブをはめている。
 彼女は両手で顔を拭った。鼻や口には痛々しいピアスが付けられ、日常の些細な出来事に怒りを燃やす目はハートマークの浮かぶ義眼になっていた。

 「よお姉ちゃん、運が悪かったな。ラッキー足りてねえんじゃねえの?」

 虹色レインコートパンク女が声の方を向けば、そこにテックストリートファッションのチンピラ達がいた。彼らの手にはバットや鉄パイプ、そしてサタデーナイトスペシャル。
 典型的なストリートギャングだった。 

 「俺らとラッキーなことしね?」
 「胸はラッキーみたいじゃん?」
 「顔もラッキーだよね」
 「ハッピーでラッキーになれるよ?」

 パンク女は中指を突き立てた。
 チンピラ達がどよめく。

 「失せな。テメェらみてえなウルセェー野郎どもとはヤらねえって決めてんだよ」
 「ひどくない? ラッキーじゃなくない?」

 チンピラ達がパンク女を囲む。
 一人のチンピラが鉄パイプを振りかぶった。
 パンク女はそれよりも素早く懐からハンドガンを抜き、撃った。
 鉄パイプが転がる音が響いた。

 「え?」
 「ら、らっきー……?」

 パンク女は一撃で鉄パイプチンピラが死んだことを一目で確認すると、残るチンピラ達の額を流れ作業のように撃ち抜いた。
 全て一撃だった。チンピラ達が次々に水たまりに崩れる音が響く。
 もうチンピラ達は音を立てなかった。

 パンク女はペッと唾をチンピラの一人に吐くと、ハンドガンをリロードする。そして、ぴちゃっ、ぴちゃっと水たまりを踏みしめながら、近づいてくる足音を聞いた。
 彼女がそちらを向くと、ビジネススーツに身を包んだ男がいた。
 男の顔はバイザーも何もない黒塗りの無貌のフルヘルムによって隠されている。只者ではなかった。

 「テメェ、ンだよ。通報する気か? アン?」

 ぴちゃっ、ぴちゃっと水たまりを踏みしめながら、フルヘルム男は近づき、そして止まった。
 プロの殺し屋であればハンドガンでもまず外さない距離だった。そして、パンク女はプロの殺し屋だった。

 「メタルフィンガー、か」

 フルヘルム男が呟く。
 それはパンク女の、殺し屋としての名だった。
 彼女はハンドガンを両手で構え、フルヘルム男に向ける。

 「ンで、それがどうかしたか? 通報すっか? K‘sのルールには触れてねえ殺しだぜ、今のは」
 「お前が通報した方が良い」
 「アン?」

 フルヘルム男は両手でメタルフィンガーにサムズアップした。
 そして突き立てた親指を、彼女に向ける。

 「今から俺がルールに触れる」
 「ぶぎっ!?」

 刹那、フルヘルム男はメタルフィンガーの傍にまで近づき、顎にアッパーカット。彼女は最後まで言い終わることなく拳を食らい、よろけた。
 だが彼女はすぐ体勢を立て直し、撃った。
 だがそこにフルヘルム男はいなかった。

 「その通り、ブギーマンだ」

 彼女の背後から声が聞こえた。
 メタルフィンガーは背後に向けてハンドガンを乱射し、回し蹴り。
 だが苦悶の声も手応えもない。
 瞬間、衝撃。
 彼女の側頭部に何かが命中し、よろける。虚ろな視界で、フルヘルム男……ブギーマンが、次の蹴りを繰り出すのが見えた。彼女は手をかざした。手を突き破り、蹴りは彼女の顔面を捉えた。

