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この時間 この場所 まるで絵空事 〜「結束バンド LIVE-恒星-」を観た感想〜

TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』劇中登場バンド・結束バンドの初のワンマンライブ「結束バンド LIVE-恒星-」が2023年5月21日(日)にZepp Hanedaで開催されました。
僕はこの日外せない用事があってチケットを申し込むことすら出来なかったので後日配信でライブを視聴。

見逃し配信を再生すると開演直前の会場の様子が映し出されたのですが客入れBGMとしてFINLANDSの「ラヴソング」SAKANAMONの「ロックバンド」が流れてました。SAKANAMONは結束バンドの新曲「光の中へ」の繋がりっていうのはわかるけどFINLANDSとかはどういう理由で選曲されたんですかね? あと会場ではほかにどんな曲が流れてたのかも気になる。

いきなり話が若干逸れましたがいよいよライブ本編。
1曲目は「ひとりぼっち東京」。以前公開された結束バンドのスタジオライブ動画でも喜多郁代役・長谷川育美さんの生歌が上手いのは知ってたけど今回は3000人級のキャパを誇るライブハウスで観客も超満員という不慣れな状況でも変わらずにめちゃくちゃ上手い…… ソロ歌唱の経験は少ないのにこのクオリティとは腹の据わり方がすごすぎる。

「ギターと孤独と蒼い惑星」や「Distortion!!」など数曲を経てここでボーカルを山田リョウ役の水野朔さんにバトンタッチ。
披露される曲はもちろんアニメの第4話から第7話のエンディングに使用された「カラカラ」。曲の若干声を出し辛そうにしてた感じはあったけど尻上がりに調子を上げてきて間奏明けのBメロではとてもエモーショナルに歌い上げていてカッコよかった…! 逆光になる照明の当て方も込みでめちゃよかったです!

「カラカラ」の披露を終えた水野さんはテンションの高いMCをしたのちボーカルは再び長谷川さんに。
「あのバンド」「小さな海」を披露したあとには伊地知虹夏役・鈴代紗弓さんが登場。そして第8話から第11話エンディングの「なにが悪い」を歌唱。虹夏ちゃんらしく明るくて元気いっぱいのパフォーマンス。
鈴代さん主導のコール&レスポンスも「ライブならでは!」って感じでとてもよかった。

そして結束バンドの新曲「青い春と西の空」をリリースに先駆けて披露。
アニメ第9話「江ノ島エスカー」での夏の思い出をもとにぼっちちゃんが作った曲なのかな?と想像させる歌詞でとても爽やかな楽曲でした。(「ぼざろ」はちゃんとぼっちちゃんの経験をもとに歌詞が書かれている感じがしてよい)
ビジョンに江ノ島や江ノ電の風景が映し出されていたのがさらにグッときた。

そしてここから「忘れてやらない」→「星座になれたら」→「フラッシュバッカー」という最終回の文化祭ライブのセットリストを再現するブロックへ突入。(厳密に言うと3曲目が実際に「フラッシュバッカー」だったかどうかは語られていないので分からないけど……)
アニメ本編では文化祭ライブを最後までやり遂げられなかったけど今回のライブでは最後まで演奏できた結束バンドのifストーリーを観せてくれたような演出になっていてとてもよかった。

みんな大好き「星座になれたら」ではアルバム『結束バンド』に収録されている音源版ではなくアニメ最終回の文化祭ライブバージョンでの演奏だったのが最高…! 喜多ちゃんのアドリブソロからのぼっちちゃんボトルネック奏法の流れをライブでも聴けたのはうれしい……

本編ラストの曲は「フラッシュバッカー」。パフォーマンス自体ももちろんよかったけど演奏を終えてギターのフィードバック音を残したままバンドメンバーたちがステージを後にする演出がめちゃくちゃかっこよかったです。

ライブ本編を終え、観客の熱いアンコールに応えて登場したのは黒いレスポールカスタムを携えた後藤ひとり役の青山吉能さん…!

ドラマーの4カウントのあと最終回エンディングテーマ「転がる岩、君に朝が降る」のイントロをアルペジオで奏で始めて鳥肌が立ちましたね……
そして青山さんは歌いながらバッキングギターも担当。歌いながらギターを弾くのは難しいのはギター未経験の自分でもそれくらいわかる。でも青山さんはちゃんと“後藤ひとりの歌声のまま”ギターを弾いていたのが本当にすごかった…… 歌かギターのどっちかに比重が寄ってしまいそうなものだけど全然そんなことはなかった。

そして驚くべきことに青山さんはそのままギターソロまでやってのけてしまったのである…! 正真正銘1曲まるまるボーカルギターとしてのパフォーマンス。一体どれだけの練習を積み重ねたのだろう。日々のお仕事も多忙だろうに凄すぎるよ…!
青山さんの歌いながらギターを弾く姿は完全にバンドマンのそれだった。

また、演奏中にはバックのビジョンにライブハウス・スターリーがある下北沢やぼっちちゃんが住んでいる金沢八景の風景が映し出されていて最終回のエンディングを想起しました。

「転がる岩、君に朝が降る」披露後のMCでは結束バンド4人のキャストが勢揃い。そして『ぼっち・ざ・ろっく!』劇場総集編の公開の発表が! とても楽しみです…!

キャストたちの最後の挨拶を終えてライブはついにクライマックスへ。
まず披露されたのはもうひとつの新曲「光の中へ」。“ライブ”や“バンド”がテーマになっている曲が実際のライブ会場で初披露されたのがとてもいい……
この曲についてはライブの翌日に投稿した別の記事で書いているのでそちらもよろしければ。

そして本当の本当にラストとして披露された曲は「青春コンプレックス」。
あのイントロから問答無用でテンションが上がる。そして突発的に発生した観客たちの「かき鳴らせ」「打ち鳴らせ」のシンガロングは本当に熱かった!
ラストの曲としてオープニングテーマの「青春コンプレックス」を持ってくることで“『ぼっち・ざ・ろっく!』はまだ終わらない、これが始まりだ”と表明しているようでこれからの展開がとても楽しみになった。

今回このライブを観て思い知らされたのが長谷川さんの歌唱力の高さでした。レコーディングでの歌唱はもちろんですがライブでの歌唱が凄すぎる。バンドのメインボーカルという役どころなので1人でかなりの曲数を歌っていたけれど最後まで歌唱力がヘタることなくずっと安定していて本当に驚きました。さらに驚くのが長谷川さんのソロ歌唱経験がこの日のライブでまだ2回目だったというね…… 恐ろしい子…! 近いうちにソロデビューとかありそうですね。

いや〜このライブは現場に観に行きたかったな…… 仮に申し込んでたとしてもチケットはかなりの倍率だったみたいで難しかったとは思いますが!
『ぼっち・ざ・ろっく!』はこれからもまだまだ続いていくのでいつかライブを観に行けることを願って。

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