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カバー曲のルールを「ツイスト・アンド・シャウト」で説明

ボクの記事のテーマは楽曲のパクリ・パロディ・オマージュ・インスパイアです。
今日はパクリの合法手段カバー曲の記事です。


わざわざカバー曲を入れると言うことは?

作詞作曲を自ら行い、さらに演奏したり楽曲をリリースするアーチストが、自分が好きな他人の曲や流行の曲をカバーすることありますよね?
ライブで演奏する場合は、クオリティの合否は、そんなに厳しい判断はいらないけれど、自分たちの作品に、わざわざ他人の曲を入れる場合は、他人の曲を自分達の血肉にすると言うことだから、それなりの覚悟と正しい判断が要ると思う。

またもやビートルズ

ロックバンドがアルバムに他人の作った曲を入れると言うのは1960年代ビートルズ以前は、ほぼ当然のことでした。
だけども、その原因になるビートルズでさえファーストアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』の収録曲14曲中6曲は、ビートルズがライヴで好んで演奏していた他人の曲が収録されています。

カバー曲のルール1

「ツイスト・アンド・シャウト」の進化

ビートルズの『プリーズ・プリーズ・ミー』というアルバムの最後の曲は「ツイスト・アンド・シャウト」と言うカバー曲です。
「ツイスト・アンド・シャウト」のオリジナルはプロデューサーのフィル・スペクターの元
1961年にトップ・ノーツと言うボーカルグループがリリースしています。
トップ・ノーツ版はヒットしてないようです。

Twist and Shout - Top Notes

翌年1962年にはアイズレー・ブラザーズと言うボーカルグループがリ・アレンジに成功しました。
チャチャチャのリズムを取り入れて、よりダンサブルになって楽しさが増しました。
そしてチャートに入りヒットもしました。

Twist and Shout - Isley Brothers

そして1964年のビートルズバージョンはアイズレー・ブラザーズのアレンジを基本に
4人で演奏できるように各楽器を粒立てして、なおかつ聴き細りしないようにリ・アレンジしてリリースしました。

Twist & Shout - The Beatles

これぞ引き算の美学だなーと改めて聴き入りました。

カバー曲のルール1

3曲聴いてわかるようにトップ・ノーツからアイズレー・ブラザーズ
アイズレー・ブラザーズからビートルズ
と言うふうに原曲をしっかり成長させることが出来たらカバー曲をレコーディングしてリリースしても良いと思うのです。

「原曲を成長させる」これをカバーのルール1とさせていただきます。

カバーの弊害

でもビートルズの「ツイスト・アンド・シャウト」はカバー曲の域を超えた感じもします。
どう言うことかと言うと、ビートルズが売れすぎたおかげで「ツイスト・アンド・シャウト」をビートルズの曲と思い込んだ人が多く、よくてアイズレー・ブラザーズを知ることくらいで、オリジナルのトップ・ノーツに日の目が当たった感じがしないのです。(当時はどうだったのかは分かりませんが)ボクはアイズレー・ブラザーズとビートルズの聴き比べを人に勧めたことはありますが、トップ・ノーツとアイズレー・ブラザーズの聴き比べを人に勧めたことはありません...

カバー曲のルール2

ビートルズの「ツイスト・アンド・シャウト」はカバー曲の域を超えた感じと先に言いましたが
その反省を踏まえて、カバーするバンドは、カバーする曲の継承者として自覚を持って欲しい

「カバーする曲の継承者としての自覚」これをカバーのルール2とさせていただきます。

素晴らしいカバーの例

わかりやすい例はエアロ・スミスウォーク・ディス・ウェイと言う曲です。

Aerosmith - Walk This Way


ウォーク・ディス・ウェイのカバーをしたのはヒップホップグループのRun–D.M.C.です。
プロデューサーのリック・ルービンがRun–D.M.C.にアイデアを投げかけて1986年にリリースされました。

Run–D.M.C. - Walk This Way

ロックンロールと、ヒップホップクロスオーバーした素晴らしいカバーです。
一聴して楽しくダンサブルに進化しています。
当時落ち目だったエアロ・スミスが、このカバーで復活し、Run–D.M.C.は世界中の音楽チャートにランクインし、ビッグアーチストになりました。

原曲もカバー曲も売れるという、いわゆるウィンウィンという恥ずかしい言葉で例えれます。

曲の継承者になれたかどうかは

カバーした曲の継承者になれたかどうかは、他人に委ねることになります。他人とはリスナーです。
リスナーが、これは素晴らしいカバーだ!と思えば継承者だし、これって、わざわざ自分達のアルバムに入れる必要ある?って思われれば、その楽曲はコピー曲に成り下がってしまいます。

もう一つの条件は、これからの音楽の歴史が、素晴らしいカバー曲だ!と証明してくれる日を待つことです。

ミュージシャンの方々はこの二つのルールを信条にして頑張って素晴らしいカバー曲を聴かせてもらえることを我々リスナーは期待して待っています。

というのがボクの考察です。

ご意見や反論を、自分が言われたら嫌な気分にならない言葉でお待ちしています。

では!

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