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「面白がり力」の鍛え方

前回の記事『徹底解説「面白がり力」とそのメリットとは』では面白がり力ってなんでしたっけってこととそのメリットについて書きました。
今回はそこから広げて「面白がり力」をきたえるためにはどうすればよいかについて書きたいと思います。
ここで紹介するのは、僕が実践していることだったり、僕が会った「この人面白がり力強いな」って人に普段どんなことやってるのかを聞いてみて、その答えをまとめたりしたものです。

フェイズ① インプットの幅、バリエーションを増やす

 インプットの幅、バリエーションを増やすとは、自分の興味関心のどストライクではないインプットに触れる機会を増やすということです。
最近では多くの人にとって最も重要なインプットソースはスマホになっていると思います。そして、あらかじめ興味がありそうなニュースやコンテンツがキュレーションされた状態で表示され、好奇心の対象範囲内のものごとについてはどんどん情報が追加されていく状況が生まれています。
グノシーやスマートニュースのようなニュースキュレーションアプリはそういう仕組みですし、フェイスブックなどのSNSでも同じ趣味や嗜好を持つ人たちが集うことになるので、好奇心の対象範囲は特定の範囲に偏りがちです。

こうした状況下では、「興味や関心の範囲を定めずになんにでも面白さを見出せる力」である面白がり力を鍛えることは難しい。
自分が興味・関心があまりないようなインプットに触れる機会をどうやって増やすか、そこが重要になるのです。
今回はそのためのおすすめなやり方を3つお伝えします

一つ目はウェブメディアだけでなく「紙の新聞」を読むこと。紙の新聞の素晴らしさは紙面が広いことです。紙面を広げてみていると自然と自分に興味がないような記事も目に飛び込んできます(これをニュースペーパー効果と呼んでいます)。そして見出しから何気なく読み進んでいるうちに「はっ!!」と気づくことがあります。興味がないと思っていたことが実は興味がある別のことと密接につながっていたり、以前に読んでいた記事が実はこことつながっていたのかと後になってわかったり。
自分が興味を持っていたことが実はすごく狭い範囲であって、自分が思っていたよりも世界はずっと面白いんだと気づく。そんな体験ができるのが新聞の良いところです。

二つ目は、定期的に本屋とか図書館に行って雑誌を片っ端から読むことです(本屋に行くとおのずと長時間立ち読みすることになりますからちゃんと買いましょう。買わないなら大きめの図書館に行ってじっくり読むのがおすすめです)。
面白がり力のとても強い人達と会うと、この「雑誌を片っ端から読みまくる」というメソッドをやっていた経験者がやたらと多いのに気づきます。
興味がないのに「収納の雑誌」をじっくり読んだり、好きでもないのに「映画の雑誌」を熟読したりする。そうして何冊か読むと最後の方には「それらに惹かれる人の気持ち(ユーザーの気持ち)」がわかるようになっている不思議。
中には焼肉屋さんの業界誌を必要もないのに読んでいるという人もいて、そういう人は何の話をしてもとても高い解像度でビジネスを理解していたりします。
ユーザーの気持ちがわかるようになるので、その分野のビジネスの仕組みやユーザーをひきつけるコアバリューみたいなものも分解して想像できるようになります。

三つめはいろんな人と雑談をすることです。
なんだかんだ言って人の話ほど面白いものはありません。
特に一次情報を持っている人、どこかで聞いた話や噂話ではなく「本人が経験した話」を聞くのが一番面白いです。
なぜなら「そのときどう考えたのか?」とか「なぜそんな行動をとったのか?」とか、本人にしか聞けない質問をその場でぶつけて話をどんどん広げていくことができるからです。
その時に「ほかの人から訊かれたことがないような核心をついた質問」をされたりすると話している側も思わず考え込み、心の中から絞り出したような迫力のある答えが返ってくることがあります。
この瞬間が訪れると本当に最高です。
こういう対話のキャッチボールをしながらどんどん話の内容を深めていくともう病みつきになります。
「探求心」だと自分がどんどん探求していかなくちゃいけない求道的な雰囲気がありますが、面白がり力だとそこまで求道的でなく、楽しみのままに会話する中でお互いに気づきが得られるイメージです。
信頼できる人と「深い雑談」をたくさんする。そうすることでインプットすることの面白さを実感することができると思います。

フェイズ② インプットによる気づきや学びをこまめにアウトプットする

 インプットするだけだと面白がり力が深くなっていきません。
インプットした内容をどう面白がって学びに変えるか、自分の中に残す「引き出し」に変えていくか。そこも面白がり力の重要な部分です。
 そのために重要なのがアウトプットです。
インプットを踏まえて自分がどう考えたか、どんなアイデアを思いついたかをスライドや文章にしてみる
そしてスライドであればスライドシェアのようなサービスでシェアしてみる。文章にするならnoteやmediumみたいなマイクロブログサービス、あるいはツイッター、フェイスブック、リンクトインなどのSNSでシェアしてみる。
そうするとそれを見た多くの人からフィードバックが返ってくるでしょう

