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悩みの解決よりも、話を聴く事が“本当の思いやり”。「朝渋」を運営する5時こーじさんが見つけたパートナーシップの鍵

朝早起きをして、静かな環境で自分だけの時間をつくる。
そんな朝型生活に憧れる人は多くいるのではないでしょうか?

今回お話を伺ったのはTHE COACH ICP受講生であり、累計2,000人が所属する朝活コミュニティ「朝渋」を運営する5時こーじさん。名前の通り朝5時に起き、夜は22時までには眠るという、早寝早起きの実践者です。

「自分軸で生きるために、朝に自分時間を確保する」

そんな朝活の魅力を伝えるこーじさんですが、現在は夫婦で会社を経営しながら子育て、そして宮古島との二拠点生活と、忙しくもご機嫌な日々を送っているそうです。

自分のためにも家族のためにも、毎日ご機嫌でいることをモットーにするこーじさん。パートナーや会社、コミュニティメンバーと関係性を築く上で、コーチングの学びをどんなふうに活用しているのでしょうか。

井上 皓史(いのうえ こうじ)
5時こーじ。1992年、東京都生まれ。朝活コミュニティ「朝渋」代表。幼少期より22時に寝て朝5時に起きる生活。2016年朝活コミュニティ「朝渋」を東京・渋谷で立ち上げ、本の著者を招いたトークイベントは累計2.5万人を動員する規模に発展。2018年、勤務先の企業を退職し、ライフワークだった「朝渋」 に本格コミット。早起きを日本のスタンダードにすることを目指す。2020年3月、小学館より『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』書籍発売。
X(旧Twitter):@kojijico


夫婦経営の難しさを乗り越えるための「夫婦コーチング」


——朝活コミュニティの運営と、会社経営、そして子育てと忙しい毎日を過ごされているこーじさん。まずは、コーチングを知ったきっかけを教えてください。

今は夫婦で会社を経営し「朝渋」とマーケティング事業を展開しています。妻が学生起業した会社にジョインする形で6年前に入社し、そこから少しずつ人数が増え6人のチームになりました。そこに子育ても重なり、改めて夫婦経営の難しさを感じるようになって...。

先に断っておきますが、僕と妻は仲良しですよ(笑)ただ、家の中で仕事の話をしたり、職場で子どもの話をしたりと、仕事とプライベートの切り替えがほとんどできていません。

一般的な夫婦であれば、妻として、夫としての一面だけを見ればいいけど、他の一面とも向き合う必要がある。夫婦経営は、コミュニケーションの難易度がとても高い関係性だと思うんです。

そこで1つの工夫として、年に数回夫婦でコーチングを受けたり、毎月経営顧問に入っていただく機会をつくりました。経営顧問の方もコーチングを学んでいる人なので、そこから自然とコーチングって面白そうだなあと思うようになって。

——夫婦でコーチングを受けることには、どんなメリットを感じましたか?

第三者かつコミュニケーションのプロに入ってもらうことで、本音で対話ができるようになることですね。

2人だけだと感情的になってしまったり、ロジカルに話す人のほうが議論に勝ってしまって1人の意見がないがしろにされてしまったりすると思うんです。そこに客観的な視点で見てくれる第三者がいると、安心して本音を出し合えるし、互いの意見を受け止め合える。毎回気づきがあって、本当に助けられています。

「お金と時間をかけてまで、意見を言い合う必要ってないんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、夫婦で会社をやっていると、プライベートでの違和感やモヤモヤがそのまま仕事に持ち込まれてしまうことが多いんですよね。

それはお互い望んでいることではないはずだから、特に夫婦経営をしている人たちにはコーチに入ってもらうことを強くおすすめしたいです。

相手が本当に望んでいることは何?提案よりもまずは話を聴くこと


——コーチングに馴染みがあったこーじさんですが、自身がコーチングを学んでみてどんなことを感じましたか?

これまで全然相手の話を聞けていなかったんだなあと反省しました...(笑)基礎コースでは「解釈モード」「直視モード」「感知モード」の3つの傾聴スタンスを学びますが、僕は完全に「解釈モード」が働きすぎていましたね。

「朝渋」でファシリテーションを担当している影響もあってか「参加者を代表して、今何を聞くべきか」「どう返したら、時間通りに次の議題に行けるか」を先回りして頭で考えているが故に、ちゃんと目の前に人に向き合えていなかったかもしれないな、と。

——さまざまなゲストや参加者と対話してきたこーじさんでも、驚きがあったんですね。その学びはどんなところで活かせていると感じますか?

