【小説備忘録】AIに作ってもらったコンセプトアートをざっと並べてみた
この記事は、私がAI(特にMidjourney/Nijijourney)に作ってもらったコンセプトアートを、自分の考えたアイデアや雑記と一緒にまとめたものです。
結局小説本編の執筆は進まず公開には至りませんでしたが、この記事を見てくださっている方々に少しでも刺激を与えられたらいいな、という思いのもと公開します。
また、この記事は個人のアーカイブとしての役割も兼ねています。
■ スカムノベルズ
私はAIアートを使った小説作品群を【スカムノベルズ】という架空のレーベルの作品として公開しようとしました。その頃は【Hotline miami】であったり、TRPG仲間の作ったサイケデリックなAIアートに感化されていたため、そうしたものに似せたものが多いです。
この頃はまだ(というよりは全体を通して)「一つの作品を作る」という意識がなかったため、そのコンセプトアートだけで完結しているようなものや、「雰囲気は良いけどこれは何?」というものがたくさんあります。私自身も、これを通して作品を作るぞ! というよりは「AIアート生成楽しい~」となっていました。
ここではいくつかのセクションに分けて、AIに作ってもらったコンセプトアートを掲載していきます。
□ アイコンの作成
□ 方向性や雰囲気が分かるものの作成
□ 実際の作品用のヘッダー
このセクションでは、Midjurney v4(この時はV4がMidjourneyの最先端だった)に生成してもらったものを使って、実際に作品のヘッダーを作ったものを掲載します。
【サイバーゾンビ】
思い返せばヘッダーを作ること自体を楽しんでいたため、設定などをあまり作りこんでいません。当時は「なんでこんな良いヘッダーがあるのに、自分は何も作れないんだ」となっていましたが、そもそも別の楽しいことを考えていたのだから当然の結果です。
【コズミックアウトロー】
とにかくハチャメチャなものを作りたかった。振り返ると、その意思だけは感じるものでした。
【テクノハザード】
どうしてここでもサイバーゾンビという単語が出てくるのでしょうか。私はこの単語に拘り過ぎていたようです。
【キラ・キラ・キラ】
この【キラキラキラ】はかなり設定を練ったもので、とあるエピソードは4000文字くらい執筆していました。ですが、肝心の物語部分の面白さを信じきれなくなり、END OF MEXICOしたように感じます。
血でべっとりと汚れた親指を舐めとったスーツの男が、リビングの床を見下ろす。
妻と一緒に掃除したばかりの床には血の池。窓から差し込んだ広告船のネオンの光がぐちゃぐちゃの死体を照らす。
最愛の妻だった。だから殺した時、凄まじい快感が脳を襲い、満たした。
男は……ブギーマンの脳は、どうしようもなく殺人を求めていた。
愛犬が吠える。
ブギーマンは片手の親指の血を味わうようにしゃぶり、テーブルに置かれたハンドガンを取った。艶消しされた黒いコルトを愛犬に向ける。
愛犬は鳴いた。銃は吠えた。
獣の断末魔は耳に響かない。
薬莢が転がる音がやけに懐かしく、心地よく感じられた。
「……戻りたい」
ブギーマンはハンドガンをぐちゃぐちゃの妻の死体に向け、弾が切れるまで撃った。肉が飛び散る度、妻とのセックスを思い出した。
「組織に戻りたい」
家のインターフォンが鳴る。
ブギーマンはリロードし、玄関へ向かう。ハンドガンを持つ手は後ろに回した。
扉を開けると、警官のジミーがへらへらと笑っていた。
「騒音の苦情だぜ」
「今回は派手にやった」
「また飽きたのかよ。次はもっと違う女にしようか?」
ジミーが卑猥なサインを向ける。
