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【就活】#1 そもそも企業は「どのような人材」を求めているか?


1. 企業が求める人材


「新卒採用」において、企業が「求める人材」とはどのような人材でしょうか? 業界・企業に関わらず一般論を記すと、以下の1つに集約されるのではないでしょうか?

#0 求める人材

当たり前と言えば当たり前ですし、抽象的すぎてよくわからないと思いますので、説明していきます。



(1) 「長期にわたり」

 まず、「長期にわたり」ですが、二つの視点があります。
一つ目の視点は、

① 時代の変化にあわせ、その時代において価値を生み出す「知識・スキル」を獲得し続けることができるかどうか?

「テクノロジーの進化」「グローバル化の進展」などにより、世の中はものすごいスピードで大きく変化しています。将来はさらに加速していくでしょう。

現時点で、価値を生み出す「知識・スキル」を持っていて、それがどんなに素晴らしいものであったとしても、時代が変わればそれらは「陳腐化」し、使い物にならなくなります。

今持っている「知識・スキル」を、時代にあわせ「アップグレード」するか、もしくは「新たに獲得」することが求められます。

つまり、将来にわたり「成長し続ける人」が求められています。


「長期にわたり」の二つ目の視点は、

② すぐに会社を辞めないか?

企業が採用・人員計画を立てる際、若手の退職をある程度見込んでいます。ただ、想定以上に退職者が出てしまっては計画に狂いが生じ、組織運営に支障が生じてしまいます。

また、人材を採用し、育成していくには、多大な時間と労力とコストがかかります。早期に退職されては、それらの先行投資が回収できない事態が発生してしまいます。


(2)「貢献」

貢献するとは、

自ら課題を見出し、周囲と協力しながら、課題を解決すること


「どのような課題」を「どのように解決」するかは、「業界」「企業」「職種」「ポジション」などによって異なります。

しかし、どの「業界」「企業」「職種」「ポジション」であっても、「自ら課題を見出し、周囲と協力しながら、課題を解決すること」が求められることに変わりはありません。

企業には、与えられた仕事をコツコツときちっとこなす人材も必要です。
ただ、そのような人材を、採用の段階で求めているかというと、そうではないように思います。
企業が求めるのは、あくまで「自ら課題を見出し、周囲と協力しながら、課題を解決できる」人材であると考えます。

また、企業は、学生との間での「ミスマッチ」をさけたいと考えています。

具体的には、
・「企業が求める能力・資質のレベル」と「当人が持つ能力・資質のレベル」に大きなギャップがあり、著しくパフォーマンスや協調性が劣ってしまう
・仕事内容や社風・社員があわず、メンタルを病んでしまう

ミスマッチの原因は、本人に問題がある場合もあれば、企業に問題があるケースもあります。
当然のことながら、企業に問題があるケースは、企業は改善につとめる義務があります。
一方、本人については、ミスマッチが発生しないよう、企業は選考過程でその能力や資質をしっかりと見極めていくことになります。

一般的に、企業が求める人材を整理すると、

#0 求める人材-2


一部、例外もありますが、一般的に企業は、新卒で採用した人にできるだけ長く勤めて欲しいと考えており、かつ、将来にわたり貢献し続けて欲しいと考えています。


2. 人材を見極める5つの視点


では、企業は「求める人材」をどのようにして見極めるのでしょうか?
私は「5つの視点」があると考えます。

#0 人材を見極める5つの視点

一つずつ簡単に説明していきます。

① 成長力

「成長力」を以下のとおり定義しました。

「成長の法則」を理解している
・頭で考えるだけでなく「行動」に移している
・成長を遂げた「実績」がある

このような「成長力」が求められる理由を述べます。

世の中がものすごいスピードで大きく変化している中、その変化に伴い「価値を生み出す知識・スキル」も変化していきます。

したがい、時代の変化にあわせて「価値を生み出す知識・スキル」を獲得し続けることが必要となり、「持続的な成長」が求められます。

変化のスピードが緩やかな時代においては、業務を通じ経験を積み上げ、一つのことに精通していくことが求められていましたが、このような時代は終わりを告げようとしています。