今のところ一番活かせていると感じるのは、妻との会話かもしれません。例えば「仕事がぱつってて大変なんだ」と相談されたとしますよね。今までだったら「じゃあ、僕が娘のお迎えに行こうか?」とか「マッサージでも受けてきたら」とか、提案ばかりをしていたんです。

僕なりに相手を喜ばせようと思って提案していたつもりなんですけど、今思うとそれって僕の勝手な解釈だったんじゃないかなって。良かれと思ってやっていたけど、相手が本当に望んでいることにちゃんと耳を傾けないまま、会話を終わらせてしまっていたんじゃないかと、反省しました。

そのことに気づいてからは「今どんなことを感じてるの?」「このあと、どんなふうに過ごしたい?」と、提案するよりも先にまずは相手の話に耳を傾けることを意識しています。まだまだ改善の余地はありますが、「ちゃんと私の話を聞いてくれてありがたい」と妻から感謝されるようにもなりましたね。

妻が求めていたのは、マッサージを予約したり美味しいご飯をつくってあげるようなサプライズではなくて、話を聞いてもらうことだったのだとハッとさせられました。

社内の1on1が安心安全な場になっているかを見直してみる

仕事場の様子

——会社のメンバーとの関係性には何か影響はありましたか?

社内の1on1でも、以前よりも自信を持って相手と対峙できるようになったと思っています。メンバーは僕以外全員女性ですし、会社の取締役だからだから「評価に影響したらどうしよう」と、本音を言えないことも多かったんじゃないかなと。

コーチングの倫理の1つである「二重の関係※」の考え方を学んでから、メンバーたちが置かれている環境が安心安全になっているのか、自分の中に問いが湧いてきたんです。

※「二重の関係」とは、コーチ/クライアントという関係の他に、上司/部下や親/子、彼氏/彼女、友人、商売などの関係を持つことを言う。コーチングでは、クライアントとコーチが「二重関係」になってしまう場合はそのリスクを自覚しておく必要がある。

「二重の関係」であることは解消できないけれど、「ここで話したことは誰にも言わないよ」と先に伝えることで、なるべく安心安全な場をつくるように意識しています。

「1on1での時間は、自分と対話するような時間だった」とメンバーからフィードバックをもらえるようになりました。僕に何かを伝える時間というよりも、自己内省の時間として活用してもらえているようです。

価値観の違いを楽しめたほうが、きっと人生は面白い


——今後、コーチングの学びをどんなふうに活かしていきたいですか?

僕は初めましての人と1対1で話すことに関しては、実はちょっと苦手意識があったんです。でも、コーチングを学んでみて「朝渋」のまだあまり話したことがないコミュニティメンバーとも1on1をやってみようかなと思えるようになってきて。早起きしたいけどうまくいかなくて悩んでいる人も多いと思うので、もっと寄り添えたらいいなあと思うんですよね。

朝渋での1枚

——なぜ寄り添いたいと思えるようになったのでしょうか?

コミュニティの規模も大きくなってくると、本当にいろんな考えを持つ人たちが集まってきています。正直これまでだったら、自分と意見が合う人や好きだと思える人とだけ関わりたいと思っていたんです。

でも今は「どういう背景でこの人はこう考えるようになったんだろう」と想像してみたり、「この人のエネルギーはどこから湧いているんだろう」と相手の心に好奇心を向けられるようになってきました。

価値観がバッチリ合う人を見つけたときの喜びも大きいですが、そんなに簡単に出会えるものではないと思うんですよね。そう思うと、自分と意見が完全に一致しない人とでも、価値観の違いを楽しめる自分になれたほうが、人生おもしろいんじゃないかなって思えるようになったんです。

——「そのほうが人生おもしろい」。素敵な発見ですね!最後に、THE COACH ICPをどんな人におすすめしたいですか?

コミュニケーションの基本を学んだことがある人ってほとんどいないと思うんですよね。だから、社会で働く全員に受けてほしいと思えるような内容でした。

それこそ僕のように、夫婦や会社でのコミュニケーションに難しさを感じ始めている人に勧めたいです。基礎コースにはコミュニケーションの基本が全部詰まっているし、一度学んでおくだけでも自分の振る舞い方に自信がつくと思います。

執筆:佐藤伶

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