東京灯標

僕を通り過ぎていった彼女たちの僕の中にだけ残っている思い出です

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死にたい夜にかぎって

恋人と別れた。 理由なんて大したことはなくて、ただのすれ違いだった。生来、人に裏切られることが多かった僕がやっと信頼できるかもしれないと思えた相手で、自分たちは特別な存在で、一生大切にできるなんて思っていたのに、なんということもないその辺の恋人たちと同じように時間とともに離れていってしまったのだ。 ただ、僕たちにその辺の恋人たちと違うところがあるとすれば、別れても連絡を取り合っていたことだ。近況を話し、愚痴を言い合い、時には少しだけエッチなこともした。彼女ではなくなってしまっ

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