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【商社就活】#12 商社の選考におけるトレンド!

↓↓↓ 前回note ↓↓↓


これまで、22卒の就活生、さらには大学1、2年生や高校生を対象に、「成長」をテーマとした記事を6本書いてきました。

また、商社志望の学生に対象を絞り、「次世代商社における求める人材像」について11本の記事を通じて、詳細に説明してきました。

「第4次産業革命」や「Digital Transformation」の時代を迎え、商社は「次世代商社」に進化を遂げようとしています。この進化の過程において、「求める人材像」も変化してきており、私はそれを「イノベーティブ・グローバル・リーダー」であると提起しました。

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そして、商社に入社し、将来「イノベーティブ・グローバル・リーダー」として活躍するために大学時代に身につけるべきことは、「成長力」に加え、「創造力」「多様性」「信頼」と定め、その具体的内容と習得方法について説明しました。

これらのコンテンツが、みなさんの「成長」に少しでも役に立ち、みなさんが、世の中をよりよい世界に変えていく大きなポテンシャルを持つ商社を志望し、そこで活躍することにつながっていくことを願っています。


今回は、【商社就活シリーズ】のまとめとして、最近の商社の選考における「トレンド」について簡単にお話します。キーワードは以下の4つです。

①成長
②自分らしさ
③考え抜く力
④デジタル・テクノロジー・リテラシー

この4つのキーワードを説明する前に、商社を取り巻く環境における大きな変化について2つの話をします。


1. 採用や人材育成に対する考え方の変化

商社はかつて「ポテンシャル」を重視した採用をおこなってきました。「ポテンシャル」とは、リーダーシップコミュニケーション力バイタリティ人間力語学力などのことを指し、将来商社で活躍するための基礎となる能力や資質のことを言います。
「ポテンシャル」の高い人材を採用し、OJT(On-The-Job-Training)、ジョブ・ローテーション、研修プログラムなどを通じて、一人前の商社パーソンに育てていきます。また、中堅社員以降については、意図的な業務経験の付与やビジネススクールへの派遣などを通じてリーダーとして育てていきます。画一的にレベルの高い人材を「会社が」育てていくという考え方で、「人材育成」という言葉を使うのが一般的でした。

では、現在や将来はどうでしょうか?
「ポテンシャル」を重視していることに変わりはありませんが、「自ら成長し続ける人材」かどうかに、より重きを置いているように感じます。
時代の変化のスピードは加速し、世の中はより複雑になっていきます。時代時代において「価値を生み出す知識・スキル」は、変化していきます。それらの知識・スキルを自ら獲得し続けられる人材を求めています。会社の役割は、成長意欲の高い人材の成長を支援することに変わってきています。つまり、「人材育成」から「成長支援」に変わってきているわけです。


2. 課題解決へのアプローチの変化

変化のスピードが緩やかで、それほど複雑ではない世の中においては、解決すべき課題を見出すことはそこまで大変ではありませんでした。また、その解決方法についても過去の事例やノウハウを活用することが可能であることが多く、ゼロから考える必要はありませんでした。

では現在や将来はどうでしょうか?
変化のスピードが加速し、より複雑な世の中においては、そもそも解決すべき課題を見出すことが難しくなりました。また、課題解決において、過去の事例やノウハウはもはや使えず、また無数にある選択肢の中からベストのものを見出すことも難しいと言えます。
従来のような画一的な人材の集まりでは、もはや課題発見や課題解決は難しく、多様性のある組織や人材が求められるようになりました。
また、課題発見や課題解決において、「DX」を活用することが避けては通れなくなりました。


この2つの背景から、冒頭の4つのキーワードについて簡単に説明していきます。


①成長

商社は、「自ら成長し続ける人材」を求めていることは上記の通りですが、そのような人材を見極めるため、「ガクチカ」を重視する傾向にあります。「ガクチカ」は、大学時代に何に力を入れてきたかを聞いているだけでなく、その取り組みを通じて、どれだけ成長できたかを聞いています。その「成長ストーリー」を確認して、会社に入ってからの成長の再現性を推測しようとしています。当然のことながら、大学時代に大きく成長した人は、会社に入ってからも継続した成長が期待できます。より深い「ガクチカ」を複数求められるようになったのは、このような背景があると思われます。


