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華写#01_Imaginary Friend

2002年の創刊から続いている美容作品コーナー『華写(kasha)』が生まれ変わります。参加サロンの合同作品集ではなく、より美容師たちの刺激になる共作の写真集コーナーに。

これまでは、毎号のテーマを受けて、各サロンが、独占2頁の作品を創造し発表するコーナーでした。今回からは「共に創造するコーナー」になります。複数の美容師たちが創り上げたモデルたち(ヘアとファッション)を、同じ日時、同じ場所で、刺激し合いながら撮影(2時間程度)し、共同の誌面を一緒に作り上げるコーナーとなります。

新しい『華写』は、参加サロンが3チームに分かれて、それぞれが独自の世界観を共同で作っていきます。「新潟美少女図鑑の魅力」を3つの要素に分解し、それを先鋭化した誌面を作るというのが企画の狙いです。

チームAは、新潟美少女図鑑の魅力の一つ、街ロケ撮影から生まれる「親近感×違和感」に執着したコーナーを作ります。

自分たちの街を舞台に、自分とそれほど変わらない普通の子をモデルで、衣装も小物も実現可能なものだから「無意識の親近感」が生まれる。このメディアは、自分たちと関係のないもの、と思ってしまっては意味がないんですよね。

しかし、同時に、見なれた街並みも、誌面では「ちょっと違って見える」「なんだか自分たちの街じゃないみたい」。そういう違和感こそが他誌では感じることのできないワクワクを生むんじゃないか説。この感覚を、さらに刺激する誌面を作ります。

今回は、なんとも言えない「浮遊感」や「透明感」に溢れた、現実味のない「不思議な世界観」を見慣れた風景の中に作り出す。そこを丁寧に狙いました。そのためのテーマが「Imaginary Frend」。

チームAのテーマ「Imaginary Frend」。

各スタリイストが考える「イマジナリーフレンド(空想上の友だち)」を具現化して、現実の街で撮影する。長子や一人っ子に多く見られる現象。ただ、大人になるに従って自然消滅する。つまりは、いつかは失う(ないしは、いつの間にか失ってしまった)無垢な自分と対峙するような感覚を、読者と共有したくて、こういったテーマ設定にしました。(激ムズです)

しかも、新潟の美少女図鑑では、一冊まるごとファッションの特集号『ファッション別冊』が、年に2回は発行され、それ以外にも「ファッションの企画広告」が年に数回あるので、それとは明らかに違うものにしたい。そうでなければ「美容作品コーナーとしての意味がない」。

これが、事前の合同ミーティングで頻出した意見。「別次元の世界観をつくらないとダメですよね」「この子たちが電車に乗ってたらヤバいってくらいじゃないと意味がない」「普通の子のままだとスベる」と。

この難問に挑む、チームAのメンバーは、adorableの山崎さん(写真左)、SNIPS DOESの西牧さん(写真右)、そして、REPLICAの加藤さん(写真には不在)。3人とも20代半ば。

ただ、写真の通り、第一回『合同ミーティング』には、加藤さんは欠席。残念ながら身内にご不幸があり数日の離脱。その後、西牧さんが点滴を打たなければならないほどの事態になり数日の離脱。ただでさえ、一番難易度の高いテーマだったこともあって、チームAは、ここで大きく出遅れます。

しかし、その後、数多くのLINEの応酬と、編集部を抜きにした美容師だけのガチのミーティングを経て、濃密な意見交換がなされ、なんとかご覧のような撮影をすることが出来ました。

早朝5時半から撮影をスタートして、終了したのは9時。その後、美容室に戻り、通常の営業に入ったそうです。この撮影に向けた意気込みは完全に受け取りました。

これまでにない新鮮な誌面が作ってみせます。幾つかの方向性に分かれた写真なので、イメージの方向付けが必要ですよね。それ以外に、読者は、当然、無意識に意図を感じてしまうから「時系列」や「ストーリー」の設定などを含めた編集デザインは、かなりタフな頭脳労働となってます。誌面をお楽しみに。

新潟美少女図鑑Vol.35-Session-(2019年6月15日発行)

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