世の中に本当に必要なものを提供すること

<倉吉ブギーバック ~ うたうように、生きる。>

いつの時代も、世の中に必要なこと/ものを思いつき、つくり出し、お客様に提供し、改善し、中断し、革命的な発明が起き、再起動し…そうやって世界の多くは創られてきました。これからも、そうだと思います。

人口減少、少子高齢化、ひきこもり、自殺率増加、中心市街地空洞化…よく話題になるこれらは、今の世の中の所与の条件というか、これからを生きるわたしたちにとっての、実はただのスタートライン。そんな世の中と正面から向き合い、人々の必要としていることをしっかりと見極め、それを解決するサービスやモノを、ひたすらに、全力で創り上げる。どんな時代でも、その繰り返ししか、ありません。山陰の曇り空を嘆くより、まずは一歩を踏み出すこと。

中心市街地空洞化という用語が踊って久しいですが、その土地に足を運ぶだけの魅力に乏しければ、空洞化するのは必然です。盛者必衰、いや不易流行。人は用もないところには行かないですよね。買いたいものがあるところへ買い物に行き、会いたい人がいるところへ会いに行く。人の欲望は、いたってシンプルなのです。そう考えると、なぜ中心市街地が空洞化したかといえば、買いたいものがないと思っている人が増え、会いたい人がいないと思っている人が増えたからに過ぎないのです。逆に言えば、東京に人口、いわば知恵とチカラとお金が集中するのは、そこに買いたいものがあり、会いたい人がいるからです。

繰り返しになりますが、人の欲望は、いたってシンプルですから、世の中に本当に必要なものを提供すること、これを突き詰めて考えていかなければなりません。

アメリカでは、みんなでささえあう共助(共有・シェア)の発想で、新しい、でもちゃんと「確かに必要だよね」、と腑に落ちる素晴らしいサービスたちがどんどん生まれています。

たとえば、今スーパーマーケットにいる人に、おつかいを頼むことができるサービス。これは物流革命と言われているamazonが描く世界に対抗できる可能性があるかもしれません。また毎日同じ道を通勤している人が多いことに注目した、個人の車に乗り合うことのできるシェアライドの仕組みも、交通弱者の支援やバス等の不採算路線問題の解決に繋がるかもしれません。他に有名なところでは、飲食店でランチなど1回の食事につき少し上乗せしてお会計をすることで、地球の裏側の貧困の人たちの1食分を寄附するという「Table for Two」などは、知らない同士の2人が1つの食卓を一緒に囲んでいるようなイメージを連想させるような秀逸なネーミングもわかりやすく、大きく業績を伸ばしています。

たとえ成熟した(と思われる)世の中でも、まだまだ必要とされること/ものは、いたちごっこのように、目まぐるしく変化し続けるものだから、常に新しいものを提供していくべきだ、という確信が、彼らにはあるのかもしれません。

ひるがえって、かつて中心市街地と言われた全国の地方の商売人たちに、そのような意識とパワーはどのくらい存在するでしょうか。

アメリカの例のように、今の世の中をゼロベースで見渡し、本当に必要とされていること、また将来かならず必要とされるだろうことに、正面からぶつかってアイデアを絞り出し、それを実践しながら改良していくこと。

これを、倉吉でも徹底してできないでしょうか。

たとえば、「高齢者の住みやすいまち日本一」というレッテル/強みを活かして、シルバービジネスの聖地にする、と決めてみる。いわばシニアパラダイス。シニアはくらして幸せ、若者にとってはシルバー分野で世界最先端のサービスやモノの開発をし、それを地域でテストし、全国そして世界に売っていくという夢を描き叶える幸せ。わたしが具体的に議論したことがあるのは、安全でおしゃれなショッピングカート/押し車、グラウンドゴルフの得点計算や全国で対戦ができるスマホアプリ、また自然や温泉を活かしたウォーキング関連産業、最先端医療、健康美容産業、など・・・アイデアはたくさんありそうです。

またティール財団の例ですが、財団では画期的なビジネスプランと実施主体に対してスタートアップ資金を提供していますが、20歳以下の人にしか提供しないそうです。もはや、次の未来を変えるくらい斬新なアイデアと、そのアイデアを実現するだけのパワーの両方を備えた人材にしか、逆に言うと怖くて投資できないということなのでしょう。

20歳以下とはいえ、孤軍奮闘でなく周りをちゃんとした大人で固めれば成功確率はぐっと高まります。

たとえば、the honest companyJessica Albaは、共同パートナーとしてBrian Leeを迎えていますし、そんなマッチングをしてあげればいいだけなのかもしれません。もちろん、人間的にお互いを尊重し信頼し合える関係であることが大前提ですが。

倉吉でも、たとえば全国の大学生以下限定のビジネスコンテストとその後の資金・人材の提供などの支援をセットで行う施策などいかがでしょうか。

倉吉在住のみなさま、先輩方、また倉吉出身の方、都会に住む倉吉のファンの方、あるいは若者のチカラを信じる投資家のみなさま・・・ぜひ、未来への投資として、未来へのアイデアと人材がどんどん育成され輩出されることになるだろう倉吉へ、今まで培われた経験や人脈、そしてお金と時間を、次の世代を生きる子どもたちのために、思いっきり投下するスリリングな喜びを味わいませんか?

だから若者よ、ここで今、夢を叶えよう。

次回は、最先端の「教育」について考えてみたいと思います。ワクワクしますね。

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