お友だちだと思ってたのに!!

 わたしの住んでいるアパート一帯をテリトリーにしているカラスがいます。名前はチョビです。背中がちょびっとハゲているので、勝手に名前を付けました。チョビとの付き合いは、3年ほどになります。最初は同じカラスだと気付かなかったのですけれど、何度も見るうちに同じヤツだと気付いた。

 チョビは目つきがわるくて、生意気な顔をしています。アパートのゴミ置き場を漁るので大迷惑です。そして人が近づいても平気な顔をしています。さわれるほど近づくとやっとめんどくさそうに飛んで、近くの電線から人間を見下ろします。

 ゴミを突ついているチョビに会うたびにわたしは「ゴミをつつかないでねぇ~!」そう言っていました。その時はやめるのですけれど、わたしが離れるとすぐ突つく。気持ちはわかるけどさぁ、ゴミが散らかるからやめて! アパートの管理会社もゴミが散らかるのを阻止しようと、周囲にネットを張ってくれました。おかげで集積所の被害はなくなった。

 それから時々チョビを見かけましたけれど、いつも忙しそうでした。大きなトンビをテリトリーから追い出すため空中戦を繰り広げたり、雨上がりの水たまりでお風呂に入ったり。会えばわたしは手を上げて「よう!」と挨拶するのですけれど、チョビは睨み返すだけです。

 ある日、チョビに仲間ができました! 名前はミニーです(^▽^)/ 初めて見た頃はサイズが小さかった。それによく見ると羽が生えそろってなかったので、成鳥になる直前だと思います。ミニーはチョビの子どもなのか恋人なのか友達なのか? どういう関係なのかわかりませんけれど、チョビがミニーの面倒をみている感じでした。道に落ちているエサをミニーが食べるのを見守っていたり、他のアパートのゴミでゴミ袋のつつき方の練習をしたり。(←チョビがお手本を見せていた)いつも二羽はいっしょにいました。

チョビのおかげかミニーはすくすく育ち、チョビより大きくなりました(笑)。もうミニーじゃないわ。ww 大きいから大ちゃんだわ。ww
大ちゃんはいつもボーっとしていました。チョビが目ざとくエサを見つけて食べていても、近くの電線でボーっとしている。チョビが鳴いて大ちゃんを呼ぶと「おろろ? そこにご飯があったの?」初めて気づいたように近づいてくる。どんくさいなぁ~! 大丈夫なのか??

でも大ちゃんのおかげで、チョビは少し優しくなった気がします。一羽だった時はわたしが挨拶をしても「お前、殺すぞ」という怖い目つきだったのに、大ちゃんと一緒になってからは「うぜぇ。あっち行けや」レベルになりました。 ちょっとマイルドになった。ww

仲間ができて良かったねぇ~。そう思っていたら、いつの間にか大ちゃんはいなくなりました。どこへ行ったんだろう? 繁殖期が終わってペアを解消したのかな? そしてチョビは大ちゃんが来る前の生活に戻って、一羽で過ごしていました。

ある日わたしはパソコンに向かっていました。リズム良くタンタンとキーを叩いていたら、同じリズムで窓の外から音がする。タンタンタン……バスバスバス……タンタン……バスバス……。ずいぶん近くで音がするけど、いったい何の音だろう? ふとベランダを見るとチョビがいる! そしてベランダに置いてあるゴミ袋をバスバスして突ついてる!! 窓を開けてわたしは叫びました!

ソウ:チョビ、やめなさい!!

チョビは素早く飛び立つと、すぐ近くの電線に留まりました。そして不機嫌な顔でこちらを睨んでいる。

ソウ:わたしたち、友達でしょ!?(←たぶんチョビはそう思ってない)友達を困らせるなんてダメだからね! やめなさい!!

チョビは生意気な顔でこちらを見ています。逃げるつもりはないらしい。わたしが部屋に引っ込んだら、すぐに戻ってくる気だ。わたしがいなくなるのを待っているんだ。そっちがその気なら、わたしだって!!(←この時点でカラスと同レベル)

わたしはベランダに立ったままチョビを睨みます。チョビは横目でチラチラ見ている。わたしだってあきらめないんだから。アンタがいなくなるまでずっとここにいるから!!(←鳥と同レベル)

チョビはすぐわたしが姿を消すと思っていたようです。でもわたしはいなくならない。チョビがイライラし始めました。電線の上で何度も足踏みしている。そして大きく羽を広げると……、






チョビ:カアアアアアアアア! カアアアアアア!!

わたしに文句を言い出した!! わたしを見ながら不機嫌に声を張り上げる! たぶん「うるせぇ! どっか行け!」って言ってる。どこにも行かないんだから!! 

とうとうチョビがあきらめて、遠くへ飛んで行きました。飛びながらカアカア文句を言っていたのは気に喰わんが、とりあえず勝った!! 人類が勝った!!(←あまりにも低レベル) 

勝ったとは言うものの、ゴミ袋に穴が空いていました。そのままでは出せないのでガムテープで穴を閉じて集積所へ持っていった。もう! メンドクサイ!!

数日後、部屋のゴミを集めてベランダへ置きました。この間は食べ物のニオイがしたからチョビが来たと思うの。たぶん今回は大丈夫だと思うの。甘かったです(涙)。ゴミを置いた数分後にチョビはやってきました! 早すぎるやろう!? 見張ってたんかい!?

ソウ:やめてって言ったでしょ!?
チョビ:カアアアアアアア!!(知るかボケェェェェ!!)

しょうがないのでゴミ袋は部屋の中に入れました(涙)。そしてその後もずっとゴミ袋は室内です(涙)。 まだ涼しいのでニオイはないのですけれど、気分的にちょっと……(涙)。

ポリバケツをベランダに置いてゴミを入れれば、チョビの攻撃は避けられると思います。でもチョビのためにわざわざ買うのが悔しい!! 

この勝負、もしかしてわたしが負けたのでしょうか?? どう思われます??


 

 

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