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本質を掘り下げて障壁を迂回する「リフレーム思考法」の身につけ方と実践例

僕は人生で最も大事なことの多くを漫画から学んできました。
その中でも一番くらいに衝撃的で今も時々思い出している漫画のひとつが「半蔵の門」、タイトルで薄々わかるとおり、主人公は服部半蔵です。
高校時代に読んだこの漫画のあるシーンから素晴らしい学びを得ました。

どんな学びか、それは「物事の本質を掘り下げて考えれば、たいていの問題は迂回できるし、目的達成はしやすくなる」というものです。
この学びのおかげでいくつものアイデアを思いつくことができました。

その学びのもととなったシーンをこれから解説します!

「半蔵の門」における僕的衝撃シーン

数名の弟子を連れて街にやってきた忍者の師匠。といっても昼間なので忍び装束ではなく武家のご隠居風の格好してます。
彼は弟子たち(武家の子弟の格好をしてます)の忍者としての適性を試すために質屋の前である課題を課します。
「あそこにある花瓶(人間と同じくらいのサイズがある巨大な花瓶)を盗ってまいれ。ただし、店主に危害を加えたり、騒ぎを起こしてはならん。誰かと組んでやってもならん。一人でやるのだ」と。

弟子の少年たちは店の前をウロウロして機会を伺うものの良い案が思い浮かばず次々とギブアップしていきます。
そして、一番年少の弟子がチャレンジする番になります。
彼は師匠に成功条件(対価を払わず巨大な花瓶を持ち出してくる、店主を害さない、騒ぎを起こさない、一人でやる)を確認し、冷静に自分の作戦を実行していきます。

まず店主に話しかけ、自分の帯びている刀を買い取って欲しいので目利きしてくれと頼みます。

この時点で、読者としては「おいおい!普通に売買してたら成功条件にあてはまらないよー!」と言いたくなるんですが、彼は店主が目利きに集中している隙を狙って小型の高額商品(櫛とか刀の鍔とか)を数点懐に忍ばせるのです。

「おおっ?」と思っているうちに、彼は結局値段が折り合わなかったというていで刀は質入れせずに師匠の元へ戻っていきます。
そして彼は盗んだ品々を師匠に見せてこう言うのです。

「これらの品をとってきました。これらを他の店で売り払い、その代金であの花瓶を買えば目的達成したと言えるのでは?」と。
師匠はにっこりと微笑み、少年の働きを認め、ねぎらいます。

「こういう目的達成のやり方があったのか!!」
…と高校生の僕はこれ読んでホントびっくりしまして。

忍者の作戦遂行のための「リフレーム思考法」分析

この話のすごいところは、
設定された目標=でかい花瓶を盗る
に対して
課された制限=騒ぎ起こすな&気づかれるな&一人でやれ
が非現実的すぎて普通は作戦遂行をあきらめちゃう。
しかし、この少年は、そこであきらめずに冷静に状況分析を行って、
作戦の障害が何なのを見極めようとしているのです。

その結果、
目的達成のための一番の障害は「花瓶のサイズが大きすぎること」
と気づく。
この気づきを起点に
花瓶が大きすぎるのであれば、小型のものであれば盗み取れる可能性があるのではないか、という風に視点をリフレームしているわけです。

なので僕はこの思考法を「リフレーム思考法」と呼んでいます

そして、花瓶をそのまま盗むのをあきらめて小型の高額商品を盗むという「障壁を迂回する」作戦に切り替えている。
その上、さらにその成功確率を高めるために、自身の刀を売るといって店主の注意を刀に集中させることで「確実に盗める隙」ができるよう店主の行動をデザインし、完全に計算しつくしたうえで作戦を実行。
見事、合格を勝ち取っているわけです。

「リフレーム思考法」を自身にインストールしてみる

この話を読んで以来、僕にとっての「ベストを尽くす」の意味が変わりました。
一見不可能に見えても、やれることはまだあるんじゃないか?
それを突き詰めて考える。

この少年忍者(ちなみにのちの服部半蔵です)のように、目的達成のためにあらゆる角度から考えるということ、ものごとの構成要素を細かく分解してラベリングして状況把握してみる。
そのうえで、障壁が何なのかを特定し、それを迂回したり除去したりするにはどうすればよいのか、ものごとの見方をリフレームしてみる。
この本を読んでから仕事でもそれ以外の日常でも常に問い続けるようにしています。

そうしていると、こういう「アプローチの方向性を変える」リフレーム思考って段々と身についてきます。
そのおかげで思いついたビジネスアイデアのスライドも2本、載せておきます。

「リフレーム思考法」の応用例スライドの紹介

まず1個目。
僕の前職の公務員時代、福祉部門にいた経験をもとに考え付いたのがこちら。
生活保護の給付を電子決済システムによって行うことで「貧困ビジネス対策」と「ケースワーカーの業務支援」と「埋蔵金的予算の捻出」、さらには「地域振興」までを一体的に実現しようとする施策です。


もう一本、これも公務員時代のもので、自転車そのものの撤去をしないことで、違法駐輪を低予算で根本から撲滅できるようするアイデア
違法駐輪自転車対策が徹底できないのは、撤去と輸送のコストが高すぎるのが理由。そしてなぜコストが高くなるのかというと自転車のサイズが大きいからなんですよね。なので自転車そのものではなくサドルを撤去すればいいじゃないかという(この半蔵の門の障壁迂回型リフレーム思考そのまんまの)思いつきを法律の確認はもとより、市役所の駐輪対策課にも取材して徹底してプランニングした力作です。


この二本のスライドはいろんなところで展開しているので「またこれかよ」と思う人もおられると思いますが、最近作っているスライドは守秘義務まみれでなかなか公開できないので大目に見てくださいませ。

また、今日ご紹介した「半蔵の門」第1話のこのエピソードはAmazonの試し読みでも読めるみたいなので貼っときます。
よかったらご覧ください。


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