「いや、良い」
「そう言うなって! ラテン系の女を調整する。まだ褐色のおっぱいは味わったことねえだろ?」
「そうじゃない」
ブギーマンは唇に残る血を舐めとった。
「組織に戻りたいんだ」
「あ?」
ジミーが素っ頓狂な声を上げた。
ブギーマンは後ろ手に回していたハンドガンを見せ、舐めた。
「足を洗ってもう一年経ったが、未だに普通の暮らしに慣れない。俺の脳はやっぱり殺人を求めてる。セックスだとかおっぱいだとかどうでも良い」
「オイ、マジで言ってんのか? 足を洗いたいって言ったのはアンタなんだぜ?」
「知るか」
ブギーマンはジミーを撃った。
ジミーは声を上げる間もなく額に風穴を開けて倒れる。
ブギーマンの脳を僅かな殺しの快楽が満たした。だが足りない。
もっとド派手なことをしなければ、満たされそうになかった。
ブギーマンは外へ出て、深呼吸した。
遠くに赤い摩天楼が見える。ブラッドレッドシティだ。
クソ田舎での優雅な暮らしでは味わえない殺しと殺しと殺しで満ちている暗黒電脳犯罪都市。犯罪組織が互いのシノギを削り合う犯罪の戦場。
あそここそが魂の故郷だ。
ブギーマンはガレージに向かい、壁をハンマーで叩き壊す。
壊れた壁の向こう側には、軍隊もびっくりな武器庫が広がっていた。
彼は愛車に銃器をみっちりと詰めると、愛車に乗り、走らせた。
目的地はブラッドレッドシティ。
そこにアジトを置く元所属のマフィア”チヴィラーニ・ファミリー”を殲滅し、殺しの快楽を得る。
きっと心地よいだろう。ブギーマンはアクセルを踏み込み、車を加速させた。
◆
ブラッドレッドシティ。
犯罪絶えぬこの赤く染まった暗黒電脳犯罪都市では、様々な犯罪組織が互いにシノギを削り合っている。
ストリートをたむろするヤクの売人から政界の重役までもが犯罪組織の後ろ盾を得られなけば生きられぬこの街では、殺しは日常茶飯事だ。
だが暗黒社会にもルールが存在した。
ルールを破る者を裁く「K`s」と呼ばれる組織は、ブラッドレッドシティを常に監視している。
そして今日も、一人の違反者を捉えた。
「ブギーマンだ」
貸し切り状態のダイナーのボックス席で、一人のスーツの男がテーブルにチップを投げた。
窓から差し込む赤いネオンで照らされたチップに、鋼鉄の手が伸びる。
チップを取ったのは髑髏面のフルヘルムを被った男であった。
彼はチップを自身の首筋にあるチップスロットに挿しこむ。彼の視界に情報が広がる。
「ブギーマンが帰ってきた」
「これを見れば分かる」
髑髏面の男は目を指差した。
「いつも通りゴミを拭き取れば良いんだろ」
「待て、ダスター。そんなシンプルな話じゃない」
スーツの男が両手を上げた。
髑髏面の男……ダスターが肩をすくめ、チップを抜いた。
「シンプルな話だ。いつもの仕事の敵が、『親指で十人を殺した』っていう伝説を持ってるくらいのヤツなだけだ」
「簡単だとでも言わんばかりじゃないか」
「んなワケあるか」
ダスターは懐から煙草の箱を取り出し、一本抜き取った。
彼が煙草をスーツの男に差し出すと、スーツの男はその煙草に火を点けた。
ダスターは髑髏面のスリットに煙草を挿しこむ。
「シンプルさとハードさは両立する。めちゃくちゃハードな仕事ほど話はシンプルだったりするもんだ」
スーツの男は溜息を吐く。
「わかった、わかった。確かにシンプルな話だ。チヴィラーニ・ファミリーがおっ死ぬ前に、ブギーマンを殺す。ヤツの場所は不明。探し出して……」
「殺す」
ダスターが立ち上がった。
「後の手続きはいつも通りにしてくれ」
そう言うとダスターはボックス席の灰皿に煙草を押し付け、チップをスーツの男に投げ寄越した。
