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カウンセラーに学ぶ斬新な対話

FROM 安永周平

台風10号が接近していますね。お盆休みですが、各地で水難事故が相次いでいるようですので、海や川で遊ぶ予定のある方はくれぐれも気をつけてください。安全第一です。それに、世間が休んでいる時こそ、自分の成長、自己啓発に時間を使うのも悪くないですよ。

営業マンとカウンセラーの共通点


ところで、僕は常々、優秀なカウンセラーの方が本気で対面営業をやれば、メチャクチャ売れる営業になるのではないかと思っています。なんせ、相手の話(悩みや困りごと)を聴くのが抜群に上手いじゃないですか。それもただ聴くだけじゃありません、適切な質問を投げかけて、自然と相手に本音を話してもらう力がこれまた一流です。これは営業マンが目の前の相手に気に入られ、信頼されるために避けて通れないプロセスです。

勉強熱心なあなたには、もはや説明不要だとは思いますが、セールスにおける普遍の法則で「他の条件が全て同じなら、人は知っていて、気に入っていて、信頼している相手に仕事や紹介を回す」のです。そうした関係を築くために必要なスキルを、優秀なカウンセラーは既に持っています。ちなみに、元営業マンがカウンセラーになる…という逆のパターンも結構多いらしいです。

で、僕は何人か凄腕カウンセラーの知り合いがいるんですが、以前、そのうちの1人と話していた時に、とても興味深ことを聞きました。これは営業においても当てはまるのではないかと思ったので、今日はちょっとだけあなたにもシェアしたいと思います。

1対1のコミュニケーションの限界


その人曰く、ここ何年かのカウンセリング現場で「1対1のコミュニケーションに限界を感じることがある」と言うのです。カウンセリングにおいて、クライアントとのコミュニケーションが大切なのは言うまでもありません。これに関しては、本屋に行けば山ほど本が出ています。営業トークもその1つかもしれませんが。伝え方や聴き方、雑談力、説得術、交渉術…それに最近ではメンタリズムと言った相手の心をコントロール、誘導するような方法も出てきています。

ところが、カウンセリングにおいて「説得」や「交渉」をベースにした方法を取ると、これはどちらかが折れることでしか終わりません。つまり、”勝ち負けが前提”のコミュニケーション(Win-Loseの関係)に陥りやすいらしいんですね。かといって、誘導や心理操作をベースにした方法を取れば、それはそれで不信感が生まれたり、一種の「洗脳」のようになってしまったりするのだそうです。

これらが決していい関係とは言えないと考えたその人は、「なぜこのような状況に陥るのか?」という根本的な原因を考えた結果、1つの仮説が浮かんだそうです。何かというと「コミュニケーションを”二者完結”で考えるからこうなるのではないか?」というもの。繰り返しになりますが、1対1のコミュニケーションは、相手に気に入られたり、信頼されたりする以前に「どっちが優位に立つか?」という勝ち負け前提の関係が生じやすいです。

「第3者」の意見は受け入れやすい?


ところが、時々やっている「グループ・カウンセリング」においては、こうした状況に陥ることが少ないらしいんですね。その理由は明らかで、そこに「第3者」の存在があるからです。直接関係がない…もっと言えば利害関係がない第3者の意見は、1対1の状態で相手から言われる意見よりも受け入れられることが多いとのこと。

それに、第3者がいることで、そこは「カウンセラーとクライアント2人」という閉ざされた非日常空間から「疑似社会」に変わります。つまり、より普段の状況に近い「1対多」のコミュニケーションがベースになるため、その後の社会への適応を考えてもメリットがあるのだそうです。僕らの生きる社会を俯瞰すれば、3人以上のコミュニケーションの方が圧倒的に多いですからね。そうしたこともあってか、グループ・カウンセリングにおいては、積極的に第3者の意見を活用すると効果的にはたらくことが多いようで。

相手を説得しようとする営業マン…


さて、これは僕らが営業する時も同じではないでしょうか。あなたも営業を「された」経験があると思いますが、「何とか説得しよう」と躍起になっている営業マンに出会ったことはありませんか?そして、その時、いったいどのように感じましたか?抵抗したり、ちょっと攻撃的になってしまったりはしなかったでしょうか。

先のカウンセリングのケースと同様に、この種の営業では、相手が折れるか、こちらが折れるか…つまり「Win-Lose」の関係に陥りやすいです。ここで思い出してほしいのですが、僕らの目的は、相手とWin-Winの関係を築くことですよね? 仮にこちらが折れて、不本意ながら契約を結んだ(負けた)としましょう。すると、その営業マンは、その場は”勝った”のかもしれませんが…こちらとしては、もう2度とその営業マンから買おうという気はしないはずです。ましてや知り合いを紹介を回そうなんて思いません。

第3者の力を効果的に借りる営業


そうではなく、先のカウンセラーの方の話のように「第3者の意見」があれば、状況は変わります。それがポジティブな意見であれば、あなたにとっても、そして相手にとっても嬉しい状況が生まれるはずです。では、第3者の力を最も効果的に借りるために必要なのは何でしょうか?

お察しの通り、その1つの答えが紹介経由の営業です。紹介経由であれば、第3者…それも”信頼できる第3者”である紹介元が、見込み客へあなたを推薦してくれます。有名なMDRTの研究結果によれば「紹介経由でアプローチした見込み客は、それ以外の見込み客と比べ、成約率が倍で、最初の2年で落としてくれるお金も多く、それ以外の見込み客よりも、営業マンや会社と長く付き合ってくれる」のです。これは第3者である紹介元の存在が大きく関係しています。

何も1対1にこだわる必要はありません。あなたが本当に見込み客のためになる商品・サービスを提供しているのであれば、それを気持ちよく買ってもらう方がいいに決まっています。ちなみに、ダイレクトマーケティングの世界的権威、ダン・ケネディはこんな事を言っています。

「あなたが商品の事を話すよりも、第3者があなたの商品の事を話す方が何倍も信頼性がある。」


ですから、見込み客と直接の利害関係がない「第3者」を味方に付けましょう。それを可能にする紹介経由の営業は、きっとあなたの信頼関係に基づいた営業活動を強力にサポートしてくれますよ。



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