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幸せの色

真っ白に赤い点
これは日本の国旗である
食べ物で言うところの
日の丸弁当というやつだ。
しかし
同じ白に赤い点でも
こうも魅力的に見える
ヤツがいるとは…

甘い匂い
美しい見た目
それだけで味が想像できてしまう
不思議な食べ物である。
それがケーキだ。

赤「今日も美味しく食べてもらおう」
白「せっかく作ってもらったからね!」
仲良く話しているのが聞こえる

そこに
1人のお婆ちゃんが買いに来た
「ショートケーキ下さいな」
そう言って会計を済ませて帰った

赤「今日も人気だね」
白「僕達はケーキだからね!」
そんな話をしていると
女の子とその親が買いに来た
女の子はショーケースの前までくると
「イチゴのやつください!」
こう言ったのだ。
そして店員さんは
ショートケーキを1つ売った。

そこからである
赤「どっちがメインだ?」
白「え、そんなのケーキだよ」
赤「イチゴがメインのケーキだろ?」
白「上に乗ってるだけじゃんか」

怪しい空気になってくる。

赤「乗ってるだけ?」
「僕がいなきゃ普通のケーキのくせに」
白「クリームが自慢なんだよ!」
「当たり前のように乗ってるけどさ」

ケンカを始めてしまった
するとどうだろう
このショートケーキは
まったく売れなくなってしまった
他のショートケーキは
売れていくのに
ケンカをしているせいで
それに気づいてない

美味しくなさそうに見えてしまう
協力していたからこそ
美味しく見えるのだ

そんなこんなで
時間がたった。

1人のお母さんが
娘の誕生日ケーキを買いに来た

ショートケーキがいいそうだ
最後の1つになった
ショートケーキ

ケンカをしたせいで
美味しくなさそうな
ショートケーキ

このままではだめだ
お互いそう思った
そこで協力することにした

イチゴは自分がどう乗れば
美味しそうに見えるかを知っている
クリームはどれくらい
フワフワであれば
イチゴが乗りやすいか知っている

そう協力すればお互いが
美味しく見える。

どっちがメインだとかは
関係ないのだ。

誕生日に。
誰かの記念日に。
いいことがあった日に。
落ち込んでしまった日に。
なにげない平日に。
そっと
幸せの色を足す

いつだってメインは
お客様である。
イチゴとクリームは
そう感じた。
その日から
お互いを助け合うようになり
お店のショートケーキは
有名になった。

そして今でも
世の中の人達に
そっと
幸せの色を足しているのだ。


日本の国旗が
ショートケーキと同じ色なのは
幸せなことなのかもしれませんね。

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