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華写#02_ACID CITY


これまでの『華写』は、各サロンが単独2ぺージで作った作品世界を、順に繋いでいくコーナーでしたが、今回からは「共に創造するコーナー」になります。複数の美容師たちが創り上げたモデルたち(ヘアとファッション)を、同じ日時、同じ場所で、刺激し合いながら撮影(2時間程度)し、10ぺージ程度の誌面を一緒に作り上げるコーナーとなります。

新しい『華写』は、参加サロンが3チームに分かれて、それぞれが独自の世界観を共同で作っていきます。「新潟美少女図鑑の魅力」を3つの要素に分解し、それを先鋭化した誌面を作るのが狙い。

Team Bは、新潟美少女図鑑のカッコいい側面を表現。夜の風景。クールネスな女の子。架空のバンドを組んでいる子たち。新潟なりのアーバンな都市型生活のイメージを想起させる誌面。

事前の合同ミーティングで「車道のライト」「夜遊び」「ガールズバンド」「DJ」「花火」などのキーワードが出たので、それを元にロケ地と衣装のプランニングを。

ライブハウスでのロケ撮影をすべく調整したんですけど、どこのライブハウスも撮影日にはライブが入っていて残念ながら断念。街中での花火については、各種への許可申請なども済ませてあったんですが、初めての企画に熱が入ってしまい、予定時間(夜9時)を過ぎてしまったので「まあ、他に良いの撮れてるから花火は撮らなくても」みたいな感じで見送りまして。

結果、こんな感じで良いものが撮れました。

このコーナーの撮影で意識したのは、一般のモデルだからこその「リアリティのある楽しそうな姿」と、コスプレ的とも言える「虚構への振り幅」。

突きつめれば、テレビも雑誌も虚構です。でも、エンタメの真髄は、いつだって「虚実皮膜(きょじつひにく)。写実だけではなく、虚構があることでエンタメの破壊力が増すというもの。それが芸の真髄という考え方。可愛い子を、そのまんま普通に可愛く撮ってたら、現実に勝てない。実物に会うのと変わらない。エンターテイメントとして成立しない。メディアとして発行してる意味がない。新潟美少女図鑑でしか見れないものを撮らないと。

どんな虚構を作っても、新潟美少女図鑑でしか体験できない撮影体験と、そこ生まれる彼女たちの表情はリアルなものでしょ。そこに虚実皮膜があるだろう説。

そう考えて、設定したTeam Bのテーマは「ACID CTY」。この撮影での新潟は、架空の街。アクティブで、ポジティブに、その街を遊び倒す女の子像を視覚化します。

Team Bのテーマ「ACID CITY」。

ACIDとは?《化学》酸、酸味、スラングで〈俗〉LSD、麻薬を指す、好意的でない記事、辛辣な言葉や意見。 ACID JAZZなどの造語も。

これまでの華写と違って、複数ページに渡って掲載する余裕もあるので、ヘアやファッションも途中でアレンジできます。その子の魅力を多角的に引き出したいという美容師たちの目線が生きます。

この日は、シーンを移動したタイミングで、ヘアチェンジして、衣装も若干の変化をつけて再び撮影。ちなみに、衣装は、モデルの私物中心。モデルが二人で並んだときのバランスを調整する程度に、リース衣装をプラスしました。

事前ミーティングで飛び出したHalo小川さんの意見「虚構とリアルのバランスが保てないと、やらされてる感、服も着せられちゃってる感が出る」は、この撮影の、まさに芯を食った最重要ポイントだったんではないかと思います。

テーマの「ACID CITY」と共に、ディレクションを担当した2サロン「M's hair」と「Halo」をバンド風のステッカーにして、撮影小道具にオン。細部に神は宿る。

新潟美少女図鑑Vol.35-Session-(2019年6月15日発行)

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