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改めてオスカー2024年のノミネートを振り替える

どうも。

オスカーのノミネート、発表されましたね。日本人のノミネートに関しては、それについてもっと語ってる人、たくさんいると思うのでそちらを見てもらうことにして、ここではやはり、オスカーで一番大事な6部門について見ていきたいと思います。

ノミネート結果、僕が以前に出したものと比べて、こうなってました。

作品賞
オッペンハイマー
キラー・オブ・ザ・フラワームーン
哀れなるものたち
The Holdovers
バービー
マエストロ
落下の解剖学
パスト・ライブス/再会
関心領域
American Fiction

ここはすべて当ててしまいましたが、前哨戦の時点でこういう予想はずっと出てましたから、当たったからといって特に喜びはないです。

監督賞
クリストファー・ノーラン(オッペンハイマー)
マーティン・スコセッシ(Killer Of The Flower Moon)
哀れなるものたち(ヨルゴス・ランチモス)
ジュスティーヌ・トリエ(落下の解剖学)
○ジョナサン・グレイザー(関心領域)
✕グレタ・ガーウィグ(バービー)

ここはバービーのグレタ・ガーウィグが外れて「関心領域」のジョナサン・グレイザーが入りました。

主演男優賞
ポール・ジアマッティ(The Holdovers)
キリアン・マーフィー(オッペンハイマー)
ブラッドリー・クーパー(マエストロ)
ジェフリー・ライト(American Fiction)
コールマン・ドミンゴ(Rustin)

ここ、全部当てました。作品賞当てるより、こっちの方が難しかったから、こっちは嬉しいです。

主演女優賞
エマ・ストーン(哀れなるものたち)
リリー・グラッドストーン(キラー・オブ・ザ・フラワームーン)
キャリー・マリガン(マエストロ)
アネット・ベニング(NYAD)
○ザンドラ・ヒューラー(落下の解剖学)
✕マーゴ・ロビー(バービー)

こっちもバービー、マーゴ・ロビーが落ちました。代わりに「落下の解剖学」のザンドラ・ヒューラーが入りました。

助演男優賞
ロバート・ダウニーJr(オッペンハイマー)
マーク・ラファロ(哀れなるものたち)
ライアン・ゴスリング(バービー)
ロバート・デニーロ(キラー・オブ・ザ・フラワームーン)
○スターリングKブラウン(American Fiction)
✕ウィレム・デフォー(哀れなるものたち)

「American Fiction 」のスターリングKブラウンが入って、「哀れなるものたち」のウィレム・デフォーが落ちました。

助演女優賞
デヴァイン・ジョイ・ランドルフ(The Holdovers)
エミリー・ブラント(オッペンハイマー)
ダニエール・ブルックス(カラー・パープル)
ジョディ・フォスター(NYPD)
○アメリカ・フェレーラ(バービー)
✕ザンドラ・ヒューラー(関心領域)

ザンドラ、こっちで入るかなと思ったんですが、これは嬉しいサプライズで、バービーからアメリカ・フェレーラが入ってます。

で、全体の話をするより今回は

グレタとマーゴの落選について書いた方が良いかと思われます。

ご存知の方もいらっしゃるかと思うんですが、僕は「バービー」、ここで連日のように猛プッシュしました。思い入れは深いです。

ただですねえ、今回、この2人が監督賞と主演女優賞のノミネートを外れたことに関しては

実はそんなに驚いてはいません。


それはオスカーに対しての皮肉とかでもなんでもなく、単純な話、「今回、ライバル多いな」と思ったのと、「あれだけ大ヒットしてなければ、本来、ノミネートされるタイプの映画じゃない」と思っていたからです。

はっきり言って仕舞えば、グレタに関して言えば「若草物語」がノミネートされなかった時の方がフラストレーションありました。

あっちの方が「なんで?」の気持ちはありましたから。

これは、予想した時の僕のテンションの高くなさにも現れてると思うんですけどね。

あの時の予想で書いた切り抜きをここで見てみましょう。

はい、このように書いてます。この時点で僕は「四番手以下」の予想にしてたんですね。だって他のアワードの様子から言って、クリストファー・ノーラン、マーティン・スコセッシ、ヨルゴス・ランティモスの方が明らかに勢い上でしたから。

