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翻訳: 10年以内にFIREする (3つのFIRE、3つの実現方法、3つの実行プラン) by Ali Abdaal

世界的人気YouTuberであるアリ・アブダール (Ali Abdaal) が、早期リタイアメントについて解説した動画が面白かったので、 日本語に翻訳(要約)しました。ただ「働かないこと」だけをゴールにする訳ではない、より現実的で現代的なリタイア像が紹介されています。

Ali Abdaal (@AliAbdaal)


3つのリタイアメント

これまでリタイア(引退)の考え方は進歩してきました。リタイアの形は次の3つに分けられます。

1. 従来型リタイアメント

働いて働いて働いて、65歳とか70歳になったら引退する、という従来型の引退スタイルです。
長年存在する概念ですが、もともとは1889年に当時のドイツの首相オットー・フォン・ビスマルクによって発明されました。若者の失業問題を解決するために、65歳や70歳を超えた人を引退させて、代わりにお金を渡して面倒を見るというもので、これが世界に広まりました。
平均寿命が70歳そこそこだった時代にはよかったのですが、現代においては多くの問題があります。引退した人は健康問題も多く、生きる意味を見失う人もいます。
100歳以上まで生きる人も多い沖縄を見てみると、みんな高いQOLを実現しています。沖縄に「引退」を意味する言葉はなく、代わりに ”IKIGAI (生き甲斐)” を持っています。これは日本語で「朝になったら起きる理由」とも言える概念です。

従来型リタイアメントの問題のもう一つは、誰も人生を楽しむことを65歳や70歳まで待ちたくない、ということです。働いて働いて、さあ人生を楽しもうと思った時には膝の関節症をわずらっているなんて、理想の人生ではないでしょう。65歳にもなってビーチでのんびりチル、なんて特に楽しくもないでしょうし。

2. ミニリタイアメント

そこで出てきたのが「ミニリタイアメント」で、ティモシー・フェリスが『週4時間だけ働く』で紹介したことで広く知られるようになった考え方です。人生の最後に約30年間のリタイアを取っておくのではなく、小さなリタイアに分割して人生全体に分散させよう、という考え方です。

仕事を自動化させたり、人に任せたりしながら、毎年数回、1か月間~6週間程度のオフを取る、というものです。そうすることで、若くて健康なうちに自分の行きたい場所でのんびりすることもできるし、好きな場所で働くことも考えられます。

3. 永続的リタイアメント

3つ目はナヴァル・ラヴィカントが提唱する考え方で『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』 の中で以下のように紹介されています。

引退とは、ありもしない明日のために今日を犠牲にするのをやめることだ。今日がそれ自体で充実していれば、引退していることになる。

『シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント』(サンマーク出版)

通常、働くこととは「何か犠牲している」と言えます。楽しむためではなく、お金を得る人生やエネルギーを犠牲にしているのです。もちろん働くことにはお金以外のメリットもありますが、人にもし宝くじに当たっても今の仕事を楽しむために続けるかと聞けば、恐らくNOと言うでしょう。あるいは、今の仕事をしてもお金がもらえないとしても続けるかと聞けば、恐らくNOと言うでしょう。
だからこそ永続的リタイアメントの定義は「より良い明日のために、今日を犠牲にしていなければ、あなたはすでに引退している」となるのです。

早期リタイアするための3つの方法

では、どうすれば「より良い明日のために今日を犠牲にしない」という状態になれるでしょうか(あるいは正式なリタイアでもいいし、精神的リタイア、心理的リタイア、感情的リタイアでも)。それも、できれば若いうちに。

方法1: たくさんお金を作る

1つは快適に生活できるくらい十分なお金を作ること。近年、FIREと呼ばれるムーブメントがありますが、FAT FIREとLEAN FIREの2つの考え方があります。

1つ目の方法はFAT FIREに当たります。たくさんお金を作って、それを安定的な投資先(S&P500など)に投資して、4%ルールに基づいて、毎年少しずつ切り崩す方法(毎年4%であれば、元金を減らすことなく、投資を継続できるというもの)です。例えば、100万ドルの資金をS&P500などに投資すれば毎年7~10%増えていくので、毎年4万ドルは自分の生活費に使っても投資ポートフォリオは維持できます。