スーツの男はそれを受け取り、曖昧な表情を浮かべた。
ダスターは背中を向け、ダイナーの出入口に向かう。
「やれると思うか?」
後ろからスーツの男の声が聞こえた。
ダスターは立ち止まらず、振り返らず、ただ「ああ」と答えた。
◆
雨が降っていた。
ブラッドレッドシティに降り注ぐ雨は赤いネオンによって照らされ、まるで空から血が降り注ぐような光景が広がっている。
行き交う車が水溜まりに突入すれば、歩道に血がぶちまけられたように水が飛ぶ。そして、運悪くそれを浴びた虹色レインコートのパンク女がいた。
「クソ運転手が……」
女は呟くと、通り過ぎた車に向けて中指を突き立てる。
その中指は鋼鉄でできていた。手には指抜きグローブをはめている。
彼女は両手で顔を拭った。鼻や口には痛々しいピアスが付けられ、日常の些細な出来事に怒りを燃やす目はハートマークの浮かぶ義眼になっていた。
「よお姉ちゃん、運が悪かったな。ラッキー足りてねえんじゃねえの?」
虹色レインコートパンク女が声の方を向けば、そこにテックストリートファッションのチンピラ達がいた。彼らの手にはバットや鉄パイプ、そしてサタデーナイトスペシャル。
典型的なストリートギャングだった。
「俺らとラッキーなことしね?」
「胸はラッキーみたいじゃん?」
「顔もラッキーだよね」
「ハッピーでラッキーになれるよ?」
パンク女は中指を突き立てた。
チンピラ達がどよめく。
「失せな。テメェらみてえなウルセェー野郎どもとはヤらねえって決めてんだよ」
「ひどくない? ラッキーじゃなくない?」
チンピラ達がパンク女を囲む。
一人のチンピラが鉄パイプを振りかぶった。
パンク女はそれよりも素早く懐からハンドガンを抜き、撃った。
鉄パイプが転がる音が響いた。
「え?」
「ら、らっきー……?」
パンク女は一撃で鉄パイプチンピラが死んだことを一目で確認すると、残るチンピラ達の額を流れ作業のように撃ち抜いた。
全て一撃だった。チンピラ達が次々に水たまりに崩れる音が響く。
もうチンピラ達は音を立てなかった。
パンク女はペッと唾をチンピラの一人に吐くと、ハンドガンをリロードする。そして、ぴちゃっ、ぴちゃっと水たまりを踏みしめながら、近づいてくる足音を聞いた。
彼女がそちらを向くと、ビジネススーツに身を包んだ男がいた。
男の顔はバイザーも何もない黒塗りの無貌のフルヘルムによって隠されている。只者ではなかった。
「テメェ、ンだよ。通報する気か? アン?」
ぴちゃっ、ぴちゃっと水たまりを踏みしめながら、フルヘルム男は近づき、そして止まった。
プロの殺し屋であればハンドガンでもまず外さない距離だった。そして、パンク女はプロの殺し屋だった。
「メタルフィンガー、か」
フルヘルム男が呟く。
それはパンク女の、殺し屋としての名だった。
彼女はハンドガンを両手で構え、フルヘルム男に向ける。
「ンで、それがどうかしたか? 通報すっか? K‘sのルールには触れてねえ殺しだぜ、今のは」
「お前が通報した方が良い」
「アン?」
フルヘルム男は両手でメタルフィンガーにサムズアップした。
そして突き立てた親指を、彼女に向ける。
「今から俺がルールに触れる」
「ぶぎっ!?」
刹那、フルヘルム男はメタルフィンガーの傍にまで近づき、顎にアッパーカット。彼女は最後まで言い終わることなく拳を食らい、よろけた。
だが彼女はすぐ体勢を立て直し、撃った。
だがそこにフルヘルム男はいなかった。
「その通り、ブギーマンだ」
彼女の背後から声が聞こえた。
メタルフィンガーは背後に向けてハンドガンを乱射し、回し蹴り。
だが苦悶の声も手応えもない。
瞬間、衝撃。