ただ今回、作品賞ノミネートの中に3人女性がいたんで、そのうちから2人かなと思ってたんですね。で、外国人監督に関して言えばちょっとこれまでの歴史においてリスクはあるからジュスチーヌがよく見えなかったところはあるんですが、カンヌでパルムドール受賞の監督だし、入るとしたらグレタよりは上なのかなとは思ってました。

そこに「関心領域」のイギリスの監督ジョナサン・グレイザーが入ってしまった。この人ですね、国際的な評価、めちゃくちゃ高い人なんですよ。寡作なんですけど「Sexy Beast」「Under The Skin」という映画がカルト名作になってまして、映画界に信者が多いタイプなんですよ。

それに加えて、落選しましたけど、「The Holdovers」のアレクサンダー・ペインも、過去に監督賞3回ノミネートされてるんですよね。そんな彼が、彼歴代でもトップクラスの評価の作品でノミネートを逃している。レベルはかなり高かったんですよ。

 それプラス、今回のグレタの作風って、レビューの時にも書きましたけど、実は「俺たちニュースキャスター」「ズーランダー」「26世紀青年」みたいな荒唐無稽系の風刺コメディでしょ?そんな映画がオスカーで今まで評価されたことなんてないですよ。「Im Just Ken」が入ってるような映画なんですよ(笑)!

だから僕は公開前からバービーに関してオスカーというのは考えたことは正直なかったし、ノミネートされればすげえやくらいにしか考えてなかったんですよね。そういう人、結構いると思ってたくらいです。

あと、「オスカーは女性監督候補を 2人選ばない」ということを言ってる人がいましたが、事実誤認です。2021年のオスカーでは、クロエ・ジャオとエメラルド・フェネルの2人がノミネートされてます。恣意的な枠なんてないですよ。


で、マーゴ・ロビーに関しては、僕は3番手の予想にしてましたけど、「もしかしたら」の器具はないではなかったんですよね、これも。

というのは、今回、大本命はエマ・ストーンとリリー・グラッドストーン。これは揺るがないと思っていました。それからキャリー・マリガンはオスカー常連。2021年は「プロミシング・ヤング・ウーマン」でいろんな映画賞で主演女優賞もとっていた。さらに言うと、アネット・ベニングは今回で5回目のノミネートの上に、ここ10年くらいインディの映画ですごく活躍してて2回ノミネートを見送られている。そういうこともあって、コアな映画ファンから「今度こそ」の動きは見ていた。そしてザンドラ・ヒューラーはカンヌのパルムドールの「落下の解剖学」、「関心領域」はカンヌで2位に当たるグランプリの映画。助演扱いでしたけど、これも限りなく主演に存在で、カンヌで大フィーバーだったんです。

これだけライバルがいると、番狂わせ起きても決しておかしくなかったんですよ。

加えてですね、僕が「バービー」見た感想でも、あの時のレビューで「ノミネートされるべき人」でライアン・ゴスリングとアメリカ・フェレーラの名前は挙げましたけど、マーゴは彼らに次ぐ評価だったんですよ。彼らが落選したら、そっちの方がすごく残念だったと思うんですけど、マーゴはその時からそこまででは決してなかったんですよね。リーディング・ロールではあったけど、そこまで圧倒的な演技だったとは思わなかったんで。

 ということで、カテゴリーにライバルも多くアンラッキーだったと思います。代わりに選ばれた人が去年の主演女優賞ノミニーの「ブロンド」のアナ・デ・アルマスみたいなトンデモ人選だったら嫌でしたけど、みんなかなり強力な候補なんですよね。ちょっと、その人たちの力量考えるに「不当ノミネート」とは言えないんですよ。

で、さらに言うと、グレタは脚色賞で脚本家として、マーゴはバービーでプロデューサーとして作品賞でノミネートされているので、正確にはオスカー・ノミニーです。

そう考えると、これ以上のサプライズ落選はないので、他はもっと不満はないですね、今回は。

オスカー、最近はインディや国際映画祭、そしてレビュー・サイトの藩王なんかよく見てかなり研究されています。昔の方がメジャー配給会社間の談合が強かったんです。これも知らずに、「昔は良かった」とかっていう間違った思い込みはしない方が良いと思います。






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