しかし、この方法の問題は、最初にたくさんお金を作らなければいけないということです。

方法2: 出費を(すごく)削る

2つ目の方法は、LEAN FIREと呼ばれるもので、生活にかかる費用を可能な限り減らすことです。仮に年間の生活費が4万ドルではなく、2万ドルで済むならば、投資に必要な資金は100万ドルから50万ドルに減ります。

これの問題は、とにかく出費を減らすことで、楽しみが減り、ミニマリスト的なライフスタイルになることです。旅行に行ったり、子供を良い学校に通わせたり、良い場所に住んだりしたい人もいると思いますが、これらはすべて出費に繋がります。

方法3: 自分の仕事を好きになる

そこで3つ目の方法です。これは「永続的リタイアメント」に直接繋がるものです。生活のために働くのではなく、無給でもやりたいと言えるような本当に好きなことを仕事にするのです。そんな言葉は聞き飽きたと思うかも知れないが、これは真実なのです。もちろん誰でもできることではなく、すごく特権的なポジションだと思います。
でも、現実的には、FAT FIREやLEAN FIREよりも実現性は高いと思います。現在のインターネットエコノミー、クリエイターエコノミー、リモートワーク、ハイブリッドワークなどといったトレンドによって、実行可能になったのではないでしょうか。

早期リタイアへのプランの作り方

私自身も、この3つのメソッドの組み合わせで今の生活に至っています。そのプランを紹介します。

1: たくさんお金を貯めるためのプラン

『金持ち父さん、貧乏父さん』で紹介されたキャッシュフローの4象限という考え方があります。

まずは、時間をお金に換えることでお金(キャッシュフロー)を得る。次に、その得たお金でアセットに投資する。アセットとは富を生み出すものです。キャッシュフローを得るために働く一方で、アセットに投資することで富を生むのです。
私の場合、YouTuberとして働いてキャッシュフローを得ながら、そのキャッシュフローを土地や株に投資することで時間をかけて増やしています。
一方で、YouTubeチャンネルは一度作れば、繰り返し視聴され、お金を得られるので、アセットでもあります。オンラインコースや本を書くこともアセットを作っているとも言えます。以前は医者として働いて収入を得ていたが、多くの医療関係者も同じように副業をやっていました。
あなたも現在の本業と並行して、副業を頑張れば、FAT FIREへ近づくことができるでしょう。

2: 出費を減らすためのプラン

これはライフスタイルインフレと戦う方法、とも言えます。お金を稼げば稼ぐほど、たくさんお金を使いたくなってしまいます。私の場合、本当にクオリティ・オブ・ライフ (QOL) に影響することなく、削減できるコストはどこか、という観点で自分の出費を監視しています。
例えば、私は休暇に様々なお金を使い方を試してみたりします。例えば、あるときは5つ星ホテルに泊まってみる、ある時は安いホステルやAirBnBを使う。3倍のコストを払ったとき、3倍良い旅行にでしょうか。大抵は少し良くなるだけなので、それなら、私にとって良いホテルに泊まることは必須ではない、とわかります。
自分にとって価値のあることにだけお金をかけましょうう。出費を減らせば減らすほど、投資に回すお金を増やせます。

3: 仕事を楽しむためのプラン

仮にお金が支払わなくてもやりたいことは、本当に好きな仕事と言えるでしょう。例えば、もし自分が1億円を持っていたら、自分の時間をどのように使うかと考えてみましょう。私の場合、多分ビーチでのんびり過ごすということはないでしょう。退屈なので。
何をするか決まったら、今度は自分にとって理想的な「普通の一週間のスケジュール」はどんな感じか考えてみましょう。お金の心配はしなくてよいものとして。
その次は、リタイアというのが働かないことではなく、好きなことをやることなのだとして、その生活はどれくらいお金がかかるだろうか、と考えてみます。
私の場合、その生活は何億円もかからないでしょう。高級なものもいりません。ラップトップがあって、素敵なカフェがあれば、読んだり、執筆したり、友達や家族と楽しく過ごす生活はできます。
最後にもう一つ。自分のカレンダーを見て「自分が元気になる活動」と「自分を消耗させる活動」がどれくらいあるか考えてみて下さい。そして、自分を消耗させる活動に関して、それを楽しむ方法がないか、あるいはそれをやらなくて済む方法がないかを考えるのです。

以上が私が個人的に、早期リタイアへのアイデアとして考えていることです。

Source: How to Retire in 10 Years (starting with $0) - YouTube


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