『屋台がもたらした欲望』

割引あり

子供の小学校の入学式で懐かしい人物に出会った。俺がまだバックパックを背負って海外を彷徨っていたときしばらくの間一緒に過ごした女だった。たしか、名前はエリだった。

俺たちはバンコクで知り合い観光にも行かずに現地人や白人の遊び人、娼婦、ヒッピー崩れの日本人の男女たちとさまざま快楽に浸り遊び暮らしていた。ある金持ちに紹介してもらったアパートメントに俺たちは3ヶ月ほどいた。これまで1週間ほどはいろんな女と過ごしてきたことはあったが3ヶ月というのは異様に長かった。どうしてそれほど一緒にいられたのかは今となってはよくわからない。

入学式で最初に気づいたのは彼女のほうだった。妻がママ友たちと談笑しているときに近づいてきて、久しぶり、憶えてる?と言ってきた。彼女の顔を見てすぐに俺は彼女との昔の生活を思い出した。彼女は性に対してはかなり奔放でありとあらゆることを俺たちは試した。そんな彼女がフォーマルな服装をしていることにかなりの違和感を抱いた。俺たちは軽く話しをした後、俺に電話番号を渡した。

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