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第8回 近松賞 受賞作品集

 「第8回 近松賞 受賞作品集」が完成したようなので、自分の作品が掲載されている訳ではないが、審査員の講評が読みたくて、取り寄せた。

 近松賞とは、公益財団法人尼崎市文化振興財団が、2年ごとに行っている戯曲コンクール「近松門左衛門賞」のことだ。

 今回、拙作「魚の涙」が、最終選考の8本に残ったのだが、残念ながら、受賞は逃してしまった。

 この戯曲は、2002年6月30日に、「第一回 近松賞」に送ったが、締め切りは来年です、と返却された。

 2014年6月11日「第6回 近松賞」に送ろうとしたら、締め切りが前年なのに気付いて、送らず。

 2022年6月18日、ようやく「第8回 近松賞」に送ることが出来たのだ。

 2名の審査員の方が、私の作品に触れてくれているので、紹介しよう。 

 一人目は、毎日新聞論説委員兼学芸部編集委員の濱田元子さん。

 「『魚の涙』を二番目に推したが、演劇的というより、新作落語的な味わいが面白かった。立体化されるよりも、存外、観客の想像力を借りる表現形式のほうが、ファンタジーとして生き生きと見えてくるのではないかと思った。

 最終選考に残った8作品からは、コロナや戦争によって顕在化した弱者にひずみがいく社会システム、若者の閉塞感、生きづらさなどに問題点を持って向き合う姿勢がひしひしと伝わってきた。新たな発見や、考えさせられることも多かった。これからまたどんな作品が生まれてくるのか、楽しみにしたい」

 二人目は、女優・演出家・劇作家・作詞家の渡辺えりさん。

「『魚の涙』は発想が面白くリアルなファンタジーとも言えよう。ありえないことを実際に生の人間が演じてしまうのが演劇なので、もっと無茶な設定を入れても良かったかも知れない。

             (中略)

 しかし、どの作品も生の舞台で観たいと思わせる力作ぞろいであった。コロナ禍の不自由な中で書き上げた作家たちに拍手を送りたい。

 この三年、私自身ますます演劇が好きになった。厄介で時間や人手の多くかかる手作りのものであるからこそいとおしく愛することができる」

 いつも私の作品に反応してくれるのは、女性だけだ。

(2023.8.19.記 )

次回作の製作費として、大切に使わせて頂きます。