②自分らしさ

現在や将来において、課題を見出し解決するには、さまざまなバックグランド、価値観、考え方、知識・スキルなどを持った「多様性の高い組織」を構築していく必要があります。そのため、今まで以上に、個々人の「自分らしさ」が求められるようになり、自分にしか発揮できない価値や機能を磨くことが必要となりました。最近、写真とともに「自分らしさ」を表すキーワードとエピソードを複数求められるケースが増えてきています。


③考え抜く力

課題を見出し解決するのが難しくなってきている現在や将来において、「考え抜く力」が今まで以上に求めらようになりました。具体的には以下の記事を参考にして下さい。
最近は、「ケース面接」「グループディスカッション」、さらには、従来とは異なる「考える力に焦点を当てた新しい選考方法」を導入する会社も増えてきています。


④デジタル・テクノロジー・リテラシー

ビジネスモデルが、トレーディング → 事業投資・事業経営 → DX化と変化している中、DXを活用した既存ビジネスの効率化や価値の向上、さらには新規ビジネスの創出が求められています。詳細は以下の記事を参考にして下さい。最近は、商社で何をしたいのかという「ビジネス構想」や、「ケース面接」「グループディスカッション」において、デジタル・テクノロジー・リテラシーの有無が勝敗を分けるようになりました。


このように、従来型の一問一答式の面接対策だけでは不十分となってきています。面接の場面で瞬発力も求められるようになったので、さまざまな観点からの対策が求められます。


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私は、1997年に伊藤忠商事に入社して以降22年間、人事部にて採用や人材育成などに携わってきました。その間、国内・海外を問わず幅広く、そして深い経験を数多く積んできました。そのおかげで「商社パーソン」としてのみならず、「人間」としても大きく成長することができました。伊藤忠には大変感謝しています。「人が財産」と言われているように、伊藤忠に限らず商社には、人を育てる文化があり、多様で豊富な成長の機会が用意されていることを実感しました。

自分自身が成長するにつれ、今まで以上に「世のため・人のため」に働きたいと思うようになりました。一方で、自分の成長にみずからリミットを設けてしまっているようにも感じ始めました。一つの企業という枠を飛び越えて、今までの経験や知識をフルに活かし、「自分の人生に真剣に向き合っている人の成長を支援する」「世界の人々が生き生きと暮せる世の中になるよう自分なりのやり方で貢献する」ということが自分の「使命」であると強く思うようになりました。

このような想いから「THE BEYOND 成長を楽しもう」を立ち上げ、まずは「商社就活オンラインカレッジ」を通じて、「商社」を志す大学生の成長を支援することとしました。「商社」は、世の中にある多岐にわたる課題を、さまざまなリソースの組み合わせによって解決できる将来性の高い優れた存在だと思うからです。「THE BEYOND 成長を楽しもう」の取り組みが、みなさんの大学生活や就職活動にプラスになるだけでなく、みなさんの「人生」そのもののに良い影響を与えられれば大変嬉しく思います。

当然のことながら、各社ともそれぞれの人材戦略・採用戦略を策定しており、「求める人材像」もさまざまなです。ただ、各社が抱えている課題は、共通しているところも多いと思われるため、「求める人材像」もそこまで大きくは異なっていないと考えています。ここでは各社の「求められる人材像」にまで踏み込まずに、共通項と思われる部分を抽出することとしています。

私の記事に書かれていることは、もしかしたらハードルが高すぎると感じられるかもしれません。でも心配しないでください。「Growth Mindset」を持ち続け、学び続けていけば、かならずや成長できると確信しています。特に、「人間性」「多様性」を磨き続けていってほしいと思います。

みなさんが健康に留意され、生涯成長を続け、「イノベーティブ・グローバル・リーダー」として世の中に貢献できる人になることを心から願っています。
私も新しいことにチャレンジをし続け、生涯、みなさんと同様に成長を続けていきたいと考えています。一緒に成長を楽しみましょう!!!


THE BEYOND 成長を楽しもう
商社就活オンラインカレッジ
佐野智弘



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