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音楽の力と力の使い方。

音楽の力で人を動かした実例を目撃したのでその話を書きます。

まず、基本的に僕は音楽に対して好みはあっても優劣は無いと思っています。
誤解の無いように言っておくと、スキルに優劣はある。
そして、流行り廃りは当然あると思うし、相対的に音楽を見る事もありますが、音楽そのものに優劣は無いと言う考え。

先日、散歩中にテラスダイニング型のお店を見かけた。
肉料理が中心でそこそこのお値段のダイニングバー。
大き目の公園に隣接した商業区域にあるので人通りも安定してあり、学生からファミリー、ビジネスマンまで様々な人が行き交う場所である。

夕方だったので僕はただぼーっと公園でスターバックスで買ったコーヒーを飲んでいたわけだが、そのダイニングバーから音楽が流れ始めた。
結構な音量で流しているのでちょっと離れた場所でも何の曲かはっきり解るレベル。
アーティスト名などは割愛するが2000年に流行した邦楽が流れていた。
僕は思った。
「ああ、なるほど。若い人や年配では無く30代後半~40代を狙ったお店なのだな」と。
しばらく時間が過ぎて僕がその場所を去る頃には飲食店のゴールデンタイムのど真ん中。
ダイニングバーを見てみると客は2組だった。まあ、景気が良いわけでも無いし、この価格帯だとそんなものかもねと腑に落ちない事もなかったのだが、漠然と違和感を感じてその場を離れた。

別の日の同じ時間にその場所を訪れたのだが、お店は既に満席だった。
前回の訪問と1つだけ違う点はBGMが変わっていた事だ。

前回は2000年に流行った曲、アーティストをずっと流していたのに対して今日はずっとOne Directionが流れていた。
どうしてBGMを変更したのかは解らないし、たまたまかも知れないが満席。傍から見てもとても景気が良さそうだ。

それどころか公園側に居る若い女の子も音楽に合わせてノリノリである。
前回はそのような事は無く閑散とした空気感が漂っていた。

「音楽の力」と言うのはまさにこれだよなと思ったのだ。
邦楽が悪いわけでは無いし、2000年もOne Directionだって2019年6月の現時点ではちょっと古い。Carly Rae JepsenもCharli XCXもVampire Weekendも流れていないのだから、音楽の種類や新しさが問題では無いのだろう。
ただ、そのように設計さた音楽の部類ではなかったのだ。

少なくとも僕には“あの場”にOne Directionと言う選択が理にかなったものであり、人々がそれに反応するのはとても自然な事に思えた。
そして音楽によって“お店のBGM”と言う枠を飛び越え、そのダイニングバーさえも風景、雰囲気の1つ、音の届く範囲全てを楽しい空間に変えてしまう力こそ「音楽の力」なのである。

個人個人が音楽をポジティブに感じる事で変えられる事も数多くあるのでは無いだろうか。


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