 「んがあっ!」

 思わず地面に倒れこみ、ハンドガンの引き金を引く。
 カチッカチッ。

 「弾切れだ」

 ブギーマンの声。
 彼女はハンドガンをブギーマンの方へ投げつけた。
 ブギーマンはそれをキャッチし、スーツからマガジンを取り出し、リロードした。

 「く、そ……テメェ……」
 「事前に予習した。どんな銃を使っているのかも」

 ブギーマンは淡々とメタルフィンガーの両脚と両腕に銃弾を撃ち込んだ。

 「んあああっ……!」
 「弱いな。これで二流か? 四流だろう」

 ブギーマンはメタルフィンガーのもとで屈みこむと、彼女の豊満な胸を鷲掴みにした。

 「く、そやろ……!」
 「ダメだ。良い胸を触ってから殺した方が背徳感があるかと思ったが、赤の他人では何の感情もない」

 ブギーマンは数度メタルフィンガーの胸を揉んだ後、彼女の額に銃口を向けた。

 「最後に言い残す言葉はあるか?」
 「じ、ごくに落ちろ……ファック野郎……!」
 「じゃあファックしてから殺すか」

 ブギーマンは彼女を軽々と持ち上げ、路地裏に連れ込んだ。
 雨が降る中、路地裏で銃声が響いた。

 ◆

 ジミーまで名前が一緒なのは流石にどうかと思う。

□ その他、雑に生成したコンセプトアート

 【キラキラキラ】の執筆を最後に、こうしたコンセプトアートを作ってもらったりするのはやめ、自分で絵を描くことなどに情熱を注ぎ始めました。

 ですが、Midjurneyが「Nijijourney」を発表し、遂に「Nijijourney v5」が使えるようになった時、またこうしたコンセプトアートを作り始めるようになりました。


■ シン・スカムノベルズ

 架空のレーベルのアカウントを作り、そこに投稿しようとしていた上の【キラキラキラ】などとは変わって、こちらにあるのは自分のnoteアカウント(つまりこの「T1000G」というアカウント)に投稿しようとした小説のコンセプトアートです。

 アニメ的・漫画的なAIアートを作ってくれるため、私はとても興奮しながらコンセプトアートを作ってもらっていました。

□ 雰囲気の作成

刀を持った女性。
旧スカムノベルズの雰囲気を残しつつ、何とかアニメ的・漫画的なAIアートを作れないものかと考えていた。
Ver.2
ロボとカタナは最高だ!
Ver.2

□ 実際の作品用のヘッダー

【ディザイアス】

生意気そうなショタ。
グラデーションマップを使用し、ヘッダーの色味の統一を図ろうとしていた。

メモからの抜粋

■ 主人公”ウェザー”
・緋色の稲妻を操る少年。
・激闘の渇望者《ディザイアス》。
・自らの内に眠る感情の変化を恐れている。
>感情のブレで間違った行いをした。一貫性を捨てるなど惰弱。一貫性を保つことこそが唯一の救いである、と説かれている。
>>”普通の暮らし”というものに憧れている。
>戦えば全てを忘れられるから
ネガティブを潰すのはポジティブではない、没頭だ

絶望的な状況に立たされた時: 「クソ、これしかできねえってのに……」
>何故”これ”しかできないのか >>戦いのみに没頭し、本質を見失いつつあったから >彼の本質、本来救うべきものとは何か >>彼の心、普通の暮らしを求める心、適度に所属欲求を満たし、適度に愛を育み、老いて死ぬ
>>>世界観に現代的な価値観が必要。故に世界観は架空の現代にする

感情についてのメモが増えた。
生意気そうなショタ。

 【ディザイアス】のコンセプトアートは、私自身の雑な下絵をベースにNijijourneyに描かせています。これはMidjurney(Nijijourney)がimg2imgを使用できることを知ったため、雑な下絵を描いてNijijourneyの方向性を定めてやり、「画力はあるがどこかで見たようなイラストになってしまう」ということからの脱却を図ろうとしたからです。

生意気そうなショタ by T1000G
生意気そうなショタ by Nijijourney
でけえお姉さん
超でけえお姉さん
AIに読み込ませることを前提にしてしまったため、適当過ぎる絵に
雑過ぎてAIアートにも雑な線が現れ始める


【ガンズ・オブ・ソロウ】

サイバーパンク西部劇(サイバーウエスタン)という昔から考えていたアイデアを具体化しようとしたもの。
ガンズ・オブ・ソロウからは再びAIだけに作らせている。

メモからの抜粋

遅撃ちビリー
ジョニー・ザ・アダルト
現代風にアレンジされた西部劇のガンマンめいた出で立ち
早撃ちの申し子、射撃の天才などと若い頃にもてはやされ、ろくな練習もせずにそのままを過ごした。結果、何の努力もしたことがない、落ちこぼれが生まれた。
闇稼業で食いつないでいる
ドラッグ中毒者
ボロボロの三十路で、正義のガンマンよりは悪党のガンマンのような風貌をしている
「俺は結局楽な方楽な方に流されちまった」
「その結果がこのゴミ溜めさ」

ジョニー・ザ・アダルトという主人公を軸に展開する群像劇……をイメージしていたと思われる。

Ⅰ 【ジョニー・ザ・”アダルト”】:かつて天才的なガンスリンガーとして名を馳せていた元一流の殺し屋。現在はドラッグ中毒による手の震え、機械化による後遺症、超能力の蔓延、そして鍛錬不足により、かつての輝かしい姿を見ることはできない。

「初めから上手くできるやつはいねえ。いねえから、調子に乗っちまった。何もしなくても祀り上げられるから、何もしなくなった」//「俺は安っぽいセリフを吐くために銃を撃ってんじゃねえ」