そのフィードバックがアウトプットをより良いものに変えていくために役立つし、自分のアウトプットに対してほかの人が色々意見をくれることで、アウトプットすることの楽しさ、面白さを実感することができます。

公開された環境でアウトプットするのはハードルが高いという場合は、まずは気のおけない親しい友達とかと会った時にみせて意見を聞いてみるとかでも全然かまわないと思います。まずはアウトプットに慣れるところからやってみるのがおすすめです。

アウトプットを公開すると、自分のどんな話に誰が反応してくれるのかを客観的に把握することができるようになります。
これをみることによって、「誰が何に興味を持っているかという興味・嗜好性のマップ」を生成できるのもアウトプットすることのメリットのひとつです。
このマップがあると、どんなことについては誰に聞けばよいのかがわかりますし、こうした興味の嗜好性のマップを通じて数珠つなぎに色々な人を紹介してもらうことも可能となります。

アウトプットをすることで、そこからまた新たな学びや面白いインプットが返ってくることとなります。
こうして、インプットとアウトプットのサイクルを反復するだけでもかなり広範囲かつ深い知識の蓄積、もっというと「引き出し」をたくさん作ることができるようになります。

フェイズ③ アウトプットをまとめて企画をビルドしてみる

 アウトプットがたまってくるとそれらをまとめてもっと大きなものを考えてみたくなるものです。
その時に②でつくった「誰が何に興味を持っているかという興味・嗜好性のマップ」が役に立ちます。
ビジネス的な企画をするときにその分野に詳しかったりするひとに相談したり、話を聞きに行ったりすると喜んで協力してくれるはず。そうやってビジネスを企画できるし、その成功確率も増やせるわけです。

こうなれば「その道のパイオニア」だったり「その道のスペシャリスト」として認知されるかもしれませんし、そうなるとより一層インプットが増えていきます。

面白がり力を強化するためには以上のように
フェイズ① 幅の広いインプット
フェイズ② こまめなアウトプット
フェイズ③ 企画をビルドする
というサイクルを回し続けていくのが理想
だと思います。

そうしていれば、運の科学vol.1運の科学vol.2で述べたような自分を活かせる機会を増やしていくことにもつながっていくことになるはずです。

面白がり力を鍛えることで自分の人生の豊かさは増幅される

すこし話が変わりますが、最近読んだ記事の中でもすごく面白かった記事がこちらの『「情熱を探そう」というアドバイスはもうやめよう』という記事。

マイクロソフト出身で東大でスタートアップ支援をされている馬田隆明さんが書かれたもので、ざっくり説明すると、成功したスタートアップのCEOがよく学生に「情熱を注げるものを探そう」ってアドバイスするけど、そういわれてもなかなかうまくいかない。情熱を注げるものを探すことだけじゃなくて「情熱を注ぐための技術を育むこと」も大事だということが書かれています。

これ、本当にその通りだなと思います。
馬田さんは、この記事の中でこういうことも書かれています。
『「やりたいことを見つけるにはどうすればいいですか」という質問に対して「情熱を探そう」と回答することは、学生の皆さんを Fit や Fixed な考え方を促してしまうことにもつながりかねません。上述の研究に従えば、むしろそのアドバイスは逆に、彼らの興味関心を広げることを阻んでいるのかもしれません。』

興味・関心が持てないようなことであっても、そのことを知るうちに興味・関心が持てるようになること、愛着を持って語れるくらいに好きになることはよくあります。
でも最初から自分の情熱の対象を決めてかかって出会いの幅を狭めていてはそういう出会いもなくなってしまうかもしれない…ということです。

事実、僕も本当にやりたいことを見つけるまでに、就職してから20年、生まれてからだと40年以上かかっています。
若いうちにやりたいこととか見つからないのは当たり前
だし、それで何も悪いことはない。

僕の場合、自分の人生を豊かにするためにワクワクするものを探し続けたり、自分の人生を豊かにして楽しもう、自分の人生の実りを増やすためにポジティブにいろんなものを面白がろうと思って生きてきました。
その結果、遅まきながら自分の人生をこのために使おうというものに巡り合えたし、公務員から起業して4年たった今も楽しく充実した日々か送れています。

ドンズバでイコールではないけど、僕が「面白がり力」を鍛えながら生きてきたプロセスは馬田さんのおっしゃる「情熱を育む技術を育む」プロセスと近いところもあったかもしれません。

まずは身近なものの面白さを掘り下げて楽しみ、それを肴にお酒が飲めるくらいになってみる。
それだけでも人生の楽しみがちょっと増すかもしれませんよ。

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