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"夜明け前のエンドロール"

夜明けの風はまだ冷たく
頭の中は片付かないまま
濡れた傷がまだ痛むのかい
置き去りの夜 届きはしない朝

夢の影が朝陽に溶け
カラスは今どこかへ飛び去る
ここじゃないどこかはどこにあるのかい
繰り返すこと 忘れていくこと

不意に襲う記憶
膨らむ影 眩む目の前
奪われた声が
逃げたい 壊れたい 消えたい
でも消えはしない見えない傷を
いつかの君が歌う

「眠れなくても側にいて」
ひとつになんかなれずに
触れた手がきっと
その答えを伝えていた

今は昔 あの日
怖くていつも見送っていた
その腕の裾さえ
もう逃げない 壊れない 消さない
変わらないもの 悲しきほど
いつかの君に願う

ああ光が見えたなら
迷わず歩いてほしい
ああ ありがとう
どうか元気で

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