【ガンズ・オブ・ソロウ】のコンセプトアートは、ライトノベルなどの表紙をイメージした。

Ⅱ 【ウルトラⅧ】:軍事超能力研究機関によって開発された、自律生体型超大口径拳銃。拳銃のみで弾薬のバイオマス生産に成功した初めての個体であり、使用者さえいれば半永久的な破壊銃撃が可能。どうせならおいしいものを食べて弾薬を生産したいと考えている。

「私はウルトラⅧ。正確にはウルテック製自律生体型超大口径拳銃第八号。貴方に鉄板肉厚ビーフステーキのライススープサラダセットを要求したい。……ライスは特盛で」//「私を使うことを恐れないで」

白に黄金は映える。

Ⅲ 【エル・ドラド】:銃を分身させるという非現実的で超常的な力で数多の敵を葬ってきた超一流のガンスリンガー。この世をゲームか何かだと思っており、金、女、ストーリーを欲する。

「クリティカルヒットは偶然ではない。必然だ」//「私は運を買っている。徳という徳を積み立ててね」

軍人お姉さん良いよね。

Ⅳ 【オートマ・プライマリー】:大陸連邦保安軍の第13機甲化中隊を率いる女性大尉。そのボディラインは艶やかな曲線を描いているが、中身は生粋のサイボーグであり、大口径の銃弾であってもものともしない。その機械化された肉体で、超大型のオートマチック拳銃を用いる。三大欲求を満たすことを「補給」と称し、定期的な補給を欠かさない軍人の鑑。

「あーらま、こんな脆弱なものを使って大丈夫なのかしら?」//「うふふ……貴方の、小さすぎ」

テンガロンハットビキニパツキンネーチャンは鉄板。

Ⅴ 【ウェンディ・ビッグハート】:大陸連邦保安軍傘下の保安官(シェリフ)の一人。物質を巨大化させる超能力を持ち、全てを伝説のアメリカンサイズにリサイズすることができる。ボアハンターと呼ばれる大口径ライフルを主に、大口径の銃を好んで使う。

「唱えな。デカければデカいほど良い」//「oh……流石にそれはデカすぎ」

顔の良い男を作ってもらおうとした。

Ⅵ 【紅酔(ホンスイ)】:カンフーの達人にしてガンスリンガー。ドラッグをキメながら戦うカンフー「狂酔拳」を主に習得しており、予測不能かつ複雑怪奇な挙動と言動で相手を惑わせ、意識をはっきりとさせる地味ながら強力な超能力で目覚め、一気に叩く。

「うぃ~ひひ~、敵さん増えらろ~~?」//「そこだ! 死ねえ!」

何故か西部劇に日本系のデザインが登場し始める。

Ⅶ 【兵天狗(ひょうてんぐ)】:下界に追放された弱小女天狗にして、生粋のガンスリンガー。風(空)を操り、自身が飛行するように弾丸の軌道を自在にコントロールする。自然の威厳を借り、文明を好み、雀の涙ほどの銭を払うことを躊躇う。

「我は兵天狗。かの日出国より来訪した、神に連なる自然の使者也!」//「たった一本の飴にカネを払わせるつもりか? 我は兵天狗! 端金に頓着しない女!」

そして吹っ切れ、更に好きを詰め込み始める。

Ⅷ 【鬼門(きもん)】:凶悪な鬼(般若)の御面を被る、任侠団体”獄牢組”の始末人にして唯一の生き残り。伝説のイタコ芸”極導入(オヤブンインストール)”により、代々御面を継いできた伝説的な極道達の能力をコピーすることができる。

「俺の……アー、4つくらい昔の祖先がお前の祖先に殺されたかもしれない。因縁アリ、だな」//「復讐するべき相手、ここにアリ……で良いだろ。極導入(オヤブンインストール)!」

 【ガンズ・オブ・ソロウ】では、キャラクター作成欲を存分にぶちまけました。ほとんど最後のコンセプトアートということもあって、それなりに良い感じのものを作れたと思います。

■ その他コンセプトアート

■ おわり

 見返すと、物語そのものを執筆できなかったとはいえ、AIでヘッダーなどを作ることを結構楽しんでいたように思います。私はこれから別のことに専念しなければならないため、この先の「作品を作る」というステージに上がりにくくなってしまいましたが、またいずれヘッダーを作ったり、その先の作品を作ってできたものを公開する、というところまで行きたいと思っています。

 この記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

■ 履歴

2023/05/08 公開


踊って喜びます。ドネートは私の生活や他のクリエイター様のサポートなどに使わさせて頂きます。