”励まし”が持つ意外な効力
FROM ボブ・バーグ
何年か前のことだ。アメリカのテキサス州ダラスで、私は友人のトム・ジグラーと、その父親のジグ・ジグラーと一緒に昼食をとっていた。
このジグという男性は、その人生のほとんどを思考プロセスやモチベーション、人間の本質…といった「人間性」を研究するのに費やしている人だった。
ジグは、その道では権威として知られた人物でありながら、常に学ぶ姿勢を忘れない謙虚な面も持ち合わせていた。そんな彼が人間について、面白いことを言っていた。それは…
ジグ・ジグラーの興味深い言葉…
「世界中で一番大きな問題は、互いに励ましたり褒めたりするということがないことだ」。
ということ。つまり、人々はまわりから十分な励ましを受けていない、あるいは励ましてもらっていると感じられていないということだ。
確かに彼の言葉には、納得できるふしがある。ただ、ここで言っているのは、「上っ面のお世辞を言え」というようなことではない。
大切なのは、嘘偽りなく相手を褒めることなのだ。ちなみに、ある辞書によれば“励ます”という意味を表す英単語”encourage”は、古いフランス語が語源となっている。
この言葉には、勇気や自信によって鼓舞する、助けを与えたり認めたりすることで刺激をする、前進させたり強化させたりする、という意味がある。また類義語として「大胆にさせる」や「元気づける」などの言葉も挙げられる。
”励ます”の正しい意味
つまり、「励ます」というのは、まさにそういうことなのだ。さらにその励ましとは、誰に対してでもおこなうことが可能な行為である。
相手の自信を刺激したり、相手の人間性を認めたり、気持ちを高めるような言葉をかけたりすることで相手が一歩前進する手助けをしたりすること、それが相手を「励ます」ということなのだ。
もしもあなたが、間違いを犯している人や何か好ましくないことをしている人と遭遇したなら、何も考えずに相手を非難するような形で“反応”することは避けてほしい。
そうではなく、自分自身をコントロールして、相手を励ますような形で“対応”するのが良いだろう。もちろん、お世辞を言ったり嘘の励ましを言ったりするのでは効果がない。
重要なのは、自分の目の前に相手がいて、そのとき自分には言動の選択肢があるということを意識することだ。
あなたには2つの選択肢がある
その選択肢の1つは、相手に何かを勧めたり励ましたりすることで、相手に自信を与えること。もう1つは、非難したり否定したりすることで相手の自信を奪ってしまうことである。
考えてみると世の中には様々な人がいるが、ただただ褒めたり励ましたりするような人はあまりいない。しかし、励ますことや勇気づけることの効力を知っている私たちは、意識的にそれを実行に移すことができるのだ。
あなたの周りの人たちをどんどん褒めるようにしよう。世界はそう、”認められたがっている”のだから。
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