以前は、「リストラ」というと、赤字になった業績を立て直すための「業績悪化型リストラ」が一般的でした。

現在は、黒字にも関わらず「リストラ」がおこなわれるようになり、「黒字リストラ」などと呼ばれています。

これは、比較的業績が良いうちに、将来のコスト負担を軽減しておくことが目的の一つです。

もう一つ重要な目的は、現在や将来において「価値を生み出す知識・スキル」を持っていない人材を整理し、逆に、そのような知識・スキルを持つ人材を高額で確保するという、「人材の入れ替え」です。
また、将来的に、「職」をAIや外国人と奪い合うことになり、「自分にしかできないことは何なのか」が問われる時代になります。

このように、「成長」は、企業にとっても、本人にとっても、「生き残りをかけた」極めて重要なファクターとなります。

そのため企業は、「成長力」を重視しているわけです。

「成長力」が高く、これまでに成長を遂げてきた人は、入社後も持続的に成長することが期待できます。
逆に、「成長力」が低く、これまでに成長を遂げることができなかった人は、入社後の成長は期待できない、という仮説が成り立ってしまいます。

5つの観点の中で、この「成長力」が他の4つの観点のベースとなっており、一番重要な視点であると考えます。


②人間力 

「人間力」とは、「謙虚」「感謝」「礼節」、そして「他者への支援」と定義します。
周囲から信頼され組織の中で貢献するために、また、自分自身が持続的に成長するために、「人間力」は欠かせません。

「人間力」は従来からビジネスにおいて重要であると認識されてきましたが、「成功」を遂げた人は、「人間力」を有しているという研究結果も出てきており、「人間力」「成功」するための必須要件となっています。


③ 自分らしさ :

現在は「多様性」が求められる時代です。
「多様な価値観・考え」が新しい価値を生み出す原動力となっています。
企業は、「企業理念」に共感し、その上で「自分らしさ」を発揮できる人材を求めています。
その人にしかできない貢献とは何か? が問われています。


④ 軸 :  
人は、企業理念に共感し、やりたい仕事をする時に、もっとも力を発揮し、成長します。
また、自分が思い描いているキャリアビジョンが実現可能であると思えれば定着率は高まっていきます。
そのため、企業は、学生の「軸」が、企業の実態とおおむね合致していることを確認します。


⑤ 社会人基礎力

どの業界、どの企業、どの職種で働くとしても、社会人として最低限備えておくべき基本的な資質や能力があります。その上に「業界」「企業」「職種」ごとに必要とされる資質や能力があります。
基本的な資質・能力は、努力によって伸ばすことができますが、入社後に時間やコストをかけて伸ばしていく余裕はありません。
したがって採用選考時に備えていることが求められます。



企業は、これら①〜⑤を見極めるため、OBOG訪問、インターンシップ、エントリーシート、動画PR、筆記試験、グループディスカッション、面接など、さまざまな方法にて多面的に学生を評価していくことになります。


3.学生の「就職活動」


以上が企業側の「採用活動」についてですが、学生側の「就職活動」とは何でしょうか? 簡単に触れておきます。

就活の目的の一つは、志望する業界・企業・職種を見つけることですが、就活は、さまざまな業界・企業・職種を知る絶好の機会でもあります。
業界・企業研究は、ファーストキャリアとしての新卒採用にだけでなく、その後のキャリアにも役立つでしょう。
したがい、第一印象にとらわれず、幅広く業界・企業を見て回ることをおすすめします。

また、就活は、視野の拡大、コミュニケーションスキルの向上、論理的思考力の向上など、「成長の機会」でもあります。真剣に取り組むことをおすすめします。


就活は、志望する企業に対し、「自分が、その会社の求める人材に合致していることを証明すること」であるとも言えます。
一連の選考プロセスは、企業を「説得する場」であると考えられます。
説得に成功するために必要なことは、

・業界・企業研究を十分におこない、企業が求める人材を適切に把握すること
事実に基づき、説得材料(自分のアピールポイント)を集めること
・その説得材料を、「言語化」「数値化」し、相手がイメージしやすい状態にすること
・企業を説得できるよう、ESや面接の練習を重ねること

学生の皆さんは、これらのことを頭に入れ、十分な準備をおこなうことをおすすめします。


次回以降、「人材を見極める5つの視点」、すなわち「①成長力」「②人間力」「③自分らしさ」「④軸」「⑤社会人基礎力」について、一つずつ詳しく説明していきますので、楽しみにしてください!!!

YouTubeでも、今回のテーマについて語っていますので、ご視聴のほど、よろしくお願いします。


次回は、【就活】#2 成長は科学だ!!! です。お楽しみに!


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