彼女の側頭部に何かが命中し、よろける。虚ろな視界で、フルヘルム男……ブギーマンが、次の蹴りを繰り出すのが見えた。彼女は手をかざした。手を突き破り、蹴りは彼女の顔面を捉えた。
「んがあっ!」
思わず地面に倒れこみ、ハンドガンの引き金を引く。
カチッカチッ。
「弾切れだ」
ブギーマンの声。
彼女はハンドガンをブギーマンの方へ投げつけた。
ブギーマンはそれをキャッチし、スーツからマガジンを取り出し、リロードした。
「く、そ……テメェ……」
「事前に予習した。どんな銃を使っているのかも」
ブギーマンは淡々とメタルフィンガーの両脚と両腕に銃弾を撃ち込んだ。
「んあああっ……!」
「弱いな。これで二流か? 四流だろう」
ブギーマンはメタルフィンガーのもとで屈みこむと、彼女の豊満な胸を鷲掴みにした。
「く、そやろ……!」
「ダメだ。良い胸を触ってから殺した方が背徳感があるかと思ったが、赤の他人では何の感情もない」
ブギーマンは数度メタルフィンガーの胸を揉んだ後、彼女の額に銃口を向けた。
「最後に言い残す言葉はあるか?」
「じ、ごくに落ちろ……ファック野郎……!」
「じゃあファックしてから殺すか」
ブギーマンは彼女を軽々と持ち上げ、路地裏に連れ込んだ。
雨が降る中、路地裏で銃声が響いた。
◆
ジミーまで名前が一緒なのは流石にどうかと思う。
□ その他、雑に生成したコンセプトアート
【キラキラキラ】の執筆を最後に、こうしたコンセプトアートを作ってもらったりするのはやめ、自分で絵を描くことなどに情熱を注ぎ始めました。
ですが、Midjurneyが「Nijijourney」を発表し、遂に「Nijijourney v5」が使えるようになった時、またこうしたコンセプトアートを作り始めるようになりました。
■ シン・スカムノベルズ
架空のレーベルのアカウントを作り、そこに投稿しようとしていた上の【キラキラキラ】などとは変わって、こちらにあるのは自分のnoteアカウント(つまりこの「T1000G」というアカウント)に投稿しようとした小説のコンセプトアートです。
アニメ的・漫画的なAIアートを作ってくれるため、私はとても興奮しながらコンセプトアートを作ってもらっていました。
□ 雰囲気の作成
□ 実際の作品用のヘッダー
【ディザイアス】
【ディザイアス】のコンセプトアートは、私自身の雑な下絵をベースにNijijourneyに描かせています。これはMidjurney(Nijijourney)がimg2imgを使用できることを知ったため、雑な下絵を描いてNijijourneyの方向性を定めてやり、「画力はあるがどこかで見たようなイラストになってしまう」ということからの脱却を図ろうとしたからです。
【ガンズ・オブ・ソロウ】
【ガンズ・オブ・ソロウ】では、キャラクター作成欲を存分にぶちまけました。ほとんど最後のコンセプトアートということもあって、それなりに良い感じのものを作れたと思います。
■ その他コンセプトアート
■ おわり
見返すと、物語そのものを執筆できなかったとはいえ、AIでヘッダーなどを作ることを結構楽しんでいたように思います。私はこれから別のことに専念しなければならないため、この先の「作品を作る」というステージに上がりにくくなってしまいましたが、またいずれヘッダーを作ったり、その先の作品を作ってできたものを公開する、というところまで行きたいと思っています。
この記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
■ 履歴
2023/05/08 公開
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